消費税の政治経済学: 税制と政治のはざまで
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532353933
作品紹介・あらすじ
福祉を支える唯一の安定財源といわれながら、導入後20年を経てなお政治的にタブー視される消費税。その特殊性を導入前史から今日までの歴史と議論を通して明らかにする。
感想・レビュー・書評
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日本の消費税=日本型付加価値税 多段階の売上税
粗生産物型
所得型
消費型詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
税制と政治のはざまで ―
http://www.nikkeibook.com/book_detail/35393/ -
言わず知れた元自民党税調会長だった方ですが、書籍を読むと税金に対する造詣はやはりすごいなと思いました。現在の消費税のみならず、大平内閣が過去に一般消費税を導入しようとして失敗したあたりから、消費税の経緯も詳細に解説してくれています。
自民党の税調ではありますが、自民党にとらわれず税の観点から冷静に記載されているのがとても良かったと思います。
税金をわかりやすく説明するのは難しいと思いますが、こういう内容が広く国民に知れ渡っていないところに政治と報道の問題があるのかもしれません。 -
消費税の理論的・政策的な背景と日本における導入を巡る歴史的経緯がまとめられている。社会保障の安定財源として消費税が重要ということをあらためて認識した。逆進性対策など消費税の制度設計については、筆者の言っていることはいちいちもっともだと感じた。ただ、他の税(所得税)との比較(特に「なぜ他の税より消費税が優れているのか」という点)を含めて、もう少し消費税の理論的な解説を充実させてほしかった。
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政府税調の会長も務めた石氏による一般消費税から売上税を経て、現行の消費税へいたる政治動向の解説です。
付加価値税・消費税の仕組みについては簡単なものですし、経済学的視点もごく限られており、政治経済学とタイトルにありますが、中心はその時の政治の動きであります。
近視眼的な政治家の行動への怒りのためか、時に記述に感情が混じっているな、と思われる場面も。
税法や経済学の専門知識がなくても軽く読めます。 -
消費税の理論的・政策的背景、世界における付加価値税と、消費税の歴史(過去・現在・将来)について。
知りたかった、間接税・付加価値税とは何か、導入及び改正に至るまでの紆余曲折についてしっかり書かれていたので満足。
日本の消費税について知りたい時に読むとよい一冊だと思う。 -
日本において大半の意見は、中福祉・中負担を目指すべ。社会保障負担より税負担で国民負担率を引き上げるべき。その最有力候補は、個人所得課税の増強と消費税率の引き上げ。
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消費税の理論、歴史を中心に、現代の社会状況を踏まえた上での今後の税のあり方、とりわけ消費税のあり方について検討。社会保障は国民全体に関わるものだから、全員が薄く広く負担できる消費税が現実的というのが主な主張。
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エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10(2010年)第9位
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説明しない政治家と、不安を感じつつも考えない国民の狭間で30数年政府税調を通じ消費税の問題に一貫して取り組んできた石弘光氏の著作。劇場型イベントになりがちな日本の消費税議論を歴史的観点から説明し、少子高齢化時代の税のあり方を丁寧に説明した良書。