国民のための「食と農」の授業 ファクツとロジックで考える

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532359164

作品紹介・あらすじ

○「農村のほとんどの人は農家だ」「農家は貧しい。だから兼業せざるをえない」「兼業農家がなくなれば食料安全保障は成り立たない」「関税がなくなると農業は壊滅、自給率は低下する」「日本の農業は規模が小さいからアメリカやオーストラリアとは競争できない。だから保護すべきだ」「企業参入が進めば農業は活性化する」――これらは、日本の農業に対する誤った見方であり、すべて間違っています。いったい、どこがどう違うのでしょうか。本書を読めば、日本の食と農についての重要な事実、考え方が身につきます。そして、読み終われば、食料や農業についてのこれまでの見方が一変します。

○農水省時代には国際交渉で活躍し、中山間地の農業問題の解消に取り組み、国内外の政策に通じ、スタンダードな経済学をベースに国際的な視野から農業を真に発展させる政策への転換を長年にわたり訴えてきた著者が、政策担当者、研究者としての経験、見聞、観察、知識のすべてを総動員し、だれにもわかりやすく噛み砕いて、日本の食と農の本当の姿を伝える入門書の決定版です。

〇農業=食料生産に関わる問題だけでなく、食の流通・消費も含めたフード・システム、食の安全保障・食の安全、持続可能性、国際的な規律、政策の歴史、技術革新を踏まえた展望など、幅広い内容です。「食料安全保障と多面的機能の維持」という農業政策の基本目的に沿った現実の紹介を行い、ポジティブな日本の食と農の未来への展望を示します。

感想・レビュー・書評

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  • 【推薦コメント】
    農家って本当に貧乏になりがちなの? JAって本当に農家のためにあるのか? この著者が農業に対する偏見や思い込みを払拭するだけでなく、国際や政治の仕事に携わった経験のある筆者が実体験を踏まえた農業の現状とこれからの農業のあり方についてのヒントをくれる1冊だと思います。著者は東京大学卒業後、農水省に入省して現在は農政に関する様々な仕事をされています。農水省や行政、JA、農業関連企業に将来努めたい方はもちろん、政治や経済に興味のある人は特にこの本をお勧めします!
    (生命環境科学域 応用生命科学類 植物バイオサイエンス課程・2回生 S.S)

    【所蔵館】
    中百舌鳥図書館

    OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000964060

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058289

  • 日本の農業に対する視点として参考になった。特に農協や日本の農政について全体像やなぜ現在のような形になっているのかが、ざっくりと分かっただけでも読んでよかったと思う。

    本書の冒頭に書かれている通り、最終的には自分の頭で考えることが必要であり、その意味では本書の主張に対していかに批判的な視点を持てるかが重要なのだと感じた。
    本書をきっかけに別の主張や異なる立場から見た日本の農業についても勉強したいと思わされた。

  • 自分の興味ある箇所から読んでみるのが良いと思う。途中専門的な話になり、理解がすぐにはできない箇所があるので、農業全体のことを理解した段階で読み直すとまた新たな発見があると思う。

    日本の農業を考えるきっかけには十分になると思う

  • 序章 ファクツとロジックで考えよう

    第1章 食料・農業政策の目的と政治:なぜ望ましい政策が実行されないのか?
      
    第2章 日本の食料・農業・農村のファクツから出発しよう
      
    第3章 食料・農業のセオリーとアプリケーション:ベーシックな経済学
      
    第4章 世界の食料・農業事情と持続的な農業
      
    第5章 食料安全保障について考える
     
    第6章 食の安全について考える 

    第7章 フードシステムと食料消費について考える
      
    第8章 食料・農業および食の安全についての国際規律
      
    第9章 日本の食料・農業政策の歴史と思想
      
    第10章 日本の食料・農業政策:概要と改革の方向
      
    第11章 新技術と日本農業の可能性

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著者プロフィール

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1977 年東京大学法学部卒業。ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。博士(農学)。農林水産省ガット室長、地域振興課長、農村振興局次長などを経て、2008年より独立行政法人経済産業研究所上席研究員、2010年よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
主な著書に、『国民と消費者重視の農政改革 ―― WTO・FTA時代を生き抜く農業戦略』(東洋経済新報社、2004年)、『食の安全と貿易 ―― WTO・SPS協定の法と経済分析』(編著、日本評論社、2008年)、『環境と貿易 ―― WTOと多国間環境協定の法と経済学』(日本評論社、2011年)、『日本農業は世界に勝てる』(日本経済新聞出版社、2015年)など。

「2016年 『経済政策論 日本と世界が直面する諸課題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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