- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532402150
作品紹介・あらすじ
自分でアンケートをしようと思っている人にも、調査会社を使おうと思っている人にも、必要な実用知識が満載。はじめて調査に携わる人が、最初に読むのに最適の本。
感想・レビュー・書評
-
アンケート調査を行う際のアンケート設計とそのポイントや注意点をまとめた一冊。アンケートとしての質問項目のつくりかたとかは、あまり新しいものはないように感じましたが、まとめ方・分析の仕方、報告書としてどう見せるかなんかは参考になりました。答えてくれた人に失礼のないように、この辺を考えてしっかり分析・考察をしたアンケートで回答者にフィードバックできるようにならないといけないなと思いました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これも統計解析はあまり触れられていない。
調査票の具体例と統計解析との関連がない。 -
アンケートを作るのって結構難しい。社会学、心理学やマーケット理論を理解しないと、実はまっとうなものは作れない。ま、しかしお手軽につくるのだったら、この本は、良いのではないでしょうか。
-
アンケートって、勉強したことがなかったから、目からウロコ。
-
【アンケートの基本】
「アンケートは問題解決に使うべし」
―アンケートを行おうと考えるのは、”知りたいこと”があるから―
⇒知りたいことがあるとは、「問題」あるいは「テーマ」を抱えているということ
『問題を解決していくプロセス』
問題の把握→原因の分析→対策の実施
使用例1)「問題の把握」とは、目標と現実のギャップを把握すること。アンケートは、現実のレベルを把握するために行う
使用例2)「売れないのはデザインが悪いからだ」…仮説。この仮説の原因系を検証するために行う
【アンケートの計画〜どのように進めるか〜】
「アンケートの計画を立てるというのは、以下の質問に答えを用意すること」
?何のために調べるか(調査目的)
仮説検証型(年齢が下がるに従って、日本酒より洋酒を好む?)
事実把握型(○○に賛成・反対する人は何人いるか?)
?何を知りたいか(調査テーマ)
―要するに知りたいこと
「年齢と酒の好みの違い」「○○に対する賛否」箇条書きにするとよい
?誰に聞くか(調査対象)?何人に聞くか(調査規模)?いつ調べるか(調査時期)?どのように調べるか(調査方法)
?どのように分析するか(分析方法)
「データを集める前に、分析方法を考えておく」
例)大学生のライフスタイルを調べたい
→アンケート実施後、共学の学生と女子大の学生の違いを知りたいと思っても、そのような設問がなければ手遅れ
【アンケート調査の実例〜消費者の実態を把握する〜】
?アンケート票の設計
(調査テーマ:自社製品の認知・ブランドイメージの把握、競合商品との違いを知る)
質問項目:
1)消費者を分類するための項目
―カテゴリーの使用経験
2)ブランド認知
―知っているブランド・使ったことのあるブランド・現在使っているブランド・広告を見たことあるブランド
3)ブランドイメージ
4)現在使用している人への質問
―使用量・購入するときの重視点・ブランドへのこだわり・併用している商品
分析視点:
・使用量が多いか少ないかで層別にして分析する
・自社ブランドと他社ブランドの使用者に分けて分析する
・現在のブランドに満足しているか、今後も使い続けるかで分けて分析する
分析作業により、抜けている点に気付くことがある
5)ブランドの評価
―現在使用している人の満足度・今後購入したいブランド
6)商品を使用していない理由
―使用していない理由は何か・その代わりに、使用している商品は何か
?調査対象者の選び方
?調査規模
?調査実施法の選択
【アンケート調査の設計】
『調査テーマの設定』
具体的なものにする
→「何か売れるモノは作れないか」→「このコンセプトの商品は売れるか。売れるとしたらどんな人か」
『質問項目の設定』
?調査テーマの展開
「調査テーマから思いつくままに質問文を並べても、役には立たない」
例)問題意識:あるブランドの売り上げが振るわない。なぜか?
調査テーマの展開:○○というブランド購入者の実態を明らかにし、売り上げ不振の理由を考える
質問項目:・購入者(どんな人)・購入頻度(どのくらい)・購入理由(どのような理由)・購入者の評価(どんな評価)
仮説がある場合:「利点が知られてないのでは」「イメージが悪いのでは」
質問項目:・利点についての認知(利点を知ってるか)・ブランドイメージ
(分析の段階では回答を積み上げ”当該ブランドの購入者の実態”を明らかにし”売り上げ不振の理由”を引き出す)
(すでに問題が明らかな場合、問題の解決策をいくつか提示し、それに対する意見などを質問項目にする)
?質問項目を選び出す
1.時系列で考える
「ブランド認知」→「関心度」→「購入経験」→「使用頻度」→「評価」
「過去に使用していたブランド」→「現在使用ブランド」→「これから使用したいブランド」
2.原因と結果で考える
「○○ブランドを知る人の原因は何か知りたい」→「情報源の質問項目を加える」
「評価を左右する原因は何か知りたい」→「(品質・機能・デザイン等)について、どのように感じましたか」「評価の良し悪しの理由は何ですか」
「ブランドスイッチの原因は何か」→「以前使用してたブランドに対する不満・新しいブランドの良いイメージや評価を質問項目に組み込む」
3.要素に分解して考える
「ワイン専門店の来店客の満足度」→”十分な品ぞろえ”・”陳列のわかりやすさ”・”商品説明”・”店内の雰囲気”・”店員の商品知識”
?フェイスシートの設定
?質問項目を見直す
1.分類する枠組みを用意する
「購入理由等が、回答者側の何かの要因で違うのではないかと予想できるとき、その要因で回答者を分類する質問項目を用意する」
→ライフスタイル等
2.比較対象する項目を用意する
「一か月に一回以上購入する人が40%」→「40%という割合が高いのか低いのか判断できない」
→「競合するブランドの購入頻度を尋ね、比較対象とする」「過去と同じ質問文で尋ね、時系列で比較する」
→「様々な工夫で、40%の持つ意味をよりはっきりさせ、解釈に説得力を持たせる」
3.意向や予定を尋ねる質問は、関連する質問で補強する
「”購入したいかどうか”等の将来の予測・意向を尋ねる質問は正確性がが高くない」
→「購入意向であれば、”同種の商品を購入しているか””どのくらいの頻度か””購入している理由は何か”等事実を尋ねておく」
→「”ぜひ購入したい”と答えていても、”同種の商品を一度も購入していない人”と”購入したことある人”では実際に購入する確立は異なる」
→『全体の購入率を予測することができる』
?質問のストーリーを作る
論理的に自然な流れで→関連する質問はまとめる→答えやすい質問ははじめ、核心部分・難しい質問は後→最後にフェイスシート
【質問文チェックポイント】
・あいまいな言葉はないか
→「音楽番組」ひとによっては”歌謡番組””クラシック番組”
→受け取り方の違いが生じるものには注意が必要