楽天のベストショップ経営者が教えるEコマース成功の条件
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2008年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532490386
感想・レビュー・書評
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変化をとらえ、動き続けることが成功の条件か
昔何かの新聞か雑誌でメモした本。
楽天市場で成功した3つの店舗の経営者が
「Eコマース戦略研究所」なる研究所を設立し、
成功の秘訣を書かれたという本。
読む前に、楽天関係者に、
「書かれた当時から数年した段階で影響力は変化した」
という情報を頂いたうえで読みました。
初期費用がかからないとは言え、片手間ではできないという
ことが痛いほどわかる本。
本に書かれているような成功の条件が確立されても、
ものすごい速いペースでその条件が変化していく。
その波をどうとらえ、乗り続けていくのかが
成功の条件なのかな、と思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【読書メモ】
(魅力を伝えるキャッチコピーとは)
●商品写真のみでなく「言葉付き写真」で伝える
●ベネフィットが理解できる情報に加工されている状態
端的にいうと、その商品ならではの本質的な核心部分にスポットライトをあて、その部分に漂う空気感や雰囲気のある画像に加え、画像だけではイメージが湧きづらい部分をキャッチコピーで補い、画像から読み取れる情報を発展させる形で、お客様を一目惚れさせられる状態だということです。
●濃密接客=説明文
(売れるページデザインの秘訣)
●トップページは後回し、まずは商品のページを
●人がものを欲しくなる条件とは何なのか、その答えは「ベネフィットが瞬間で伝わること」だと私は考えています。・・・人は元々、意味や内容が不明な商品には、リスクが伴うので手を出さない傾向にあるということがあります。・・・お客様が欲する以上に情報が表現できていれば売れる確率が高まり、表現できていなければ響かず、逆に売れない確率が高くなります。
(顧客満足度を最大化する仕組み)
●お客様の支持率が高い店舗の共通点は「自動販売機ではない」ことだと感じています。
(売れるメールマガジンの書き方)
●パソコンメールに限っていえば、最近は配信時間によるレスポンスの差は見られなくなりました。これは、一人が受信する通数が増えたことも原因ですが、一番の原因は「一般ユーザーが友達や取引先など、必ず見るべき相手からのメールと、企業や店舗からの営業メールを明確に区別するようになった」のが理由ではないかと思います。
●主にメールマガジンによって売上を立てるためには、商品政策として最終的にオリジナル商品など、比較検討のない商品を扱うことを前提とし、また、文章能力を磨くのがよいでしょう。どちらかといえばナショナルブランドが多い場合、どんなに上手に案内しても同じものを他店に送客してしまう結果となりかねません。
●パソコンとモバイルメールで決定的な違いがあるのは「メール容量」になります。一通に盛り込める内容が、テキストメールであっても数百文字、デコメなどの装飾メールにいたっては2画面分のスクロール程度と、多くても5種類程度の商品しか案内できません。必然的に案内できる商品を絞らざるをえず、多品種プッシュ型には向かないメディア構造になっています。また現状のモバイルはまだまだインフラが整っておらず、商品の検索や比較がしにくく、ユーザーはパソコンほどのサイト回遊を行いません。
●店とお客様の関係性における信頼関係は、「人は、自分の目で見た情報や手に取って確認した情報、更には家族、自分の信頼している友人からの情報以外について、マイナス面は信じやすいものの、プラス面は早々簡単に信じられないもの」が前提となります。そのため店側の発信の情報では、すぐに深い関係を構築することは難しく、徐々にしか行われないので、結局お客様との継続的な関係構築は、コツコツと積み上げる以外に方法はありません。
●お客様思考を優先した考えで挑む必要があり、売上至上主義的なお客様軽視の自己優先型が見えてしまうと敬遠されてしまうのは、何らおかしくありません。「最近メルマガ送っても売れないんだよね」という話はよく耳にするフレーズですが、その関係性や順序が逆になっていなかったかを考え、今後終焉を迎える前に、次の一手を考えなければなりません。
●例えば、初めて会った人との出会いから親友になるまでの関係で考えてみると、初対面の相手に、いきなり「親友になってください(買ってくれ)!信頼できる人だと思ってください!」といわれると、相手はどう思うのでしょうか?ここはゆっくり、じっくり、順序立てて、距離を縮めていかなければなりません。そのために、ネットショップの世界では、「初めましてメール」が有効になってきます。
(人気店の販売テクニック)
●オークション向きな商品というのは、やはりウォンツ型商品。「必要ではないけれども、メールで案内されればなんとなくフラフラと欲しくなって入札してしまうような」商品。実店舗でいうところのウィンドウショッピング型の商品ということになります。
●オークションをやった結果付いた値段というのは、ユーザーが「その値段なら買う」と指値をしてきたということであり、本来の商売に近い形なのではないかと思います。いわば商品の値段をいくらにすれば良いのか、というリサーチの意味も含んでいるのではないでしょうか。
●ショップ店長なら、自分のショップで販売している商品に自信を持っていて、その商品の魅力を余すところなく伝えたいと思うでしょう。しかし、そのような表現をすることで、お客様の期待値は大きくなってしまいます。「北国からの贈り物」では、顧客の期待を煽りすぎないためにも「最高に美味しい」などの個人的な感想はできるだけ避け、客観的にわかりやすい表現を心がけています。そうすることで、お客様の期待とのズレを小さくし、不満の声にならないようにしています。
●購入したお客様に届く3通のメールが圧倒的なファンを作る
「受注確認メール」
・モールからの自動返信とは別に出す
「配送連絡メール」
・商品の到着日時を伝える
・商品の発送伝票番号を伝える
・到着日の変更方法を明記する
・トラブル時の連絡先を明記する
「フォローメール」
・商品の到着を必ず確認する
・万が一の未着を防ぐ
・商品の欠品、破損があった場合の対応を明記する
・トラブルの場合、迅速な対応を心がける
・商品に関するアンケートを行い、商品開発のヒントにする
・不具合、トラブル時には緊急で対応を行う
・不具合内容によっては、未連絡のお客様にも、商品の品質の確認を依頼する
・美味しかった!の声は、ホームページやメルマガで紹介の許可を得る
(新規店舗立ち上げの考え方)
●ネットショップであれ、基本は「小売業」だということです。実店舗におけるお客様との1対1の対面販売と変わりません。・・・ネットショップの利便性は1対1を機械的に1対10にできることです。ただ、1対1の関係を忘れ、単に効率化したのではお客様の満足の質が薄まり、一度売れたとしてもリピーターはなく、成長モデルになりません。一人ひとりの満足度を常に最大化すること。それが事業を展開する上で最も大切なことです。
●売れる店舗名の3つのポイント
1.文字数15文字前後で、簡潔に表現
2.お店の一番商品を記載する
3.他社と差異化できる特徴を記載する
(社内システム構築のポイント)
●後払いのデメリットとして「代金の未回収が出てくるのではないか」ということを、どのショップさんも気にします。当社で実際に行ってみた数字では、未回収金額は全体の0.2%にとどまっています。クレジットカードの決済手数料は3%ほどかかりますし、後払い決済では、お客様に決済手数料を負担してもらえるので、試算すると、むしろ利益性の高い決済手段だということが分かります。
●後払い決済を導入しておくと、新規顧客を獲得しやすいということもあります・・・初回購入者に限っては、約50%が後払い決済を選択しています。つまり後払い決済を用意してないショップは、新規顧客が商品を購入する際の障害を自ら作っていると考えられないでしょうか。
(売れる商品企画のポイント)
●人が興味を持つことは、自分自身の知らない世界だということです。 -
楽天の有名店の店長さんによるEコマース論。
要するに、ネットも商道ともいうべき基本から外れないということのようだ。
先義後利 8
集客を考える上でもっとも心強い味方になるのがショッピングモール 27 →集客にもっとも期待
顧客に対しての自動販売機的対応 102
HPはお店の顔、メルマガはお店の心 メルマガで顧客との信頼関係を築く132
オークションはニーズ商品は不向きでウォンツ商品が向いている。ウォンツ型商品はメルマガで案内されるとついふらふらと買ってしまうという意味でウインドショッピング型ともいえる143
ショップ立ち上げの時の想いは目に見えないけどこれがベースになって最終的に目に見えるページやメールマガジンになる(氷山理論)230
社長の仕事はスタッフ全員の笑顔と真心を育むこと 233