対話する力: ファシリテーター23の問い
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532490560
作品紹介・あらすじ
「対話を育むファシリテーション」の23の課題に、第一線のプロが対話形式で知恵をぶつけ合う。危機だらけの時代だからこそ、「対話する力」を育むファシリテーションが求められている。現場で実践する際にぶつかるさまざまな悩み・疑問・迷いに、2人のプロがズバリ答える。
感想・レビュー・書評
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堀さんと中野さんのファシリテーターのスタンスの違いはあれど、共通しているのは対話の重要性とそれに関わる責任。実際にワークショップを運営した体験と照らし合わせて読むとグッときます。
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名ファシリティテーターによる、ファシリテーションでなにを目指すのか?、どのような心構えで挑むのか、など、リアルで多様な経験を元に記述されている本。ノウハウ的なものはあまりないが、心構えや志など、メンタル面で参考になることがある多いと思う。
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ファシリテーション業界を代表する2人のさまざまなファシリテーションに関する問いを巡る対話篇。
実は、この本のもとになったワークショップに参加したことがあるのだが、ファシリテーターといっても、このお2人は、かなりタイプの違うキャラクターで、ファシリテーションのスタイルもかなり違う。
が、違うがゆえに、何が大切かということが浮かびあがっていく。
つまり、中立的な立場であるはずのファシリテーターなのだが、なぜか、自分というものが強烈にでてしまう。ファシリテーターとは、自分であると同時にオープンであること、ということかな。
難しい本ではないし、単なる技術論ではなく、深い対話論になっているのだが、ファシリテーションをやった事の無い人には今ひとつ実感がわからないだろうな。という意味では、ファシリテーション中上級者むけ。 -
色んな面で、バランスの取れた本だな、と思った。
ファシリテーターという立場でありつつも、自らも参加者となって体験しながら場をつくっていく中野さんと、あくまで参加者とは違う立場で常に全体を見守ることを大事にする堀さん。
中身についても、具体例もありつつ、まとめもきちんとされている。
ファシリテーターの役割としても、全体の場をしっかりホールドしつつ、コントロールしすぎることなく時には参加者に場を委ねる。ある程度の落としどころは持ちつつ、それとは違う方向に行っても、参加者の納得感が得られるものであればそれをちゃんと尊重する。
他人ごとにはなりすぎず、かといって当事者として入り込みすぎない。
そういう、何につけてもバランス感覚が優れているかどうか、がファシリテーターとして大事なことなのかなぁ、ということを感じた。 -
ワークショップデザイナーとしてファシリテータのことをかじり始め、知識伝達型の講師との違いなどを理解した段階で、ファシリテーターとしてどのような働きをすべきかまだよく分かっていなかった。今回ファシリテーターとして経験豊富な、しかし参加者への接し方のスタイルが異なるお2人の話し合いが興味深く聞けた。おそらくかなり深いことを言われている気がするが経験も少ない今の自分では感応するポイントもそのレベルだ。今後いろんな経験を積んで再読すると響くポイントもまた変わってくることだろう。何度か読みたい本の1つとなった。
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日本のファシリテーション界の大御所、堀さんと中野さんが寄せられた課題・質問に対談形式で答える本。
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実際にファシリテーターとして活動する2人の著書。学術的ではなく、具体的にどうするかという視点で書かれているため、今まさに何か困っている人には大変役に立つ内容であると思う。
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何度か目を通している。ファシリテーションの本で一番好きな本である。ファシリテーションの方法論の本ではなく、堀さんと中野さんのファシリテーターの経験からファシリテーターのあり方を述べている。だから、真剣に気軽の読みやすい。
対話(ダイアログ)は、意見を壊し合う議論(ディスカッション)とは違い、メンバー同士で対等に話し合う。それにより、物事に探求できて、納得のいくアイディアや結論を見つける。対話しやすい場づくりして、対話のプロセス(経緯)を見守り、メンバーの自律的思考に触発するのがファシリテーターと役割と私は思う。
ファシリテーションとワークショップの実践をたくさん積んで、学んでいこう。ファシリテーションとワークショップ、いずれも正しい答えはない。答えは、メンバーが作り納得する。そして、メンバーのフィードバックのより、ファシリテーターは成長する。
読書状況は、読む機会がすぐにありそうなので、いま読んでいる状況にする。 -
一つのリーダーの形として、「ファシリテーター」という役割があります。
2人の著名なファシリテーターの対話形式で、「ファシリテーターとはどうあるべきか、そもそもファシリテーションとはなんなのか」ということを語っています。
対談形式だけあって、とても読みやすいです。
この本を読んで思ったのは、ファシリテーターというものは、その場に存在するけれども、極力影響を与えず(意見の押し付けをせず)、けれども、その人がいることにより、グループ/コミュニティ内の意思疎通がスムーズになる、そういう存在なのかな、ということでした。
メンバをぐいぐい引っ張っていく、いわゆる「リーダー」ではないけれども、全体最適というか、組織内円滑化というか、そういう素養が評価されていく世の中になっていくのかな、と思いました。そうであるとうれしいですね。