№1ストラテジストが教える 日本株を動かす外国人投資家の儲け方と発想法
- 日本実業出版社 (2017年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534055484
感想・レビュー・書評
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個人投資家にとってはなかなか聞き馴染みのない世界に関する話。外国人投資家が普段どのように日経マーケットと絡んでいるのか、そして彼らがどのようなことに目を光らせて行動しているのかなどについて解説されている。マーケットの大きなトレンドとその裏側を知るには参考になる本。
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2020年6月現在、未だ武漢ウィルスは終息せず、世界経済の停滞は続いています。さらに米中の覇権争いを象徴する貿易戦争の激化や中国経済のバブル崩壊など不安要素が多い割には、株式市況はそれほど悪くはありません。景況感の悪いときには将来の悪い見通しで逆張りして儲ける投資家もいるわけで、株式市場はいい時も悪い時も魑魅魍魎の世界です。
さて、日本株式に占める外国人投資家の売買比率平均はずっと7割前後だといわれています。ことほどさように外国人投資家の影響を受けているわけですが、日本政府はこの7割の海外投資家のために株価の下支えまでしてあげるサービスぶりです。(もちろん、日本株市場の投資対象としての魅力を維持することが最大の目的ですが、結果的には海外のために日本人が汗水たらしている構図となっています)
そんな海外投資家の動向を知ることで、尻馬に乗ってあわよくば一攫千金を狙おうと指南するのが本書のテーマです、多分。
日本の現状はといえば、何年にもわたるインフレ誘導策が不発、さらに消費税増税による消費の減退、構造改革など掛け声だけでやる気なし、働き方改革は根深い「日本村的経営」の発想から抜け出せず敗者互助会という有様。日本経済を引っ張るべき大企業も内部留保に専念し(預貯金はリターンを生まない無駄)、余剰資金を設備投資に回す攻めの経営ができないまま頭打ち。日銀のETF買いは、外人売りの吸収装置かと思われる状態で、株式市場価格を歪めているという点でも評判が悪い・・など目を覆いたくなる惨状です。
本書では、あまり目にすることない世界の運用会社が出てきますが、1位のブラックロックの運用資産は560兆円(2016年)という規模です!以下、2位はバンガード、3位はステートストリート、4位フィデリティと米国勢が並びますので、やはり世界経済は米国中心に回っていることがわかります。(ちなみに、2016年時点ではトップ10の8社が米国企業です)
では、海外投資家が好む投資性向とは、ROE2桁、自社株買いに積極的、高い配当性向、オーナー企業、無駄な相談役や顧問のいない会社などが項目としてあがっています。また、具体的な投資方法として、外国人投資家の季節的な投資性向の逆を行き、9月に買って4月に売る、外国人投資家の大量保有報告書を調べて追随するなども紹介されています。
同著者の「外国人投資家」同様、初心者にもわかりやすい良書だと思います。 -
外国人投資家は時価総額の大きな企業を好む。トヨタ、三菱UFJ。
重厚長大産業は先進国がやるべきではない、という理由で関心は低い。鉄鋼、造船、など。
ロボティクスは、関心が強い。機械全般、ロボット産業、キーエンス、ダイフクなど。
内需型産業は、比率が低い。
時価総額が1000億円以下の企業も低い。
世界レベルでは、時価総額1兆円以上。
外国人売りを日銀のETFが吸収している。
大量保有報告書に名前を出すということは手の内をさらすこと。更に買い増しする場合が多い。金融庁のEDINETで開示された直後に買う。
4月に日本株を買い、8~9月に売り越す。逆に売買する。
日銀のETFは、市場売却は現実的ではない。 -
外国人投資家の同行を知ることは、運用でプラスを出す必須条件。内容は、メモに記入
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知らないこと多く学びになった。細かい機関投資家のことは専門性高いので、特徴やアノマリー、株価への影響が読みどころ。
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日本の株式市場の売買の6~7割は外国人投資家によって占められ、いわば振り回されているのは周知の事実。本書はその外国人投資家を相手にしている現役バリバリのストラテジストの著作だけあって価値が高く、明解でわかりやすい。日本株を投資するなら、このような本は一度は目を通しておくべきだろう。難点を言うなら筆者にとって外国人投資家はクライアントでもあり、悪くは書けないし、守秘義務から開示情報以上のことは踏み込まない、というところか。
しかし外国人の、日本人投資家をぶった切るような大量の空売りは何だ!w -
日本の株式市場の株式売買の7割を占める外国人投資家の行動様式を説明した本。
外国人投資家は、アベノミクスで想定していたよりも量的緩和によるインフレが達成されず、構造改革の進行していない事などを不満に思っている。また日銀のETF買いも社会主義的要素が強く市場価格を歪めていると批判的であり、日本政府が進めている働き方改革が労働者に優しいものであれば投資意欲が減退すると想定される。
またコーポレートガバナンスについては、日本人が思っている以上に厳しい目で見ており、内部留保金が蓄積し配当や自社株買いを行わず、ROEが低い会社運営に対しては否定的だ。
株式売買のタイミングとしては、外国人投資家は4月に購入し9月に売却する傾向にあるので、9月に購入し4月に売却すれば利益を上げれる傾向にある。 -
変化に乏しい業種を避ける
MSCIがベンチマーク
中国株は空売りしづらいので、日本の建設機械を空売りする
日銀ETF購入やめるほうが外国人投資家には歓迎される
8ー9月にかって、4月に売るアノマリー
コバンザメ(大量保有の)
逆張り
構造改革などテーマ
大型になる前の中小型を頑張る