最強の思考法 「抽象化する力」の講義

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534055668

感想・レビュー・書評

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  • 物事を抽象化することが苦手なためこの本を手にとった。著者も書いているが、抽象化する練習の本ではなかった。ただ、哲学の思想に触れながら、我々も仕事をする中でその現状や世界を捉えていくことが人生において大切な学問であることを学んだ。日々のニュースや旅先で見るものなど、聞き方、見方が変わるきっかけをくれた本でした。

  • 「資本主義経済」のダイナミズムを再認識 「資本」のエネルギーが世界を席巻
    しかし金融資本主義の様相が強くなった現代、次の体制はどこへ向かうのか?
    覇権国米国の交替なのか、資本主義経済の仕組みが変わるのか?
    見通すことは難しい

    本書は「マルクス」に依拠しつつ、世界史の大きな視座を提供してくれた

    1.哲学の重要性 フランス「バカロレア試験」の第一科目は「哲学」
      世界の本質を考える 断片的知識ではなく「知の統合」
      哲学=物事を統合するがないと、学問が崩壊してしまう
      大学で学ぶのは「体系化」知性がどのように結びついているかを知る
      細々とした知識を「抽象化」し、一つの大きな概念にまとめあげる必要がある
      
    2.物事の本質を掴む
      抽象化→一般化→概念化→本質を掴む
      
    3.大学で学ぶのは「体系化」
      知性がどのように結びついているかを知る
      大学とは思考能力を養う場

    4.資本主義は世界市場を取り込む→世界史を作った
      各地の自給自足を許さない
      世界分業の中に各地が位置づけられる ブラジルのコーヒー生産
      日本史も世界史の一コマ 
      ペルーが日本の開国を迫った背景 クリミヤ戦争(1853-56)対ロシア戦略
      現代のウクライナ問題と重なる→さらにトルコ・米国問題(8月14日)

    5.量が質に転化する
      生産諸力と生産諸関係が矛盾を起こした
      やかんの水→沸騰点→気体

    6.「世界の本質を掴む」=抽象化する力→中国・韓国、途上国がキャッチアップ

    7.「大学」変革の時代 cf法政大学総長田中優子 答申・・・国立・公立・私立・経団連
      最大の恐れ アジアの発展途上国に抜かれていくこと
      帝国大学=フランスの「グランゼコール」各省の役員養成学校
      すべてが国の指揮・管理下にある
      →福沢諭吉は、文部省から離れて学会・日本学士院を作るべき
      実際は、日本の学問は国家に従属してしまった→「議論する風土」を作れなかった

    7-1「奴雁」となれ
      「変化する」ことが重要

  • 一部よく分からなかったが、面白く読めた。

  • マルクスを導きの糸にした的場先生のまさに最強講義。付け焼刃の知識では立ちいかないと実感させられた。

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著者プロフィール

的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て現在、神奈川大学教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける。原資料を使って書いた作品『トリーアの社会史』(未來社、1986年)、『パリの中のマルクス』(御茶の水書房、1995年)、『フランスの中のドイツ人』(御茶の水書房、1995年)をはじめとして、研究書から啓蒙書などさまざまな書物がある。本書には、著者による現在までのマルクス学の成果がすべて込められている。

「2018年 『新装版 新訳 共産党宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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