黄金の相場予測2022 バイデノミクスの深層

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534058676

感想・レビュー・書評

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  • もう15年程度は出版される度に読むことにしている若林氏の本が緊急事態宣言下で世の中が停滞している時期に出されました。若林氏の株価・現物相場の将来予測は、チャートの形や日柄から予測していくもので、彼の言葉を借りればそれで説明できるそうで、それなりに当たってきたと思います。

    この本で一番知りたかったのは、世界中で金あまりの状況から株価が上昇しているバブル状態になっていますが、これがいつ弾けるかという予測時期でした。若林氏によれば、2023年4Qから2024年1Qにかけてとのことです。またこの時期に円高(65円)金も最高値をつけるとのことです。

    コロナ対策と称して無理してお金を借りてきた企業や個人が、金利や元金返済が始まってどうにも対処できなくなる時期となるような気がします。また現在進んでいる、脱石油のエネルギー革命が本当に進むと、石油業界及びそれを支えていた会社の株価は大いに下がることになるので影響は大きいのかもしれません。私としては、その代替技術を活用していく会社が株価を引き上げるようになって欲しいと思っています。

    以下は気になったポイントです。

    ・米国では2020年暮れの一人当たり600ドル(9000億ドルの財政支出)では少ないのということで、2021年3月11日に署名された景気刺激策(1.9兆ドル=一人当たり1400ドル追加)により、6日後には振り込みがあった、合計で6兆ドルにも及び財政支出があった、これは2019年米国GDPの28%の巨額支出で第二次世界大戦以来の規模(p15)

    ・1981年にレーガン大統領が登場したことで新自由主義に則った政治経済の思潮が米国の主流となったが、その賞味期限切れが2020年に到達した、これからは新しいリベラル・アジェンダの時代(民主主義)が40年間続く。(p16)米国はいち早くリベラルへの復帰を果たすことで次の40年間のリベラル革命の黄金時代がやってくるだろう(p22)共和党の綱領である、減税・規制緩和といったものがすでに効力を失う中で、最後に40年間のレーガノミックス支配が崩れるために選ばれたのがバイデン大統領である(p28)

    ・新型コロナウィルス禍で、米国議会は合計6兆ドルの財政支出を許可したが、これは選挙の洗礼を受ける議会が、高級官僚から政策の主導権を取り戻すという行為でもある。過去40年間のFRB官僚による支配からの脱却のステップであり、異常な資産価格の高騰及び格差拡大の終わりの始まりである。NYダウで言えば、1982年の770ドルから今日の3万4000ドルまでのバブル的高騰を支えてきた体制の崩壊である(p31)

    ・日本の一部でも信じられているトランプの詐術による嘘の選挙情報は全く共和党のディスインフォメーションであり、全くの議論の余地はなく、公明正大にトランプは負けている。共和党の良識派は当然選挙の敗北を認めている(p77)

    ・バイデンは78歳で46代大統領に就任したが、オバマ政権の副大統領を8年、36年間上院議員を勤めている。その間に1988,2008年の二回大統領選挙に立候補するが、いずれも予備選挙で敗れていて今回は3度目の正直であった。2016年にオバマ大統領の後任として立候補する準備をしていたが、長男が46歳の若さで死亡したこともあり断念していたが、本当は、オバマ大統領が後任としてヒラリーを推していたため遠慮したということらしい(p78)

    ・大きな底が示現する前に大きな天井が到来するのは間違いない、第一次ITバブル頂点20001Qからの95.5の四半期は23.875年とすると、2023年終わりか2024年初めあたりがその着地点となる。その日柄は、リーマン後最安値2009年3月からの59Q=14.75年とも一致する。つまり2023年4Q-2024年1Qがバブル崩壊の着地点である可能性が高い(p129)

    ・中国において不動産価格の暴落は国民にすれば中国共産党の裏切りであり、共産党が正当性を失うことを意味している(p157)

    ・グローバリゼーションで最大のメリットを受けてきた中国が今以上の富をクリエイトするには、ソフトパワー・イノベーション力・生産能力・国民の勤勉さ・理想的な人口動態を備えていなければならないが、どれをとっても不十分である(p172)

    ・次のドルの大底は2023年9-10月と予想できる、27.75四半期ごとにドルが底をつけているので。円の採取到達地点は65円ではないか(p184,185)金は2023年後半に天井(3525ドル、2011.9月に1920ドル)となるだろう(p230)

    2021年10月17日作成

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