17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください
- 日本実業出版社 (2022年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534059161
感想・レビュー・書評
-
投票行動に対するコスト。それだけではなく、全編を通してコストと言う話が出てくる。巻末に描かれるように、著者の師匠の一人だという宮台真司が「損得勘定にとらわれるな」と言う発言をしているが、それに対してオマージュ風に「損得感情をきちんと働かせよう」と言うメッセージが本書の狙いだそうだ。
だからだろうか、バランス感覚と慎重な目線で綴られる。著者が成田悠輔の研究をオーソドックスと評価して一部炎上していたが、本著の内容は余程オーソドックスだ。学生に向けた教科書的内容、と思えばそれも無理はないか。
個人的には、ひろゆきとの確執?を匂わせる最近の論破風潮を名指しで否定している事に、下世話ながら面白さを感じた。と言っても、案外、西田亮介氏も嫌いではない学者の一人ではあるのだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政治に興味はありますか?
選挙へは行っていますか?
私たちと政治は、なぜこれほど遠ざかっているのでしょう。
日本のこと、政治のことを知りたい、日本の政治のいままでとこれからを知りたい人にお勧めです。
とても分かりやすく、明確です。
だから学校が不自由だという気持ちはよくわかります。いま不自由さ、息苦しさを感じている方には、「勝たなくていい、負けるな」と伝えたいですね。いま勝たなくても、生きていればまたどこかで転機が巡ってくるかもしれませんから。それを探しましょう。 ー 151ページ -
312-N
閲覧 -
社会、政治の問題点、課題をわかりやすく解説、読みやすかった。
-
政治に興味を持っている10代・20代にむけて、彼らの素朴な疑問や感覚に寄り添う体で、日本政治の現状への向き合い方を説いている。意識的にそうしているのだろうが、やや雑で放談めいた感じ。それでも、参考になる指摘や切り口がいろいろあって勉強になった。たとえば、p97からの、政治家は万人受けを狙う生き物なので、基本的に信頼できない、とか、p182からの、団塊の世代は政治意識が高いが彼らの若いころの政治状況は単純で、今の若者たちが直面している政治状況はそれにくらべて目を背けたくなるほど複雑だ、とか、p196からの、テレビの影響力はいまだに強い、とか、p202からの、取材を必要とするストレートニュースはコストが高く、オピニオンは安いが、今まで取材を担ってきた新聞などのマスメディアがどんどん弱体化している、とか、p275からの、メディア・リテラシーを強調しすぎるのはメディア関連の事業者の責任を免責する自己責任論だ、とか。
-
政治参加を「コスト」と感じ、政治家をAIに任せた方が合理的と考える人がいるという。正直驚いた。なんでもかんでも効率化すればいい、ということには自分は懐疑的で罪の面が大きいと感じている。著者も民主主義の良さである人間らしい判断を失うことを警鐘してくれており、ちょっと安心した。政治に関心を持つ人が増え、投票する人が増えれば、政治に対する牽制機能が働き、大いに意味があると感じた。筆者の言うように、アイドルを使った広報に踊らされる愚民と思われるのは腹立たしい。しっかり権利を行使しないことは結局自分に返ってくることを知らなければならない。
-
民主主義との付き合い方を砕けた文調で。
我が国の政治システムである民主主義、義務教育でも仕組みは学ぶが、どのように付き合うかは、個人の自由でもある。
でも、民主主義は強制されないものの、一定のコストを払う必要があるのでは、と、そう思わされた。 -
2022I001 311.7/Ni
配架場所:A3 東工大の先生のコーナー