The Ultimate Prediction 2028年までの黄金の投資戦略

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534060655

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  • この本の著者である若林氏も、かれこれ10年以上は新刊が出るたびに読むようにしています。現状では円安で日本の経済の見通しもあまり良いような雰囲気はしませんが、若林氏は今までの本で、一貫した主張として「いずれ円高になる日本株も上がる、これは日柄で決まる」ということを言い続けています。

    そしてその時期を明確に本に記している点が、類書には無い特徴のように思います。このように具体的な時期を示して帆を書くことは大変な労力のように思いますが、読み手としてはワクワクして読むことができて参考にする情報が多いように思います。

    彼の本を読み続けているうちに、今度の誕生日で還暦を迎えることになりました。来年から今までと少し違った生活をすることになると思います。若林氏の本で得た内容から自分の責任で実践してきた結果が、どのように来年からの生活に影響を及ぼしてくれるか、そして2030年までに資産をどのように運用・保全するかについて大切な指針を与えれくれました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本経済は、33年にわたるデフレを脱して、新しい繁栄の時代に入っている。政策がどうのこうのでなく、33年という時間の経過がもたらした暁光である(p前書き)

    ・インフレ時代に入れば1200兆円の債務は対名目GDP比で相対的に目減りする、税収は名目GDPの関数なので税収の自然増収が見込まれる、これからは民間経済の巨大なエンジンで政府債務を相対的に減少させる方向に走るはずである(p前書き)

    ・日本株は新しいブルーマーケットの始まり、明治維新から162年目かつ1989年末のバブル天井からの162四半期の日柄となる2030年あたりまでは上昇が続くだろう(p前書き)

    ・なぜ日本株が上がるのか、外国人が買ってくるだとか、そういうことではない。正解とは、脱デフレに他ならない、すると民間に積まれてきた3200兆円が拡大再生産に入るということ(p43)

    ・2023年12月以降は再び相場の上昇波がやってきそうだ、あとは本格的なインフレ経済へと突入し日経平均は5万3000円まで伸びていくのだから(p47)2023年は明治維新からの154.5年(618四半期)1950年7月東照最安値(85.25円)からの73年目の底付きの巨大は日柄から考えると、少なくとも5−8年は大きなブルーマーケット継続となりそうだ。(p49)

    ・1995年の円高(79.75)および2022年の円安(151.95)はドル紙切れ化からの黄金律54年と27年にでた異常値である、2022年の異常値は何十年単位で超えることはない(p55)円相場は、反動で強烈な円高を見にいく。2028年がその到達地点だが、その時の相場は308円基準(日本最後の固定相場、1971年のスミソニアン合意で決定した308円)でいくと、59x4=236、308-236=72円という相場が導かれる(p59)

    ・自国の通貨安を実質的に引き起こすには2つの手法がある、1)国内物価を下げることでそれにより実質的為替レートは安くなる、2)国内物価を維持したまま、為替レートを下げる、米国は後者=インフレ的政策をとり、デフレスパイラルを避けつつ国内物価を徐々に上昇させた、日本は前者=為替レートを安くすることなく、国内物価を下げるような政策を取ることで実質的な通貨安状態を作り出した、これはデフレ的な政策で深刻なデフレ状態に陥った、デフレが進んでも経営に大きな影響が及ばない体制(生産拠点を海外移転、国内の雇用機会減少、個人消費落ち込み、デフレ加速=デフレスパイラル)となった(p74)

    ・資本主義国として資本蓄積が十分に進んだ日本のような先進国においてデフレが発生するのは極めて弊害が大きい、それは「デフレは何もしない人が良い目を見る」という、資本主義にあるまじき現象が発生するからに他ならない(p113)物価が下落する=カネの価値が上がることになり、カネに仕事をさせなくても持っているだけでキャピタルゲインが得られる、1995-2011年までGDPデフレータは実質で18%であり、これは現金を持っているだけで累積18%の値上がり益を享受したことになっていた、なので長期投資はデフレ時代にそぐわなかった(p115)

    ・ゴールドの本質的価値が変わらないので、ゴールドの名目価格をドルで表示しようとすると、ドルの量が増えた分だけ評価変えをする必要(本質的価値への回帰現象)となる。この回帰現象はカネによる再生産が盛んなときには起こらない、1980-2000の価格は弱含み、横ばいで終始した、その間にマネーの総量は猛烈な勢いで増えているので、ゴールドの実質価格はこの投資全盛時代に暴落していた。従ってこの資産インフレが終わり、資産インフレの総決算をするデフレの時代に入ると、今まで暴落していたゴールドの実質価格が決算による評価替えで本来あるべき水準に回帰することになる(p214)

    ・ゴールドのボトムは2022.9(1620ドル)であった、上値抵抗であった1950を超えると2倍の3800-3900までは簡単だろう、次のピーク時の2029-2030年には控えめにみても、倍の3800ドル、これまでの倍率を踏襲するなら1万ドルを超える相場が待っているかもしれない(p219)

    2023年12月20日読了
    2024年1月14日作成

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