働き方改革の経済学

著者 :
  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535558878

感想・レビュー・書評

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  • まだ働き方改革の方向性がさだまっていない。
    残業、同一労働、同一賃金や男女格差などに、焦点を当てているが、今一つしっくりこない。

  • 【版元】
    発刊年月 2017.09
    ISBN 978-4-535-55887-8
    判型 四六判
    ページ数 186ページ
    Cコード C3033
    ジャンル 産業・労働

    少子高齢化が進む低成長期に対応できるような構造改革をどこまで進められるか?
    https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7539.html

    【目次】
    第1章 日本の労働市場の構造変化 
     1.経済成長の制約要因 
     2.経済環境変化への対応 
     3.人手不足でなぜ賃金が上昇しないか 

    第2章 解雇の金銭解決ルールはなぜ必要か
     1.日本の雇用契約の特殊性
     2.日本の雇用規制の現状 
     3.解雇の紛争解決の手段
     4.解雇無効時の取り扱い
     5.解雇の金銭補償ルールをめぐる政治的対立 

    第3章 竜頭蛇尾の同一労働同一賃金改革
     1.年功賃金を維持したままでの「同一賃金」は論理矛盾
     2.働き方改革ガイドライン
     3.同一労働同一賃金は賃下げを意味するか
     4.同一賃金実現のために必要な法改正
     5.労働契約法の2018年問題 

    第4章 残業依存の働き方の改革
     1.日本の長時間労働の現状と問題点
     2.労働時間規制の問題点
     3.時間に囚われない働き方へ
     4.テレワークの活用
     5.労働法違反への監督体制強化を 

    第5章 年齢差別としての定年退職制度
     1.高齢者就業の現状
     2.定年退職制度はなぜ必要か
     3.付け焼刃の高年齢者雇用安全法
     4.定年退職再雇用者の賃金格差問題
     5.年齢差別をどう克服するか 

    第6章 女性の活用はなぜ進まないか
     1.女性就業の現状
     2.夫婦共働きという働き方を基本に
     3.男女間賃金格差の現状と要因
     4.女性が働くと損になる仕組みの改革
     5.ワーク・ライフ・バランスと矛盾する日本の雇用慣行 

    第7章 人事制度改革の方向
     1.日本の人事部の特徴
     2.政府の働き方改革への対応
     3.人事評価の3点セット
     4.女性の管理職比率引上げの意味
     5.市場原則で決める管理職ポスト
     6.人事部は人材サービス事業部へ

  • 経済学から見るとどうなるか。これが面白い人は面白いんだろうな。

  • 【アマゾン評】
    『働き方改革』は少子高齢化、労働力不足経済の中で、長時間労働の改善、非正規と正規社員の格差是正、高齢者や女性の就労促進を図るのが目的で、労働生産性の改善、賃金の上昇は景気対策としても政府の重要な成長戦略の一つとなっている。

    本書で著者は、働き方改革の基盤としての日本の労働市場に残る様々な構造的慣行の抜本的改革の必要性を、論理を追って分かりやすく述べている。

    『同一労働同一賃金』の実現を妨げる最大の要因は、日本の大企業等にまだ残る正社員の年功的賃金であり、また長時間労働の削減にはグローバリゼーションの中でわが国にも一般化してきた高度プロフェッショナルの制度の改革が対にになることを示しており納得できる。

    これらの改革には、大企業の人事部の役割の変革や人事評価制度の見直しが不可欠であることも述べる。また、高齢者や女性の活用についても退職制度や男女間賃金格差の日本企業に独特の制度問題に切り込む点も同感できる。

    戦後の労働力不足下で一般化した労働力を囲い込み非流動化するための日本的な労働市場の仕組みが制度化し、逆に現代の流動化しグローバル化した雇用市場の下での労働力不足問題を解決する妨げとなっており、現政府の進める小手先の働き方改革ではなく、抜本的な構造改革が必要なことが良く理解できる。

    書名に働き方改革の経済学とあるとおりに、経済学的には著者の論点は正しい。しかし問題は、戦後の労働慣行の下でのうのうと過ごしてきた、大企業性男性社員、労働組合、大企業人事部などの既得権益層と政治的な覚悟を持ってどう折り合いを付ける(闘う)かというところに行き着く。これが著者も本書で伝えたいメッセージなのかもしれないと思った。

  • 東2法経図・開架 366.11A/Y61h//K

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著者プロフィール

昭和女子大学副学長,特命教授

「2022年 『日本経済論・入門〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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