悩む子どもを育てる親 子どもの才能を伸ばす親――養育能力格差社会の光と影

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  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535563674

作品紹介・あらすじ

スポーツや芸術などの世界での日本の若者の活躍を見ると、とても素晴らしい濃厚な親子関係が見られます。これは親が一人の子どもに充分すぎるほどに世話をやき、エネルギーを注げるようになった現代的な家族状況の明るい側面と言えましょう。これまでにない濃厚な親子関係が生み出した光の側面です。しかし、現代的な濃密な親子関係には負の部分や影の部分もあります。まずは虐待です。虐待の生ずる要因には、親の養育能力の低さ、育児に関するスキルの欠如などとともに、母親の孤立が関連していると言われています。つまり、子どもを育てる能力のないまま、また、それを補う祖母などの存在の無いまま、孤立し密着して育児をしていることが問題だということです。これは少子化・核家族化とともに、地域社会の喪失による孤立する親子の負の側面とも言えましょう。親における養育能力の欠如や何らかの親としての資質の欠如が、孤立した状況では、崩壊家庭や機能不全家族に至らなくとも、容易に多大な悪影響を子どもに及ぼす時代になっているのです。今の母親は、昔の大家族の時代の母親より、難しい環境で育児をしなくてはならない立場に立っていると言えましょう。孤立した養育は危険でもあるし、現代は容易に孤立しやすい社会になってしまったようです。しかし、虐待や機能不全家族のようなあからさまな問題より、「気付かないうちに悩む子どもを育てる親」の問題のほうが大きいといえます。親の持つ何らかの問題が、つまり、親の偏った考え、思い込みの強さなどが、直接子どもに影響する時代になったのです。しかも、修正する人が家族にいないため、時には底なしの悪影響を与えかねません。特にわが国に多いのは、心配しすぎて手をかけすぎたり、きちんと育てようと思うあまり、子どもの気持ちに目が向きにくくなる母親です。

著者プロフィール

青山渋谷メディカルクリニック名誉院長

「2019年 『悩む子どもを育てる親 子どもの才能を伸ばす親』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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