肥田舜太郎さんが語る「いま、どうしても伝えておきたいこと」: 内部被曝とたたかい、自らのいのちを生かすために

  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535586116

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  • メモ
    ●P25 荒木貞夫=軍国化教育に邁進した ×
    ●P62 怖いのはストロンチウム。骨の中のリンという分子が放射性リンに変わる。自分自身が放射線を出すようになる。骨の中で血液を作るわけだから、新しくできてくる本当に弱々しい造血幹細胞はみなやられてしまう。
    ●P64 都築正男=原爆症研究の父
    ●P67 5ccの輸血をやってもらった。1日に7回か8回やりました。20ccの注射で4分の1くらい。看護師と兵隊から採って、直に入れる。それで良くなった。
    ●P83 飯島宗一=内部被曝について大反対。1983年IPPNW総会 国際会議で肥田さんと大喧嘩。
    ●P123 安保条約をやめてアメリカ軍には帰ってもらうしかない
    ●P141 ドイツ人はヒトラーとのたたかいを経験し反省する中で、人権問題というのが考え方の一番中心なっている。だから、ドイツ人は日本人よりも人権問題については基本など大ができている。この差。日本で内部被曝をいくら行ってもわかろうとしないのは人権意識が全くないからです。
    ●P144 「アウシュビッツと原爆が人類最大の人権侵害である」
    ●P153 「安全許容量」分は放射性物質が出ていく。安全というのは何のための安全なのか。人間の命に対する安全ではなくて、それ以上設備投資したら経営が成り立たないという経営の安全なんです。
    ●P160 核兵器の恐ろしさを知られてしまっては核政策に支障をきたすし、該当者が増えるということは国庫金の支出が増大する。国が被爆者を切り捨てようとする理由はここにある。
    ●P176 バルト三国のあたりに放射性被害が集中している。海流の関係で、イギリスやフランスの原発から流れでる放射線が集まるから。その影響でスウェーデンに多発する。

  •  自らも広島で被爆し、被爆者医療に生涯をかけた医師が、福島第一原発事故を経験し、改めて内部被曝問題と命のまもりかたを語る本。代々木系の視点が強調されている部分もあるがそれを差し引いても、一読の価値はある。

     すでに被曝していることを前提として、被曝した場合、それから完全に免れる方法はない。しかし被曝したからといって、全員がすぐに死ぬわけではない。

     生きのびるためには、基礎体力、免疫力をつけるしかない。免疫力をつけるためには、太陽とともに起き、太陽とともに休め。食べ物を良く噛んで食べろ。タバコはやめろ。酒は飲みすぎるな。セックスはし過ぎるな。仕事もし過ぎるな。

     誰一人、ほかの人と代わることはできない唯一の存在を自覚し生き抜け。

     自分と自分の子どもだけが助かる方法などない。みんなの子どもを大丈夫にするためには、原発の電気を起こす仕事をやめちゃうよりしょうがない。それをやめさせるということをみんなでやることで、あんたの子どもも安全になるんだ。

     いまあなたたちの命がどうなるかということはあまり心配しない。何人か死んだって、世の中はそう変わらない。一番大事なのは、これから生まれてくるみんなの孫とかひ孫が汚いところに生まれてきていのちがなくなっていくというのが、将来の日本にとって一番心配なのだ。だから、みなさんがこういう世の中を作って、黙って死んでいったんじゃ困るんだよね。孫やひ孫のためにきれいにして死んで下さい。それがあんた方の仕事なんだ。
     

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