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- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535586970
感想・レビュー・書評
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医学言説と教育言説が交錯し、累積する中で「少女」を象る規範となっていく言説の系が織り上げられていった様子をたどった一冊。ダーウィンの進化論的パラダイムと、ハーバード・スペンサーの「エネルギー保存」言説が「女子教育」の問題構成に大きな影響を与えたと指摘しており、勉強になった。
ただし、サブタイトルの「懲罰としての病と死」という問題は、本書の中で十分に議論されているとは思えなかった。言説によってつくられた規範に対する逸脱が表象の上でどんな「罰」として描かれていくのかという問題は、女子教育家の議論をたどるだけでは明らかにできないだろう。また、「懲罰」という以上、そこには恐怖や不安、痛苦や怖い物みたさといった情動の契機が含み込まれるはずである。言説の枠組みの問題と、その枠組みと交渉・葛藤する表象のレベルの議論との双方が必要になるのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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