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- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535981959
作品紹介・あらすじ
「正常な行動」はいかにして「精神の病」となるのか…アメリカのみならず、世界の精神医学・心理学市場を席巻するDSM。その科学的根拠の弱さや診断名の取捨選択に見え隠れする専門家の偏見ぶりを明らかにする。
感想・レビュー・書評
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精神医学の診断のルールブックとも言えるDSMについて、様々な診断の採用や削除を巡る歴史を振り返りながらその科学性、妥当性について疑問を投げかける。
大きく取り上げられるのは同性愛、PTSD、マゾヒィスティックパーソナリティ障害(MPD)、境界性パーソナリティ障害(BPD)。この四つは現在二つが正式な精神疾患であり(しかもかなりメジャーだ)、二つは現在は診断から削除されている。同性愛は同性愛者達の運動によって削除され(精神疾患ではなくなり)、逆にPTSDは戦争帰還者達の訴えによって精神疾患と認められた。MPDやBPDの診断を巡っては女性蔑視的な考え方があると作者は指摘する。
確かにDSMは治療者が共通の認識を持てるという点ではとても便利なものだ。しかし科学的と言えるようなものではなく、客観的で固定的な指標ではないことを理解していなければならない。
DSMを利用する人は必ず目を通しておくべき。 -
精神疾患は社会的に作られることを忘れてはいけないと気付かされる。
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