激励禁忌神話の終焉

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535983144

作品紹介・あらすじ

うつ病に励ましはタブーなのか?精神科の治療に薬は必須なのか?精神科臨床の常識をくつがえす。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの「激励禁忌神話」については、この本には数ページのみ。同著者『うつの常識、じつは非常識』P180~184を読んだほうがよい。

  • センセーショナルなタイトル。タイトル自体はうつ病の多様性と激励の多義性からアプローチし、メランコリー親和型の罪業念慮以外では激励は禁忌ではない(厳密に言えば前述の時でも生きるようにと伝えるのは激励であるが)と、受け入れやすい内容であった。
    筆者独自の考えもあり100%同意はできないものの6章以降、特に9章の「リストカットの臨床」は非常に参考になった。

  • 「都会の臨床家」としてのやや奇異な感じのする割り切り方に必ずしも同意できないところはあるが、ご本人なりの主張は通っており、「ちょっと違うんじゃないの?」というところに次々突っ込んで行く様は壮快でもある。

    うつ病の激励禁忌は本当?精神腫瘍学、ターミナルケアに参加する精神科医としての心構え、クレーマー対策、薬物療法偏重主義の是非などなど

  • うつ病患者に頑張れは禁句、って"神話"は全てには当てはまらないって系の話。私はそもそもその神話が絶対的という印象がなく、それほど真新しい話じゃなかった。本全体としては精神科医が思いをつれづれ書いた本という中身で、そういうものとして面白くすっと読めた。今週は忙しくて仕事の文献とか読み続けだったので、少し時間あいたレビュー。

  • 素人の私が、手を出すべき本ではなかったのかもしれない。
    けれど、ず~っと疑問だったんだ。
    「どうして、うつ病患者に激励は禁忌?そしたら私は、誰とも話せなくなるじゃんか」とか「うつ病って、対処療法の投薬で治るものなの?」とか。
    で、素人ながら私のとらえ方はあながち間違いでもなかったのだと。安心。

     ただ、“トラウマは時間が解決するものだ”ってのには、賛同しかねるんだけどね。

  • 「うつ病者を激励するのは有害であるからそうすべきではない」というのが精神科医には常識として教えられてきたのであるが、今日それがあまりに安易に用いられている。

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著者プロフィール

1962年神奈川県鎌倉生まれ。獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。精神科医。東北大学医学部卒。自治医科大学大学院にて医学博士を、ケンブリッジ大学大学院にてPhDを修得。順天堂大学准教授を経て、2008年から現職。日本の大学病院で唯一の「薬に頼らない精神科」を主宰。専門は、うつ病、発達障害、プラダー・ウィリー症候群等。精神科臨床一般のみならず、産業医としてストレスチェックに対応し、精神保健判定医として医療観察法審判等の業務も行っている。
〈主な著書〉『精神科医島崎俊樹 ―人間の学の誕生―』(東信堂) 、『激励禁忌神話の終焉』(日本評論社) 、『精神鑑定の乱用』(金剛出版)、『思春期の精神科面接ライブ ―こころの診察室から―』(星和書店) 、『プライマリケアの精神医学 ―15症例、その判断と対応―』(中外医学社) 、『生活習慣病としてのうつ病』(弘文堂)、『うつの8割に薬は無意味』(朝日新聞出版) 、『うつの常識、じつは非常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 、『うつ病から相模原事件まで ―精神医学ダイアローグ―』(批評社) 、共編著として『精神科臨床はどこへいく』(日本評論社)、『子供のこころ医療ネットワーク ―小児科&精神科 in 埼玉―』(批評社)。

「2017年 『精神科医と考える 薬に頼らないこころの健康法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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