よくわかるTPP 48のまちがい: TPPが日本の暮らしと経済を壊すこれだけの理由 (農文協ブックレット 4)

  • 農山漁村文化協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540112829

感想・レビュー・書評

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  • (2013.04.07読了)(2013.04.04借入)
    副題「-TPPが日本の暮らしと経済を壊すこれだけの理由-」
    TPP交渉参加を推進する人たちが唱える48の項目について、それは間違いであると反論を加えています。食料に関する項目が多いように思います。医療・保険・等についても触れています。
    食品に関しての反対論は、食料自給をどうするかと農薬、遺伝子操作、等の検査や規制、表示義務の緩和による危険というあたりでしょうか?
    食料自給率は40%とかいうことです。もうここまで自給率が低くなっていたら、万が一の場合は、滅亡を覚悟しておくしかないのじゃないだろうか、とやけになってしまいそうですけど。冷害でコメが不足したり、バイオ燃料の影響で、家畜の飼料が手に入らなかったりして、その時は大騒ぎするけど、抜本的対策が打たれていないのでしょうから、これから先も食料自給率をあげようと考える人はなさそうな…。
    だいたい、国防についても、アメリカ頼みを脱却しようとは考えず、「美しい日本」の実現を唱える安倍さんでさえ、アメリカ依存を公約しているわけだから、食料もアメリカ依存で何とかなると考えているのでしょう。

    【目次】
    はじめに
    PART1 入門編「わかりやすいTPP賛成論」の基本的まちがい6つ
    PART2 貿易ルール、経済、国の針路全般に関わるまちがい編
    PART3 強い農業、食糧安全保障、日本農業過保護論などのまちがい編
    おわりに
    付録1 米韓FTAの問題点
    付録2 米韓FTAの特徴的な規定
    参考文献
    索引

    ●農業保護(18頁)
    農業産出額に対する農業予算の割合、すなわち国による財政の農業支援度といえる率をみると、アメリカ65%、ドイツ62%、フランス44%、イギリス42%に対して、日本はたった27%である(2005年)。
    ●食料自給率(18頁)
    戦後の日本は、輸出製造業の成長を優先した産業政策と高度経済成長の中で、食料自給率(カロリーベース)が1960年代の70%から現在の40%にまで一貫して下落するほど農業が衰退することを許してきた。
    ●外部効果の喪失(34頁)
    貿易自由化によって失われる外部効果の代表は、農地や農山村がもつ「多面的機能」である。具体的には、国土保全機能、災害防止機能、景観保全機能などが含まれる。国内農地が荒廃すれば、これらの機能は低下する。
    ●参加プロセス(48頁)
    アメリカに対しては事前協議に2~3か月かかり、さらに議会の承認に90日を要する。その過程で、アメリカから、コメ関税の撤廃、郵政民営化、保険外治療の自由化などなど、長年の懸案事項が前提条件として念押しされ、それを受け止めてようやく承認してもらうというプロセスになる。
    (現在事前協議中のようで、内容が一部報道されています)

    ☆関連図書(既読)
    「TPP亡国論」中野剛志著、集英社新書、2011.03.22
    (2013年4月12日・記)

  • 20120623

  • うわべしか知識が無かった私でも、ゆく理解できた。いとも簡単に賛成すればとおもっていたが、現実知るとより慎重に討議し、合わない場合はやめる選択肢も十二分にある。

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著者プロフィール

1958年三重県生まれ。1982年東京大学農学部卒業。農林水産省、九州大学教
授を経て、2006年より東京大学教授。1998~2010年(夏季)米国コーネル大
学客員教授。2006~2014年学術会議連携会員。一般財団法人「食料安全保障
推進財団」理事長。『食の戦争』(文藝春秋 2013年)、『亡国の漁業権開放~協
同組合と資源・地域・国境の崩壊』(筑波書房 2017年)、『農業消滅』(平凡社
新書 2021年)、『協同組合と農業経済~共生システムの経済理論』(東京大学
出版会 2022年 食農資源経済学会賞受賞)、『世界で最初に飢えるのは日本』
(講談社 2022年)、『マンガでわかる 日本の食の危機』(方丈社 2023年)他、

「2023年 『もうひとつの「食料危機」を回避する選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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