流域治水がひらく川と人との関係: 2020年球磨川水害の経験に学ぶ

  • 農山漁村文化協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540212161

作品紹介・あらすじ

2020年7月4日九州で球磨川水害が発生し、50名もの方が溺死した。この人たちはなぜ・どのようにして亡くなったのか。研究者と被災者たちによる共同調査から明らかにする。また2021年4月流域治水関連法が成立。国の治水方針の大転換であるが、本書は流域治水の歴史と意義、その可能性について詳述している。溺死者一人ひとりに目を向けた、それも被災当事者を交えた調査のとりまとめとしても、流域治水の総合的な解説書としてもはじめてのもの。2020年球磨川水害の経験に学び、気候危機の時代に求められる流域治水を展望する。
第1章 2020年7月4日球磨川水害 現地溺死者調査の方法と経過
第2章 何が生死を分けたか――現地溺死者調査の報告
第3章 球磨川水害と流域治水
第4章 「流域治水」の歴史的背景、滋賀県の経験と日本全体での実装化に向けて――住民と行政の「楽しい覚悟」の提案
第5章 流域治水に求められる専門家の視点

感想・レビュー・書評

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  • 今話題となっている流域治水について,その歴史や本質を,具体事例を交えて説明してくれており,非常に理解が深まった.
    メモ:
    *国土の改変(都市化)および気候変動により,洪水流量が増大,ダム・堤防だけでは守れない.また,近年の対策は防災の視点が強調され過ぎ,地域の豊かさが損なわれている.
    *そこで,伝統知・自然再生の視点と共に,流域全体(集水域・氾濫域)での流出抑制やハード・ソフト対策等を行うのが流域治水.(水を集めない,水を速く流さない,氾濫しても甚大な被害を出さない)
    *明治以降,日本は水利上の必要性などから定量治水の考え方を採り,防災でも一定の成果を上げて来た.しかし,気候変動の影響により目標高水を超える洪水が頻発するようになり,目標高水の引き上げが迫られている.*しかし,引き上げればハード対策の完結の目途が立たなくなり,つまり定量治水は破綻しており,非定量治水への転換が求められている.

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00056874/
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
    を参照してください。

  • 東2法経図・6F開架:517A/Ka13r//K

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