倒壊する巨塔: アルカイダと「9.11」への道 (下)

  • 白水社
4.13
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560080207

作品紹介・あらすじ

『ニューヨーク・タイムズ』年間最優秀図書。ピュリツァー賞受賞作品。ビンラディン、ザワヒリ、FBI捜査官オニールの軌跡を丹念に追いかけて、その等身大の姿を描く。いよいよ未曾有の惨劇の当日、そして彼らが直面した運命とは?調査報道の頂点を示す傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は、アメリカ側の対応が中心に展開されています。本書を読むと、9・11は事前に防ぐことができたかもしれないテロだということがわかります。アルカイダという組織がここに至るまでに実行してきたテロが順を追って語られるので、嫌な前兆としか思えなくなります。読み応えがある書籍でした。

  • ふむ

  • ビンラディン、ザワヒリ、FBI捜査官オニールの軌跡を丹念に追いかけて、等身大の姿を描く。徐々に惨劇に向かって収斂していく様には、まさに戦慄を覚える。ピュリツァー賞受賞、『ニューヨーク・タイムズ』年間最優秀図書。手嶋龍一氏推薦! 三千の命を奪ったテロルは何故起きてしまったのか。世界を震撼させた事件の真相はなお深い霧に隠れている。著者は米国への憎悪が自爆テロを育む「負の連鎖」を地道な調査報道と雄渾な筆遣いで明らかにした。

  • 溢れる知識欲から生み出される丹念な取材に感動。仕事の方法には憧れすら抱く。読み応え十分。役所の縦割り弊害は世界共通。訳には一癖あり。誤植あり。

  • イスラム原理主義の思想から米同時多発テロに至るまでの経緯を描く。

  •  新たに、アルカイダにコミットメントした若者は、一般に考えられるような貧困により絶望の淵に立たされていたわけでも、社会の落伍者でもなかった。むしろ逆で、大部分は中流・上流階級の出身で、大学教育を受けていた。
     実際、多くのものが、欧米への留学を経験しており、自然科学もしくは工学専攻の傾向が強かった。ジハードに参加するまで、それほど宗教的でもなかったという。
     これは明らかに、オウムにコミットした優秀な若者たちと同じ構造だと思う。ある種の真理を追究する志のある人間、よくいえば、理想肌で、純粋な人間ほど、それが真であると思い込んだら、簡単に極端な思想に染まってしまいやすい。イスラムの純化思想というお題目に易々と見入られ、取り込まれてしまったのだ。

       あるいは、突拍子もないことのように思えるかもしれないが、そこに文学の必要性がある。世界には様々な物語があり、他の人間も自分と同じように自分とは異なる物語を生きる人間なのだという想像力を働かせる機能があれば、決して極端なまでの傾倒まで、突っ走らずに歯止めがかかったはずである。
     
      多くの人がいまだ整理できていない問題を語るのは難しいことであるが、究極の反コミュニケーションについてどう対処すべきか議論を重ねていく必要がある。

  • 911に向かって刻刻と事態は進行して行きます。国を揺るがすような事件が起こって5年でこんなに突っ込んだルポが出てくる所にアメリカの力を感じます。あと、アメリカの葬儀でよまれる弔辞は感動的なものが多いと思います。

  • “あの日”に向かって、事態は急速に進展する。

    登場人物の人生観、来歴、人となりの積み重ねで、話が進行していく。そこに、あらかじめのバイアスやカテゴライズは存在しない。だから事件そのものは、ハリウッドみたいに浮世離れしているけれど、それを演じる役者たちには、素直に入り込んでゆける。

  • 上巻に同じ。

  • 倒壊する巨塔。ずっと読みたかった本だが、近所の図書館で発見。同時多発テロがどのように計画されて、どのように実行されたのか?・・・が書かれているのかと思っていたが、書かれていたのはイスラム原理主義(過激派?)の歴史みたいな内容と、テロを受けた方のアメリカ側も、役所の縄張り争いばっかりで、まったく役立たずだったよ・・・といいう内容。

    特に上巻は、同時多発テロについてはあんまり書かれてません。
    アメリカ人が書いた本なので、あまりアラブ人に同情できるような内容ではなく、卑屈な人と過激性を内在する宗教がくっつくとろくなことがない・・・って感じ。

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