スターリンの図書室:独裁者または読書家の横顔

  • 白水社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560093597

作品紹介・あらすじ

血まみれの暴君は「本の虫」でもあった。膨大な蔵書と頁上の書き込みを精査し、思想と政治に及ぼした影響から人格の内奥にまで肉薄。

感想・レビュー・書評

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  • Stalin’s Library by Geoffrey Roberts review – the marks of a leader | Biography books | The Guardian
    https://www.theguardian.com/books/2022/feb/16/stalins-library-by-geoffrey-roberts-review-the-marks-of-a-leader

    スターリンの図書室 - 白水社
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b628111.html

  • 本書はスターリンの読書家としての一面に光を当てている。スターリンの蔵書は二万五千冊にも及び、彼の知識欲と活字への崇拝は並々ならぬものがあったらしい。そして、その膨大な蔵書に残された書き込みからスターリンの内面に踏み込んでいる。

    しかし、スターリンの精神を覗くために、なぜそんな面倒な手続きをする必要があるのか?
    それは、スターリンが自分について語らないからだ。政治家というのは自分の話ばかりしたがる人々である。しかしスターリンは自伝も日記も回想録も残さなかった。本書でも触れられているとおり、自分について語る言葉に対して非常に禁欲的で、その結果、意外とスターリンのまともな評伝はないのである。

    蔵書への書き込みは、スターリンが残した数少ない活字であり、限りなく正直な言葉でもある。
    スターリンは教条的なマルクス主義者だが、思いのほか度量はあり、さまざまな思想に触れている。著者を非難しても、書物の内容は受け入れる。こう書くとソ連の悲劇的な顛末がふしぎに思えてくるが、そもそもマルクス主義者たちは活字への傾倒が顕著なものである。

    本書の紹介にあるような、スターリンによる本への書き込みからの洞察は、思ったよりも少なめなのだが、そもそも本への書き込みなどメモ程度のものである以上、致し方ないのかもしれない。ただ、それを補って余りあるリサーチがされているので、一読の価値はあると思う。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/791200

  • 東2法経図・6F開架:289.3A/St1r//K

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著者プロフィール

1952年生まれ。アイルランド、コーク大学歴史学教授。スターリン、ソ連、第二次大戦、冷戦を主題にした多数の著作があり、いずれも高い評価を受けている。

「2013年 『スターリンの将軍 ジューコフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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