- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562056507
作品紹介・あらすじ
インド神話の壮大な叙事詩『マハーバーラタ』の物語を再話し、挿絵つきの読みやすい物語に。背景となる神話やインドの文化をコラムで解説。英語圏で15万部を売り上げている、マハーバーラタ入門として最適の一冊。
感想・レビュー・書評
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面白かった、大満足の一冊。
自分の中でインドって結構謎で、なんとなく遠巻きに見てた感じはあったんだけど、この本で一気にインド文化の奥深さに引き込まれてしまった。
インドへの興味のある無しに関わらず、ファンタジーとか、後ギリシャ神話とか好きな人にも是非読んでほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
インド人の思想の根源がよく分かります。ラストの主人公の兄弟達の死後のあり方が衝撃的、神の子どもでもカルマは容赦ないんですね。全ては自分の行動の結果というのは、公平かもしれないが、やはり怖い。
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後編はクルクシェートラの戦いが本格的に描かれます。人間たちの過ちの連鎖によって、結果的に殺戮の嵐となります。誰が勝者で誰が敗者なのかが、戦後のいきさつまでを含めて語られます。圧巻の大河ドラマでした。
なんといってもハイライトはクリシュナの語る「バガヴァット・ギーター」です。戦場で唐突にアルジュナに向けて難解な哲学講義が始まります。インド独特の心身二元論的な世界で、一読しただけでは完全に理解はできませんでしたので、復習が必要そうです。
壮大なエンターテイメントとしても楽しめ、インド文化のテキストとしても使える良書でした。 -
『バガバットギーター』を含む、マハーバーラタの後半部分。
『バガバットギーター』だけ読んでいた時には良くわからなかったのだが、それまでの経緯がストーリーとして、頭に入っているので、その場面になると、心にズシンとくる教えだったのだということが良くわかった。『ギーター』だけを読んでもわからないのも仕方がないと思える。『ギーター』は長いお話の途中のほんの一部分である。その長い話をよくここまでコンパクトにわかりやすくまとめてくれた、と感謝しながら読み終えた。
そしてインドの神話の面白さ、インド哲学について、知り、考えるきっかけになり興味がさらに湧く。 -
善人の人生に理不尽が起こることを説明するために古代インド人はカルマを発明した。悪いことが起こるのは因果が巡ってきたものであり、前世もしくは現世での行いの反動である。これは倫理・道徳を守らせるための非常に良くできた理屈だと思う。これからの人生や来世をより良いものにしたければダルマを遂行し続けなければならないのだ。
ユディシュティラは自我を克服することでヴァイクンタへと昇った。プラトンは自分に打ち勝つことが最も偉大な勝利であるという言葉を残したが古代インド人はもしかしたらプラトンよりも先にそこへたどり着いていたかもしれないと考えると面白い。 -
下巻
第12巻 潜伏(ナラとダマヤンティー/ヴィラータ王の宮廷の召使たち/キーチャカ/ウッタラ王子の武勇/ウッタラー王女の結婚)
第13巻 集結(和平交渉/猛き母と忠実な友/寝返り/カウラヴァ側かパーンダヴァ側か/中立/軍の集結)
第14巻 神の歌
第15巻 戦争(大虐殺/勝利のための生贄/戦場に現れた唯一の女/ドローナの猛攻/アビマニユの死/日没前/日没後/首を斬られた恩師/弟たちと戦う兄/カルナの戦争の車輪/シャリヤの死/99人のカウラヴァ王子の死/ベルトより下ー反則行為/しゃべる首)
第16章 余波(ドラウパディーの息子たちの死/呪われたアシュヴァッターマン/クンティーの秘密/長老たちの憤怒/ガーンダーリーの呪い)
第17章 再建(ユディシュティラの戴冠/矢の床/死と再生/馬祀祭(アシュヴァメーダ)/バブルヴァーハナ/カリ・ユガ(暗黒時代)の始まり)
第18章 放棄(王国を捨てた長老たち/ヤーダヴァ族の滅亡/クリシュナの死/ドゥヴァーラカーの崩壊/パーンダヴァの死/スヴァルガのカウラヴァたち)
エピローグ 蛇供犠の結末 -
2020年11月新着図書
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主人公の5人兄弟が、人生経験を重ねて変化していく様子が興味深い。変えられる自分の行いと変えられない自我があることが理解できた。物語の最後の部分はとても考えさせられた。人がどう生きれば良いのか、永遠のテーマがここにあるような気がします。