敗者が変えた世界史 上:ハンニバルからクレオパトラ、ジャンヌ・ダルク

  • 原書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562056835

作品紹介・あらすじ

古代から20世紀までの歴史のなかから、大志を抱きながらも敗れ去った13人を選び、史実を探りつつ、味わい深い筆致でこれら13人の運命を描いた。巧みな語りと、波瀾万丈のドラマが一体となった13章は、権力、歴史、後世の評価についての考察へと読者を誘う。

感想・レビュー・書評

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  • 「偉大な指導者の資質は、勝利のあとの行動によっても、敗北の後になにをするかによっても明らかになる」が、歴史は必ずしもすべての者にセカンドチャンスを与えるわけではない。
    豪胆や蛮勇も過ぎれば、傲岸不遜や致命的な侮りを生み、裏切りを招きやすい。
    栄誉ある「死」も与えられず、後世の人から足蹴にされ、歴史のゴミ箱に埋もれてしまう者もいる。
    傑物を打ちのめした運命の苛烈さと、それでも歴史に名を残す敗者の矜持に、畏怖の念を覚えた。
    母国の読者を意識してか、本書で取り上げた6人のうち半数がフランス人で、あまり面白くなかった。

  • 歴史上の敗者をテーマにした本の上巻。元がフランスの本だけに敗者の選定もフランス史よりな印象。ウェルキンゲトリクスやギーズ公アンリとか特に。物語的な叙述で読みやすいが、やや潤色が強いか。

  • 時代も場所も異なるが、権力や栄光の絶頂から惨めな末路を迎えた世界史上の主役たちを取り上げるという本。その当人の成功と挫折の物語も面白いが、その時代の簡単な歴史叙述も中々ためになる。例えば、ジャンヌダルクの時代のイギリスとフランスの関係とか、ギーズ公アンリ1世の時代、つまりフランス王アンリ3世の時代のフランスのカトリック教徒とユグノーとの関係など。
    本書の序文に書かれているほどには、こうした末路を辿った主人公たちに共通点が見られるわけではないようだが、それぞれにその転落の原因があって、それはそれで興味深い。

  • 歴史の中で一時は中心的役割を果たしながら最後にはわずかな判断の誤り、歴史のいたずらで敗者となった人々の伝記。上巻ではハンニバル、クレオパトラ、ジャンヌ・ダルクといった誰でも知っている有名人も取り上げられているが、カエサルに逆らったウェルキンゲトリクスとか、いまいち日本人にはなじみのない人も。一人一人に与えられたページ数はそれほど多くないのでやや物足りないところもあるし、ヨーロッパの歴史にくわしくないと理解しづらい点も。せめてわかりやすい地図や年表を付けてくれたらもっと役に立ったかも。でもあっという間に読了。

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