暗殺が変えた世界史 下:ニコライ二世からチャウシェスク夫妻まで

  • 原書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562057153

作品紹介・あらすじ

あらゆるタイプの暗殺を網羅し、同時にきわめて多様な状況を紹介。時代や国や状況により、「悪からの解放」と称する殺人の大義は、共和政、聖十字架、アラー、革命、国王、国家などさまざまだ。だが、暗殺者たちはつねに「これは、正義のための闘いだ」と確信している。

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  • 下巻は、ニコライ二世、エンゲルベルト・ドルフース(オーストリア首相)、パトリス・ルムンバ(コンゴ(旧ザイール)首相)、ゴ・ディン・ジエム、アンワル・アッ=サダト、インディラ・ガンジー、ニコラエとエレナ・チャウシェスクを取り扱う。
    ニコライ二世、ルムンバ、ジエム、チャウシェスクは処刑ではと思ったが、考えてみたら正式な裁判(制度があるにも関わらず)を経ての処刑ではない。彼らは、殺害されただけではなく、拉致監禁され拷問と言える暴力も振るわれている。上巻で扱われた事例には見られないパタン。たまたまかもしれないが、近現代に顕著なやり方だとすると、人間の所業に暗澹とせざるをえない。
    著者がまえがき(上巻)で、人選には異論もあろうといった趣旨のことを述べていたが、そのとおり、あの人この人思い浮かぶ。19世紀後半~20世紀前半はテロルの時代(日本でも!)だと思っていたが、本書で取り上げられた人、取り上げられなかった人あれこれ考えると、人類、殆ど常にテロと暴力やりまくっている。復讐としての暗殺も多々あり(暴力の連鎖)、寛容や公正のための施策(奴隷/農奴解放など)すら不満と憤激を掻き立て暴力を引き起こすことがある。これからも人類は蛮行を続けるだろうと絶望する。

    邦題は暗殺が変えた世界史となっているが、各章とも記述は概ね暗殺に至るまでの経緯で、暗殺の影響(どう歴史を変えたか)についての記述は殆どない。
    サダト、ガンジー、チャウシェスクは、物心ついていたはずなのに、詳細を殆ど知らなかったことに我ながら驚いた。

  • 上巻に引き続きノンフィクション小説風味。人物の心理描写など潤色が気になるところもあるけども、よくここまで調べ上げたなと思う点が多い。

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