地図とデータで見る軍事戦略の世界ハンドブック

著者 :
制作 : ブルーノ・テルトレ 
  • 原書房
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本棚登録 : 85
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562059331

作品紹介・あらすじ

フランス、アメリカ、ロシア、中国……。列強は新たな脅威に直面し、それと戦うためのよりよい方法を模索している。軍隊をどう組織し、戦略をどう決めればいいのか。緊張下にある世界を、80点を超える地図、グラフ、図をもちいて分析し、軍事・戦略問題の観点から光をあてている。

感想・レビュー・書評

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  • 【書評・紹介】『地図とデータで見る軍事戦略の世界ハンドブック』 ブルーノ・テルトレ | 本の国のユグドラシル
    https://yggdrasil-books.main.jp/liberal-arts-book/atlas-militaire-et-strategique/

    地図とデータで見る軍事戦略の世界ハンドブック - 原書房
    http://www.harashobo.co.jp/book/b583405.html

  • これぞファクトフルネス。この「地図とデータで見る」シリーズは「世界の今」を考える時の土台として活用しやすい。

  • ロシアによるウクライナ侵攻に終りが見えてこない。




    ウクライナ以外にも、シリアなど紛争がおこっている地域がある。




    今回の本は2019年にフランス戦略研究財団(FRS)副所長が書いた。日本語版は2021年に発行された。




    海外の情報はアメリカ発のものが圧倒的に多いので、アメリカ以外の情報にも触れておくのもいいかと思い、読んでみた。




    「戦争への永遠の回帰」とはじめに書いている。




    2017年時点で紛争中の22か国が載っている。インドとパキスタン、シリア、ソマリアなど想像がつく地域が多い。




    シリアのように大国による代理戦争で長引く場合もあり、和平への道は果てしなく遠い。



    21世紀の戦争といえば、サイバー攻撃だ。フェイクニュースを流して自分たちの都合の良い情報を流す。




    インフラを攻撃して遮断したり、暗号資産盗み取るようなケースもある。




    フランス軍は20万人中、およそ3万人が、常駐またローテーションでフランス国内と世界各地に配備されている。





    紛争介入が国外活動の主な任務となっている。




    戦争の未来に関して「気候変動戦争」についても言及している。




    気候変動が、ある国々の不安定さを増幅する効果をもちうると発言するのは不条理ではないが、必ずしもそれが紛争の数を増すことにはならないのであると著者は見ている。

  •  原書は2019年仏で刊行。一見、防衛白書か高度な高校社会副読本かという感じで、全頁カラー刷りで地図が多く、読みやすい。執筆陣は各分野の専門家のようで、中身はしっかりしている。
     軍事自体と、軍事の観点から主要な国家や重要地域と、それぞれ解説。前者では、陸海空に核、サイバー、PMSC/PMC等と幅広い。自然環境や気候変動と安全保障、というのは目新しいが、本書ではそれらが及ぼす実際の影響の評価には慎重だ。
     後者では、東アジアの記述にほぼ違和感はない。「日本は平和憲法の制約にもかかわらず半島の発射基地に到達できるミサイルを獲得したい気持ち」の記述は、そう見えるのかと思わされる。サヘルとアフリカをそれぞれ独立して扱っているのが仏の本らしい。2011年のリビアの動揺がパンドラの箱を開けたとのこと。仏当局・軍がいかにこれら地域の安全に尽力しているかも書いているが、見通しは楽観できなさそうだ。

  • フランスから見た世界情勢本という感じ

  •  主にフランス戦略研究財団(FRS)の研究員らによる、タイトルの通り地図とデータをふんだんに用いた軍事論文集。「戦略、原理、手段」として軍事の基礎、「プレーヤー」では欧米やロシア、中国の軍備や特性を解説している。そのうえで、「危機・緊張」では現在の紛争地域や将来的に軍事衝突が起きる可能性の高い地域と当事者や各国の軍がどうかかかわっているかの概要を述べている。「未来の戦争」は少し毛色の異なる内容で、気候変動が紛争の原因となりうるかの検討、テクノロジーがもたらす変化を予測している。
     ロシアによるウクライナ侵攻前に書かれたものなので黒海周辺についての言及はなく、当時の関心ごとである中東およびアフリカ北部、すなわちジハード・テロに関連する地域の動向に注目した内容となっている。日本については総論で軽く触れられている程度。RSの研究員らによるものなので主に欧米の視点、欧米に近い場所が話題の中心となっているため仕方がない。ただ、中国、北朝鮮については決して無関心ではなく、両国の台頭について要所要所でで言及するだけでなくメインに据えた論文も掲載されている。

  • 軍事問題について基礎から現状までコンパクトで良くまとまっている。カラーで見やすい。良書。

  • 日本語訳はひどい。まったく頭に入ってこない。
    文章読まずに図表を見て理解するのが良い。

  • 軍事・安全保障の入門書とも言える。陸海空宇宙サイバーミサイルなどの戦力を簡単にまとめ、列強の軍備状況や紛争(可能性)地帯についても学習できる。一部フランス視点なところ(アフリカが旧宗主国フランスの介入関連で語られるなど)が面白い。他の「ハンドブック」シリーズと同じく、斬新な視点とカラー図解が魅力となっている。一方、150頁と文章量が少ないところ、日本語訳が一部難解なところが欠点か。サヘル地域などアフリカの紛争・破綻国家のエリアについて非常に興味が湧いた。

  • 東2法経図・6F開架:391A/Te75c//K

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著者プロフィール

◉──翻訳家。青山学院大学文学部卒業。訳書に『子どもの気持ちがわかる本』『6~11歳子どもの気持ちがわかる本』(小社)、『ぼくは君たちを憎まないことにした』(ポプラ社)、『マリー・アントワネットの最期の日々上・下』(原書房)、『ファミリア・グランテ』(柏書房)などがある。

「2022年 『12~17歳 子どもの気持ちがわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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