- Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566000650
感想・レビュー・書評
-
灰色うさぎ、グレー・ラビットシリーズの、今回はもぐらのモールディを主役にしたお話(1940年)。
まずは、今回おそらく初公開の、モールディのお宅拝見が興味深く、優雅な肘掛け椅子があったりと中々、居心地も良さそうで、こんなところに住んでるんだと思っていたら、あらあら、早速彼女のことを考えていたりして、さすが紳士は違いますね♡
と思わせながら、実は次回作への前ふりかもしれず、ここは覚えておこう。
そして、今回の彼の冒険のきっかけとなったのが、ある日、炉ばた牧場で見つけた、金色の目がひとつ描かれた石であり、おそらく、これは大きな絵の一部分であろうと見当を付けた彼は、そこで他のそれも見付かるのではないかと思い、久しぶりの宝探しへと意気揚々と出掛けるのだが、その道中は、とても長くなる羽目になるのでした。
まず、彼の前に現れたのは、グレー・ラビットの同居人で大うさぎのヘアーであったが、その天然なのか、ふざけているのか、よく分からない感じで、忙しいモールディに絡んでんじゃないよ(笑)
しかし、そこは人の好いモールディ。彼の捻くれた解答も気にせずに、彼の同行を許すのには、改めて紳士だなあと感心していたら、その次に彼が遠目に見つけたのはグレー・ラビットで、やはり、そこは自分から呼ぶよね。そして『小うさぎは顔をあげると、うれしそうにさけんでかけよってきました』だって。どうしよう、ちょっと興奮してきた(^^;)
更にその会話では、彼女が黄色のサクラソウで鞠を作ろうと思っていた事を伝えながら、花を摘んだバスケットを彼に見せたり、「わたしもいっしょにいっていい?」と尋ねたり、その後、並んで歩きながらおしゃべりしたりと、もうデートじゃないですか(ヘアーは足の速さを自慢するように、勝手に先に行ってしまった)。これはついに愛の告白か・・・。
と思ったら、彼女のもう一人の同居人、りすのスキレルが現れて、あーあ、やっぱりな。でも、そこは「スキレルもいらっしゃい」と言うあたり、二人の仲良しぶりも窺えて良かったと思ったら、宝探し向きの服を着ていないわとか、新しいリボンを付けてくるんだったといった、スキレルらしさの台詞もまた微笑ましく、彼女も同行することに。
そして、その後も同行者は留まることを知らず、うさぎたちのグループ、はりねずみのヘッジとファジペグ、めんどりのスペックルおばさん、野ねずみたち、カエルにマルハナバチと、気付いたら、とんでもない大所帯となっており、これには紳士も、「はやく地下にもぐりたいよ」と、なるよね。
そんなこんなで、ようやく目的地に辿り着いたモールディは、一人地下に潜っていく中、他のメンバーも地上で宝探し大会をしたり、夜になっても戻ってこない彼を気にして、みんなでテントを作ったりと(あかぎつねとの遭遇などもあったが)、楽しい時間を過ごす中、モールディの宝探しもいよいよ佳境を迎え、そこで明かされたイ○カ・・・えっ、これイ○カだったんだ(^_^;)
しかし、気になって画像検索で調べてみたら、ローマ時代のイ○カのモザイク写真が、よく似ていて、この再現性には驚いたとともに、アトリーの中では、彼女たちの存在が単なるファンタジーではなくて、彼女の子どもの頃の体験から、遥か昔に遡った同じ世界で繋がっているような、そんな親近感があったからこそ、こうした現実的な設定の物語を書いたのだろうなと感じられたことに、彼女の、このシリーズへの思いの丈を存分に感じ取ることが出来たし、それは、最後の素敵な友達に囲まれた彼の姿からも感じられた、いつの時代も変わることのない普遍的な素晴らしさだったのである。 -
宝探しをすることにしたモールディ。小川が流れ玄関が13あるという住まいや、宝探しについてくる者を断らない性格など、モールディをより知る事ができちょっと驚いたことも。グレー・ラビット達の住む場所の歴史にも触れ意外な展開。
-
111108さん、おはようございます。
早速読まれたのですね♪
もしかしたら地下も舞台とか? と思わせる、モールディのプライベートな一面と...111108さん、おはようございます。
早速読まれたのですね♪
もしかしたら地下も舞台とか? と思わせる、モールディのプライベートな一面と、アトリー自身の緻密な設定が組み合わさった、これまでにない内容が面白そうですね。
私も早く読みたいのですが、先に別のものを借りたので、読むのは、ちょっと後になりそうです。
やはりレアな本のか、画像が無いのは悲しいですね(>_<)
その分、表紙はどんな絵かな? と想像する楽しみはありますがね。2024/02/05 -
たださん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
予約したらすぐに来たのでお先に読んでしまいました。
まさにモールディがどういう人と...たださん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
予約したらすぐに来たのでお先に読んでしまいました。
まさにモールディがどういう人となりか、というのがよくわかるお話でした。そして一点私にとって驚愕の事実が‥(大げさかも)
たださんが読み終えたらぜひその点を語り合いたいです!お待ちしてます♪
表紙絵、今回も素敵なワンシーンが描かれてました。いつかちゃんと表示されるといいですね。2024/02/05 -
111108さん、お返事ありがとうございます♪
その驚愕の事実が、とても気になります!
今から楽しみです(*'▽'*)111108さん、お返事ありがとうございます♪
その驚愕の事実が、とても気になります!
今から楽しみです(*'▽'*)2024/02/05
-
コメントありがとうございます(^^)
楽しんでいただけたようで、嬉しいです(^o^)
まずは、...
コメントありがとうございます(^^)
楽しんでいただけたようで、嬉しいです(^o^)
まずは、古代文明との繋がりですが、私的には、アトリーの生まれたイングランドの歴史を、そのまま踏襲しているのかなと思いまして、ネットで調べてみた時、360年にローマ帝国によるブリテン島の支配という歴史上の出来事があったそうで、それと繋げているのではと感じました。
ちなみに、410年には撤退したそうです。
そして、肝心のモールディの件ですが、実は111108さんに指摘されるまで、全く気付かなくて、改めて読み直しました(^^;)
もしかして、『これじゃ、このごいんきょさんの手にはおえん!』の部分ですかね。あとは杖をついていたり、マイペースで歩いているのは、もしかしたら、老齢で早く歩くことが出来ないからとか?
確かにそう感じると、彼のグレーラビットに対する優しさは、恋人へのそれではなくて、寧ろ、娘や孫を見るような気持ちで、接しているようにも思われますよね。
まあ、それを言ってしまうと、もう一人のライバルも、明らかにそうなんですけどね(笑)
ある意味、彼女の清らかさは、ご年配の方にこそ響くものがあるのかもしれませんし、私も真面目に書きますと、あくまでアトリーは児童文学として書いているのだから、そうした♡的なものは無いのだろうなというのが、正直な気持ちです。
ですが、それとは別に、私の中では本当に、グレーラビットとモールディって、お似合いだなと思うのも正直な気持ちで・・・どちらもピュアで人当たりが良くて思いやりのある、そんな二人が、あれだけいろんなことを親しげに話すことに(しかも彼女はため口で)、却って、もしかしたらと感じたり、表紙の絵にしても、祖父と孫であんなに接近するかなーって。
それからモールディについては、もぐら特有なのか分かりませんが、見た目で年齢を判断しづらいですよね。寧ろ、私にはその言動が若々しく見えますし、本書の終盤の、あれを二人で眺めているシーンも、何か独特なムードがあったりと、気にはなってます。年の差婚もあり得ない話ではありませんし、彼もどうやら独身のようですし。
でも、111108さんの考察が正解のような気もします(^^)
それを確かめるためにも、次回作が気になりますね。
ちなみにタイトルは、「グレー・ラビットのおたんじょうび」でして(これは絶対何かあるでしょ)、何故私が、ここは覚えておこうと書いたのか、分かっていただけたと思います。
それから、縦書きの偕成社の方は、「グレイラビットのたんじょう会」となってまして、実はその前に、偕成社だけのオリジナル、「ハリネズミぼうやは学校がすき」がありまして、これは評論社には無いお話だから、ちょっと読んでみたいんですよね。
長々と失礼いたしました(^^;)
お忙しい中お返事ありがとうございます!
「まあ、それを言ってしまうと、もう一人のライバルも、明らかにそうなんですけどね」に爆...
お忙しい中お返事ありがとうございます!
「まあ、それを言ってしまうと、もう一人のライバルも、明らかにそうなんですけどね」に爆笑してしまいました(≧∀≦)
そうですよね、そもそもいろんな種類の動物達のお話ですから、年の差がどうだとか考えることもナンセンスですね。常識とか型にはまった考えをしてました。
確かにたださんの言う通りグレーラビットとモールディはとてもお似合いだと思います。考え方や人に対する態度がそうですね。日本語訳もそういうつもりでタメ口にしたのでしょうね。距離感あったら敬語にしてたでしょう。
モールディも今回まで年齢を感じさせなかったですし。精神年齢的には二人はぴったりかも。
たださんのコメントで逆に私は♡あり得ると思えてきました!
次は『グレーラビットのおたんじょうび』なんですね。これは何かありそうな予感!偕成社『はりねずみぼうやは学校が好き』もまぁ気にはなりますが、まずはこの二人の行方をやっぱり見たいです♪
ありがとうございます。
是非、二人の行方を見守りましょう(^^)
今度はライバルも登場しそうですしね。
ありがとうございます。
是非、二人の行方を見守りましょう(^^)
今度はライバルも登場しそうですしね。