お助けナブラーが、やってくる (評論社の児童図書館・文学の部屋)

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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566012844

感想・レビュー・書評

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  • いやー、もう、この表紙でしょ。全く期待せず読みました。
    そしたら、意外にも良かった。こういうこと、滅多にない。
    内容は、10歳版「ラチとらいおん」で、らいおんがナブラーね。
    困ったときに力になってくれて、大人には見えない。少年が成長すると去っていくという。
    ただ、子どもが置かれている状況はよりハード。父は家のローンが残っているのに仕事にやりがいが見いだせず、昔好きだった女と再会して親密になっている。母はそれを察して、ヒステリックになり、離婚寸前の家庭は嵐のさなか。少年は自室で泣きながら震え、嵐の去るのを待つしかない。
    そんな中ナブラーが現れ、徐々に状況は良くなっていく。
    もちろん、両親の仲がもとに戻るわけではない。
    だけど、ほんのちょっとの勇気や思いやりで、事態が好転していく。
    少年のきもちだけでなく、夫の恋人に嫉妬する母の女心、詐欺まがいの仕事で心を削っていく父の苦悩、さらには貧しく粗暴な父のいる家庭(母は守ってくれない)の少年がいじめに走る心理もそれぞれの立場で描かれている。
    「でも、私にはナブラーがいない」という子どもへのフォローは、あとがきで訳者がちゃんとしている。
    とにかく、ますむらひろしの表紙絵が最悪だったのが最大の敗因。
    図書館で借りた本さえ愛読者カードが入っていて、誰もかりていないみたい。
    たまにこういうこともあるから、絵で判断しない方がやっぱりいいのよね。
    ただ、同じ離婚家庭の少年を描いた「ヘンショーさんへの手紙」と比べると、「ヘンショーさん」のほうが文学としては上。
    これは、とにかく読みやすく、分かりやすく、ゲームやってる子でも読める。
    それだけに、誰も読みたくならないような装丁が残念。

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