- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566059757
作品紹介・あらすじ
本書には居住地周辺の諸集会でおこなった身近な問題での講話を収めた。話のたねは色々だが、どれも煮詰めると「今のこの世の有様をどのように受けとめ、そして何のため如何にこの世を生き抜いていくか」に対する判断と提言です。根底にあるものはたった一つ、この世から戦争をなくしたい、なくさねばならぬという命懸けの志です。言葉の仕事に一生をつぎ込んだ反骨のジャーナリストが「語る」、65億人の一人ひとりへの励まし。
感想・レビュー・書評
-
第二次世界大戦中を新聞記者として過ごし、終戦と同時に自らの行ってきた戦争報道に対する責任をとるために新聞社を退社したむのたけじ氏による、講演や短文が集められている。
筆者は表題の通り、戦後70年近くにわたって、戦争のない、戦争のやれない世の中をつくるために、語り続けてきたという。
戦争は間違っている。皆がそう言いつづけ、戦争がやれない世の中をつくるのだという、強いメッセージが、すべての文章から伝わってきた。
若い頃に新聞記者として発してきた言葉を深く反省しながらも、言葉を発し続けること自体が持つ力を信じて、その後半世紀以上も語り続けているということは、なかなかできないことではあると思う。
講演での筆者の言葉やかなり強いトーンで発せられていることが文字からも感じられるが、大切なのはそれをそのまま受け取り信じるのではなく、その言葉を聴いたうえで自分の頭で考えることなのだろう。
戦争をなくすための方法が書いてある本というより、そのためにどうすればよいかを考え続けることが大切であるということを考えさせられる本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平易なことばで語られていますが、よく見ると強い思想があらわれている気がして、なんだか惹かれてしまった一冊。装丁も素敵です。
(人間発達環境学研究科 修士1回)