けんかを忘れた子どもたち: ほんとうのよい子の育て方 (PHP文庫 ヒ 7-1)
- PHP研究所 (1992年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569564432
感想・レビュー・書評
-
平井先生の本は6冊目になります。
今振り返ってみると、2008年に立て続けに4冊読破していたんですね。娘が3歳になる頃で、少し、子育てを工夫したいと思っていたのかも知れません。
この本は、副題に『ほんとうの「よい子」の育て方』とあるように、著者が考えるよい子と、そのよい子を育てるための親の在り方、教師の在り方が書かれています。著者の主張は、子どもの可能性を信じているという点において、どの本にも共通していますが、特に『よい子悪い子―子どもの見方と伸ばし方』と重なる部分が多かったように思います。
大人の思っているよい子とは、気を付けないと大人にとって都合のよい子になってしまっているという点です。それでも、そのまま何の疑いも持たずに成長していけばいいのですが、無理は必ず破綻を来します。そうしたとき、両親はもちろん、何より子ども本人が一番不幸ということになってしまいます。
では、どうすればいいのか。大人は自分に謙虚に、そして子どもの可能性を認めながらその成長を見守っていけばいい、ということになります。
印象的な言葉に、無言の行というのがあります。
p.44 『生活習慣の自立についてたしかめるためには、黙って見ていることが大切です。私はこれを「無言の行」と呼んでいます。』
つまり、修行のように親がつらいということになります。一、二か月黙って見守れとありますが、果たして、どれだけのお父さん、お母さん方が実践できるのでしょうか。
子どもに温かい目を向けている著者ですが、電車など公共の場での躾については、結構厳しいことが書いてあります。他のページで述べられている我が子への眼差しと比べると、やや異質な感じがしましたが、著者流の子育て論を把握するには、トータルで考えていく必要がありそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示