- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569619651
作品紹介・あらすじ
「世界共通ではない」「抽象概念も表せる」-。自然言語の特徴を備えた手話は、日本語とは違った魅力をもつ日本の「ことば」である。言語学者であり、妻との会話に日々それを使用する著者は、そう語る。だが、長年手話は言語としては認められず、単なるジェスチャーなどと侮蔑的に捉えられてきた。同時に、その使い手である、ろう者の人権や尊厳も踏みにじられてきた。本書では、その苦難の歴史と言語的特徴を明示し、「手話はろう者の第一言語」という立場から世界の潮流である「手話公用語化」を訴える。
感想・レビュー・書評
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副題に「もう一つの日本の言語」とあるように、手話は外国語ではなく遠いところの言語でもなく、日本語と同じように「日本で日本人によって使われている言語」である。日本は日本語だけでなく日本手話も使われている国である、という指摘にハッとさせられた。
また、「聴覚障害が持つ障害の本質は、聞こえない話せないことによるコミュニケーション・情報障害と対人障害である」と何度も書かれている。聞こえないことそのものではなく、そこから派生する二次的・三次的な障害である。わたしも聴覚障害者の障害を作っている一人なのだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大変わかりやすく書かれている。
歴史・ろう教育・ろう運動・手話通訳など、
手話を勉強する人は一度は読んでおいたほうがいい本だと思う。
現在は手話を言語として認識するようになってきている。
手話学の入口の本だと思う。 -
言語というのは間違いないんだけど どうしても聾者間または聾者と健聴者との会話で使用されるイメージが強いので 英語など外国語を勉強するのと同じように手話を覚え日本語とバイリンガルで使えるようになり 健聴者間でもシチュエーションにより手話で会話をするとか いいんじゃないかしら
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手話を勉強する人に分かりやすく、ろう者にとっての手話とは何か?今、必要とされていることは何か?そして、手話が日本の言語として認められるようにどう今後活動していくかということが書かれています。手話が今日のように受け入れられるようになったのはつい最近のこと。深く考えさせられました。
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手話を学ぼうと思った人なら、一度は読んでおいたほうが・・・。座右の書というのは言い過ぎかな。
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連絡会ニュース NO.100 '02/3/29
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NHK「みんなの手話」でお馴染み、いつもニコニコ米川先生の著作です。全体的に、読みやすく構成されている上に、内容もとても濃いと思います。あえて別題をつけるとすると、「手話学概論」という感じになるでしょうか。そんな感じで読んでみるといいと思います。