あなたも使っていませんか? 日本人が「9割間違える」日本語 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569679365

作品紹介・あらすじ

過半数を超える、足元をすくわれる、取りつく暇もない、怒り心頭に達する、1万円からお預かりします…こんな「間違った日本語」を、あなたも無意識に使っていませんか?本書では、日本人の多くが誤用している日本語(=日本人が「9割間違える」日本語)を多数紹介。これ1冊で、「正しい日本語」と「大人の言葉づかい」が一気に身に付きます!大切な場面で恥をかかないための必読書。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人を50年以上やっていますが、間違えて覚えている日本語がいかに多いものか、さらに敬語の使い方も、かなりひどい理解しかできていないことが、この本を読んで明らかになりました。面目ないのですが、このレビューを書くことで、少しでも私の「正当な日本語」をアップしてきたいです。

    言葉はその人の知的レベルを端的に表します、正しい日本語を使える人はそれだけで品格が感じられます(p5)というフレーズを大事にしたいと思いました。

    以下は私が誤解していたポイントです。

    ・〇過半数を占める、×過半数を超える(p15)
    ・〇話の中心部分であるさわりしか知らない、×話の最初の部分であるさわりしか知らない(p21)
    ・〇蘊蓄を傾ける、×蘊蓄をひけらかす、×蘊蓄をたれる(p25)
    ・〇情けは人の為ならず。喜んでお手伝いしましょう、×情けは人の為ならず、手助けするのはやめましょう、意味は、人に情けをかければ、めぐって自分に良い報いが返ってくる(p27)
    ・〇焼けぼっくいに火がつく、×焼けぼっくりに火がつく(p29)
    ・〇学生はすべからく(須く:当然)多くのことを学ぶべきである、×彼はすべからく夢を実現させた(p29)
    ・〇押し出しがいい人、×押し出しが強い人、押しが強いと混同する人が多い(p34)
    ・〇彼は弱冠20歳で家業を継いだ、×彼女は弱冠35歳で起業した、弱冠は女性には使わない、若い人に使う(p35)
    ・〇俺は辛党なので、饅頭よりも酒がいい、×俺は辛党なので、カレーはいつも激辛、「辛」は酒を表している(p38)
    ・〇上を下への大騒ぎ、×上へ下への大騒ぎ(p42)
    ・〇生徒にいくら注意しても、馬の耳に念仏、×社長にいくら説明しても、馬の耳に念仏、目上の人には使えない、「いくら説明しても、馬耳東風だ」はOK(p43)
    ・〇いつ地震がこないとも限らない、×いつ地震がくるとも限らない、「とも限らない」は否定の言葉と結びつける(p48)
    ・〇熱に浮かされているため、忠告など耳に入らない、×熱にうなされているため、忠告など耳に入らない、「うなされる」のは怖い夢を見た場合等(p51)
    ・〇下位を大きく引き離してトップになった、×断トツの一位になった、断トツは断然トップの意味、断トツの一位は意味が重複するので誤り(p56)
    ・〇商売をなおざりにした、×商売をおざなりにした、「おざなり」はその場逃れの言動、いい加減なこと(p60)
    ・〇怒り心頭に発する、×怒り心頭に達する(p63)
    ・〇押しも押されもせぬ大スター、×押しも押されぬ大スター、「押すも押されぬ」と混同しないように(p65)
    ・〇血と汗の結晶、×血と涙の結晶、血も涙もないと混同しないように(p66)
    ・〇僧侶が修行を積む、×声楽家が修行を積む、正しくは声楽家が修業を積む(p70)
    ・〇引導を渡す、×印籠を渡す(p76)
    ・〇苦汁をなめる、×苦汁を味わう、苦汁を飲まされるはOK(p77)
    ・〇素人離れ、×素人はだし、玄人はだしはOK(p82)
    ・〇異存はありませんでした、×異存は出ませんでした、異存は出なかったはOK(p89)
    ・〇部長の小言はいつものこと、柳に風と受け流している、×いくら叱っても柳に風、反省する気がまるでない、「ぬかに釘、のれんに腕押し」はOK(p98)
    ・上意下達:〇じょういかたつ、×じょういげだつ(p110)
    ・習い性となる、〇ならい「せい」となる、×ならいしょうとなる、生まれつきの性格のようになる(p112)
    ・諸刃の剣、〇もろはのつるぎ、×もろはのけん(p117)
    ・蒐集、〇しゅうしゅう、×ぼしゅう、蒐集は趣味的な色合いが強い(p121)
    ・喜びの一入、〇よろこびもひとしお、×よろこびもひといり(p129)
    ・〇濡れ手で粟、×濡れ手で泡(p151)

    ・〇金の生る木、×金の成る木、生るは、実を結ぶという意味から(p170)
    ・〇書き入れ時、×掻き入れ時、帳簿の記入が激しいことから(p172)
    ・〇寒心に堪えない、×関心に堪えない、寒心とはぞっとすること(p193)
    ・〇意気衝天、×意気昇天、衝天とは、天を衝くという意味(p196)
    ・〇ご注文は以上でよろしいでしょうか、×ご注文のほうは以上でよろしかったでしょうか、「ほう」をつけると注文以外に何かあるのかということになる(p202)
    ・〇お名前をお聞かせ願えますか、×お名前、頂戴できますか、名前はモノではないので(p203)
    ・〇お電話番号をうかがってもよろしいでしょうか、×お電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか(p204)
    ・〇弊社が開発いたしました製品、×弊社が開発させていただきました製品、製品を開発するのは自発的行為なので(p204)
    ・〇承知いたしました、×了解しました、了解は社外の人、上司には不適切、「かしこまりました」はOK(p206)
    ・〇部長、宴会にいらっしゃいますか、×部長、宴会に参りますか、参るは謙譲語(p217)
    ・〇申し伝えます、×ご伝言いたします、伝言するのは自分なので謙譲語の「申す」を使う、xxが承りました(p235)
    ・〇まだまだお元気でいてほしかったです、×大往生でしたね、大往生は遺族側が使う言葉であり、お悔やみには使えない(p248)
    ・〇お持たせですがどうぞ、×どうぞ、召し上がってください、「お持たせ」とは来客が持ってきた手土産を、その客の前でいう言葉(p251)
    ・〇xx株式会社 総務部部長 xx様(p256)
    ・〇お勘定お願いします、×おあいそお願いします、「おあいそ」は本来、店側が客にお勘定を渡すときの、「店を追い出すなんてお客様へのお愛想づかしですが」という意味(p257)
    ・〇(日にち)ではいかがでしょうか、×(日にち)なら空いていますが、いかがでしょうか、「では」は、数多くある候補の一つ、「なら」は、他にも優先順位の高いものがあって、ここしか空いていないという感じを与える(p277)

    2018年1月3日作成

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著者プロフィール

本郷陽二(ほんごう・ようじ)

1946年東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。光文社カッパブックス編集部を経て、編集企画プロダクション「幸運社」を設立。歴史・雑学・日本語からビジネス・発想まで幅広いジャンルの書籍で活躍。
主な著書に『頭のいい人が使っている敬語のルール』 『「どこか品のある人」の言葉づかい』 『おもしろ雑学 世の中のふしぎがわかる話260』 『もののはじまり おもしろ雑学』 『一緒にいて楽しい人 疲れる人』 『身のまわりの疑問が解決する 雑学の本』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)、『今さら他人に聞けない 小学校で覚えた漢字』(KADOKAWA)、『これで差がつく!大人の「国語力」養成講座』(日本文芸社)、『日本人が「9割間違える」日本語』(PHP研究所)、『初対面でも、相手がどんどん話し出す! 沈黙がコワい人のための聞き上手のコツ』(朝日新聞出版)などがある。

「2022年 『今さら他人に聞けない! できる大人 「この差」って何だ?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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