- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569705392
作品紹介・あらすじ
郵便飛行事業の草創期、夜間の運航は常に危険をはらんだ命がけの任務であった。己の全てを賭け、夜間飛行の指揮を執る厳格な社長のリヴィエール。そして嵐の中、ただ一つの光を求めて死闘を続けるパイロットのファビアン。夜に戦いを挑み続ける男たちの一夜を追った、苦悩と希望の物語。
感想・レビュー・書評
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案の定、サン=テグジュペリは私にはまだ早かったようで、こちらも半ばで断念しました。
いつかは読めるようになるのだろうか(^_^;)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
郵便物についてひとこともないのが気になりますね。
定期航路を確保するのが目的じゃなくて、郵便物をより早く届けることが目的な気がするけれど。
使命はどこにあるのか。
今なら完全にパワハラ案件だなあ。
そのせいで引き返す選択肢もなくなってしまった。
これがこの後の教訓となり、データとなっていくのならまだ救われるのかもしれないけれど。 -
人の命は重い。だけど、命をかけて達成される尊いなにかが存在するのではないか。それは、ひとの死を越えて、その先に残るなにかなのではないか。
私はなにを達成できるだろうか。代わりになにを失うのだろうか。飛行機から見る街の光のきらめきは美しくて、夜明けは希望に満ちていて、冒険をはじめるのは本当に心細い。 -
たった一晩で、人生が、生きることについての考え方が、ひっくり返されることがある…。航空郵便の幕開けの時代を舞台にした、空の男たちとそれを支える女たちのドラマ。作者にパイロットとしての経験があるからこそ書けた作品なのだと思う。空に携わる者達の微妙な心の揺れは一般の人間では描けない。ストーリーも良いけど、地の文がいちいち心にグッとくるのが気持ちいい。何か辛いとき、壁にぶち当たったときに、この物語のどこかのページをめくればきっと何かが得られる、そんな本。
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飛行機乗りのお話。
一見理不尽な上司やそれに従うしかない部下の関係に見えるけれど、きっと二人ともあるところで通じ合っていたのだろうな、と思う。
こういうのが男のロマンなのだよ、といわれると入っていけなくて悔しいけれどね。
空を飛んでる間はそのことしか考えなくて熱中できて人間じゃなくなったように感じて、それでつかの間降りたときだけ人間に戻る、みたいな。
賃金によって縛られているように見えるけれど、飛びたいから飛ぶし、それで死んだりしてもそれはそういうことだ、とみんなが受け入れている感じがする。
空を飛ぶのは気持ちがいいのだろうね。 -
リヴィエール。
とても凛々しい。恰好いい。
そういう結末になるとは予想していなくて、
だからラストにちょっとびっくりしてしまったけど。
きれいごとだけでない世界っていうのはそういうものなんだろう。
そういう世界を、
まっすぐに渡っていくこと。
背筋を伸ばして、自分に言い訳をしないこと。
って、難しいんだなぁ。
うん、どっしりと、大事なものが詰まっていた感じ。