世界十五大哲学 (PHP文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569761411

感想・レビュー・書評

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  • 哲学の歴史、思想の流れの変遷を著者達のしっかりした視点を持って述べている点に入門書として第1級の風格を感じる。何度も読み返し、その度に新たな視点を得られる

  • 教科書のような記述なので、ノートを取りながらか、あるいは固有名詞を暗記するような作業好きには良いかも知れないが、個々に浅く、それこそ思想そのものの深掘りが無いために、ザ入門編。しかし、教科書的なので、読む人によっては恐らく、全く面白くない。雑学が欲しかったり、系譜を知りたかっり、イデオロギーの発案者や単語の意味を知りたい人には良いのでは。自らの思索を深めたり、本と対話をしたり、物語りに想像を巡らすような欲求は満たしてくれない。

  • 15大哲学者の中にチェルヌイシェフスキーが含まれているのは私には違和感があるが、著者の好みなんでしょうね。

  • 読みやすい本。表現がわかりやすく、しかしその哲学者の思想核心にはちゃんと触れている。

    しかし中には「おや?」と思う哲学者も混じっている。
    それとこれを書いた学者さんがマルクス主義者のためか、観念論を唯物論より劣った思想とする主張が文章に滲み出ているので、その辺を割り引く必要がある。

    あと関係ないが、佐藤優って人が何かにつけて用いる「ビジネスに効く」の売り出し文句に見え透いたマーケティング臭を感じて不快になる。
    哲学ってビジネス以前に目的とする何かがあるべきなんじゃないですか。

  • 哲学の全体像を俯瞰したい人向け。中々読みやすい。

  • 著名な15人の哲学者たちを解説した本ですが、哲学とは何かという導入部分がとても面白いです。哲学とはひとつの学問分野であり哲学史を学ぶことは確かに重要ですが、なによりもそれを学ぶ私たちの哲学的姿勢の重要さを教えてくれます。個人的に、哲学への認識が改まった著作です(読み途中)

  • 酔っぱらった状態でたまたま買った本だけれどおもしろかった。哲学は文学的で難しいというイメージがあったけれど、哲学者とその考え方が歴史を追って書いてあるためわかりやすかった。
    哲学は自然科学とも関連性があるということがわかったことが発見だった。
    本の最後に「用語集一覧」が掲載されているため
    またちょっとしたときに使えそう。
    50年前に出された本だけど、その時代の筆者とも会えて良かったかな。
    たまには酔った勢いで買ってみるのもいいものだ。

  • 特に、第一編の「哲学思想史」が良かった。どのように哲学が発展していったかの全体像が面白い。第二編からは15
    名の哲学者の思想を順に説明がなされるが、こっからはなかなか難しい。
    再読必要だなと。著者が唯物論寄りの人のようなので、そこは注意して読み返したい。

    *観念論(アイデアリズム)⇔唯物論(マテリアリズム)

    ---

    1. ソクラテス:古代ギリシア。「無知の知」。科学と哲学を区別した、哲学はソクラテスから始まった。

    2. プラトン:ソクラテスの弟子。『国家』、イデア論。

    3. アリストテレス:プラトンの弟子であり、批判者。三段論法。アレクサンドル大王を教えた。

    4. トマス・アクィナス:13世紀イタリア。アリストテレスの哲学とキリスト教の教義を結びつけた。『神学大全』

    5. デカルト:17世紀フランス。「我思う、故に我あり」すべてのものを疑った。『方法序説』。生得観念。機械論的唯物論という自然観。

    6. ロック:17世紀イギリス。生得観念の否定、観念は経験を起源にしている。社会契約説

    7. ディドロ:18世紀のフランス啓蒙思想家。

    8. カント:18世紀。ドイツ古典哲学者。フランス革命、イギリス産業革命、ドイツ精神革命に影響を与えた。

    9. ヘーゲル:19世紀。カントを発展させた。ドイツ古典哲学の完成者。弁証法的方法。

    10. キルケゴール:19世紀デンマーク。

    11.マルクス、エンゲルス:19世紀ドイツ。マルクス主義は、弁証法的唯物論(哲学)、剰余価値学説(経済学)、階級闘争理論(社会主義)を含んでいる。

    12.チェルヌィシェフスキー:19世紀ロシア。農奴解放。フォイエルバッハの弟子。

    13.中江兆民:19世紀日本。唯物論。「わが日本、いにしえよりきまにいたるまで哲学なし。すべての病根ここにあり」

    14.デューイ:20世紀アメリカ。プラグマティズム(観念論でも唯物論でもない第3の哲学)目に見える現象だけを哲学の問題とする。

    15.サルトル:20世紀フランス。実存主義。存在論。

    ---

    memo:

    31
    できる限り前提をはっきりさせて議論をすすめるのが、哲学のやり方である。常識でははっきりしていると思われている前提でも、少なくとも一度は疑ってみて、再検討するのが、哲学の主要な仕事の一つである。

    47
    自分自身の理性と経験にもとづいて、何ものかを、それが真理であるかどうか、と吟味することになる。

    94
    明治の初年に西周がphilosophyの訳語として作った「哲学」という用語

    99
    ローマは、軍事的にギリシャを征服したことによって、文化的にはギリシャに征服された、といわれている。だが、この場合のギリシャ文化とは、東方化したヘレニズム文化であった。

    399
    今日、哲学上でどんな立場に立つ人でも共通して認めなければならない哲学史上の巨大な山系に二つある。一つは、古代ギリシァにおいてソクラテス、プラトン、アリストテレスと続く山系であり、もう一つは、カントからヘーゲルに至るドイツ古典哲学の山系である。

    466
    この思想体系(マルクス主義)の根底に弁証法的唯物論とよばれる哲学を持ち、さらに剰余価値学説を中心とする経済学と、階級闘争理論を中核とする社会主義理論とを包含している。

    475
    唯物論は、世界が神の被造物であるとか、世界が何か知られない原因によって無から創造されたものであるとか、と主張する思想(観念論)に対立して、世界は自然である、つまり、世界はひとりでに出来上がっている、ーー「自然」とはこういうものであるーーと主張する思想である。

    479
    マルクス主義は、哲学を「唯物論」と「観念論」との2つの党派、2つの陣営に区別した。(中略)哲学史を、自然を根拠とみなし、自然から精神が発生するという「唯物論」と、精神に対して自然を根源とみなす「観念論」との対立であると明確にとらえたのは、マルクス主義であった。

    493
    マルクス主義によれば、このさい人間と他の動物とを区別する特徴は、人間が「労働する」ということである。「道具」を用いて生産することである。

    500
    マルクス主義は、社会の「土台」の段階的な変化に応じて「上部構造」が変化すると説明する。(中略) 「上部構造」のこのような、全体的な変化は「革命」と言われる。

  • 佐藤優氏が初めて買った哲学の概説書、ということで、PHP文庫で復刊されたもの。著者らはマルクス主義哲学の立場にあること、刊行が1962年であり、古くなっていること、OCRによる誤字が幾つか見られるなど、問題点がありますが、哲学史、15名の代表的哲学者の思想のコンパクトな解説などは、なるほど、確かに価値があると思いました。これで、1000円は安い。

  • 良書。個人的にもっと知りたいのはキルケゴール。

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