- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569762371
作品紹介・あらすじ
東日本大震災後の被災地で奮闘する医師とそれを支える麻酔科医の妻を通し、人々の再生を描く感動作。鈴木京香主演映画のノベライズ化。
感想・レビュー・書評
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仙台医療センターで麻酔科医長を務める川島隆子。震災後、夫の貞一は「川島病院」を無期限休診とし、南三陸で診療所を開き地域の人々のために尽力していた。一方隆子は、震災で父を亡くしたトラウマに苦しむ部下の純子を復帰させようと、ある自衛隊員のもとを訪ねる…。あの日を乗り越えて、悲しみや厳しい現実を受け入れ、前向きに生きようとする人々。そのひたむきな姿を感動的に描く映画「救いたい」の小説版。
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森川秀樹・川村隆枝『救いたい』PHP文芸文庫。
古本屋で『救いたい』というタイトルに惹かれて購入した。裏表紙を見ると東日本大震災を経験した人びとの心の再生を描いた映画『救いたい』のノベライズとのことだ。しかしながら、映画の存在は全く知らず。
メインのストーリーは、さもありなんという感じで、まあ普通の普通なのだが、四章の吉田ふみ江と吉田美菜の親娘の話から終章までは涙なくしては読めなかった。メインストーリーよりも、こちらを膨らませた方が良かったのではなかろうか。
あれから早くも6年が経過しようとしているが、あの日以来、多くの医療関係者が被災地のために尽力したことを忘れてはいけない。この作品にも描かれているように、中には、親或いは子供、配偶者や親戚を喪った方も居たことだろう。本当に頭の下がる思いだ。
原案を書いた川村隆枝さんは仙台医療センターの麻酔医長、手術管理部長の肩書きを持つ医学博士。恐らくは、東日本大震災の際には、多くの人びとを救い、本作はその実体験に基づいたものなのだろう。 -
帯にひかれて、だいぶ前に購入。
この映画のキャストいいなー、見てみたい!と思ってたけど結局見ず・・・笑
悲しみや喜びがじんわりくる小説。
実話をもとにしてあるようで、リアリティもある。
こうやって僻地医療(被災地医療)を支えてくれるお医者さんがいるから、被災地もなんとか立ち直れるんだろうな。
世の中、医者っていうとあんまりいいイメージわかなくて、傲慢だったりセコかったりエラそうだったり。でもこの川島医師夫妻はすごくあたたかい人たちだなと思った。
でも一番ぐっときたのは、吉田親子の話。
そりゃ、若いんやからいつまでも義理の母親のそばにいていいわけもあるまい・・・でも切なかった。