予備校の先生がキミに贈る! 苦手な化学を克服する魔法の本 (YA心の友だちシリーズ)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569788692

作品紹介・あらすじ

高校時代に化学が苦手だったのに、今や予備校の化学のカリスマ講師である著者が、化学の基本から勉強法までを伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 本書では、まず化学を学ぶ意義を説き、著者が化学を好きになった過程を紹介したうえ、化学に親しむ方法から勉強のコツまで提案している。化学は世に存在しなかった物質を生み出せる唯一の学問であり、時として人の生死にも関わる。そこに化学を学ぶ意義があるのだが、高校の範囲では説明がうまくいかない現象や取っ付きづらい概念も多いため、初めて学ぶ高校生にとってはハードルが多いと思われる。著者がいうように、化学物質や現象に親しみ、イメージをもつことが重要だろう。本文中の例え話にはわかりにくく、疑問符が浮かぶものも多くあった。

  • 最近、この本の著者の集大成とも言える本「ケミストリーの世界史」という本を読んで、化学と歴史事件との関わりが、興味深く解説されていて感動しました。

    著者の大宮氏は現在は河合塾の化学の講師をされているようですが、実験も授業でやっているようで面白そうな授業をされているようです。大学時代の専攻は化学ではありませんでしたが、高校・浪人時代は化学が好きでした。

    この本はタイトルにあるように「苦手な化学を克服する」ための本のようですが、化学好きにも楽しく読めて、またためになる点も沢山ありました。

    以下は気になったポイントです。

    ・人間は未来をさまざまに意識して生きていける、おそらく唯一の生き物である、山登りの前にコンビニでお茶とおにぎりを買っておこうというように、時間軸を未来に延長して、今の行動を起こせる生き物なのである(p12)

    ・幼児には情報を取捨選択するために必要な判断基準が出来上がっていない、まだ真っさらな状態で、先入観というものが存在しない。だから入り口で取捨選択をせず、ありとあらゆるものをスポンジのように吸収し、記憶できる(p25)

    ・硫酸H2SO4(HO SO2 OH)は、OHのところが電気陰性度の差が一番大きいので、電子は強くOに引き寄せられる、水中ではさらに電子の偏りが激しくなり、OHがOの陰イオンとH+に別れるので、硫酸は酸性になる。(p37)

    ・昨日の自分と今日の自分とを比較することを忘れるな、自分と他人を比較するだけでは社会の奴隷となる、昨日の自分との比較を忘れると慣習の奴隷となる、ルソー(p52)

    ・ラテン語のカルボは「炭」という意味、カルボナーラというパスタは、仕上げに散らした胡椒が、炭焼き人の服についた炭のようなので、炭焼き人=カルボナーラと名付けられた(p67)

    ・元素は、金属元素と非金属元素に分けられるが、それらの境界にある元素は中間的な性質を持つので、半導体と言われる、ケイ素Siやゲルマニウム(p71)

    ・金属の単体は、電子を出すことしかできないので、アルミニウムや亜鉛が還元剤(相手に電子を与える)となり、反応する相手が酸化剤(相手から電子を奪い取る)となる、電気分解とは、電池などの負極に繋がった陰極(最強の還元剤)から電子を出して分子や陽イオンに電子を与え、電池の正極に繋がった陽極(最強の酸化剤)で陰イオンや分子から電子を奪う反応を起こさせることである(p86)

    ・専門用語については、「xxという専門用語は、〜っていうことを意味する」と自分の知っている言葉に翻訳し、納得して理解することが苦手意識をなくす第一歩である(p99)

    ・濃硫酸と水が入って薄まっている希硫酸は、全く違う別物である、希硫酸は水があるので、硫酸の分子H2 SO4が電離した状態にある一方で、濃硫酸には、酸化力・脱水作用・吸湿性がある、濃硫酸をCUに加えると、自身は二酸化硫黄のガスになり、水素は発生しない(p115)

    2種類の金属の間で電子が流れる勢い=起電力が決まる、金属ごとの電子を出そうとする潜在能力を、水素をゼロとして実験して測定したものを「標準電極電位」という(p123)

    ・なぜモル数で計算するのか、料理を作るときに、ズッキーニ100グラム、トマト500グラム、パスタ250グラムでは作りにくい、それより、ズッキーニ1本、トマト2ほん、パスタ:一袋の半分の方がわかりやすい。原子も原子が異なる原子はそれぞれ違う質量なので、個数で捉えた方がわかりやすい。さらに、まとまりで数えて、アボガドロ数で盛りつけた1杯、2杯に相当するモルで計算する方がわかりやすい(p133)

    2022年2月23日作成

  • これは高校生におすすめ

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著者プロフィール

河合塾講師

「2022年 『ケミストリー世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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