- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569800073
感想・レビュー・書評
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バーク、トクヴィル、ハイエクなど、少なくとも、私は知らない学者(本書には、日本ではあまり知られていないとか書かれていた)が取り上げられていた。その内容を筆者なりにまとめたこの本は、読みやすく明快。今の政治状況を比べながら読んでも、色あせていないというか、今の様子を表しているようであった。
特に、なるほどと思った点は次のようなところだ。
・「法治主義」と「法の支配」がきちんと整理されていた。
・民主主義者であることは、多数が正しいからではなく、最小限の害だからだ。
・人々を平等に扱うことと、平等たらしめようとすることとの間には天地ほどの違いがある。
・構成員が同じような思想を持つ協力で人数が多いグループは最悪の人々から作られる傾向がある。
筆者は決して現在を変えるなとは言っていない。過去を見て、祖先からの連綿と続いてきたものを見て、残すべきものを見極めよということではないか。そのうえで、変えていくものを強い思いをもって変えていくべきである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年ほど前に購入しました。世界の保守の名著がわかりやすく紹介されています。中川八洋の『保守主義の哲学』同様、保守思想の入門書として最適です。ただ、前書きにも書いてありましたが、名著の取捨選択は、一般人が入手可能か否かということもあり、取り上げられている名著が少ないです。その点だけ少し不満でした。保守思想について学びたい人におすすめです。
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エドマンド・バーク
トクヴィル
G・K・チェスタトン
ハンナ・アーレント
カール・R・ポパー
F・A・ハイエク
ラインホールド・ニーバー
の代表的著作を紹介し,保守主義の2大原則である「自由」と「法の支配」とがどのように受け継がれてきたかを解説する書籍。
各章の終わりに設けられた文献リストが便利。
渡部昇一や西部邁を頻繁に引用し,「中庸」を旨とする保守主義は邪道であるとして退ける。 -
筆者は早稲田、自衛隊、評論家と言った変はった経歴の方。「司馬史観と太平洋戦争」も面白かった。
筆者の読書遍歴として読んだ。保守正統を歩まうと志してゐる方には最適の読書案内ではないか。
それぞれの名著の警句がちりばめてある。
巻末の引用は記憶に止めたい。
THE SERENITY PRAYER
O God , give us
serenity to accept what cannot be changed,
courage to change what should be changed,
and wisdom to distinguish the one from the other. Reinhold Niebuhr -
バークを読んだか?、と阿川弘之の息子で阿川佐和子の兄である弁護士阿川尚之は、若かりし頃、アメリカのジョージタウンロースクールに留学中にサマーアソシエーツで行った先のパートナー弁護士から尋ねられた。かくほどにアングロサクソンの知的エリートは、バークの思想を頭にしみこませているということか。