新版 敬天愛人 ゼロからの挑戦 (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569802893

作品紹介・あらすじ

名経営者・稲盛和夫氏のビジネスマン人生を、京セラ創業から第二電電設立、直近のJAL再建に到るまで、数多のエピソードを交えて綴った、臨場感あふれるマネジメント書。成功する行動の仕方、考え方のヒントが豊富に織り込まれている。

感想・レビュー・書評

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  • 新版・敬天愛人 ゼロからの挑戦
    著:稲盛和夫
    紙版
    PHPビジネス新書 246

    稲盛和夫氏のフィロソフィの解説書
     京セラの創立から、JALの救済まで

    気になったのは、以下です

    (パートナーシップで創業)
    ・最初から、人と人との心の結びつきを、最も大切にするという企業風土ができていた

    (赤字続きの会社に就職)
    ・退路を断たれた私は、こころで腹を決めた
     たとえ働く環境が悪かろうとも、自分の運命をおの傾きかけた会社で切り開いていかざるを得ない
     私は、気持ちを切り替え、全力を挙げて研究開発は取り組むことにした

    (従業員一人ひとりがオーナー)
    ・お金に使われてはいけない、また、従業員がオーナーでなければならない

    (最も強固なものは「人の心」)
    ・悩み抜いた末に、「人の心」が一番大事だという結論に至った
    ・うつろいやすく不確かなものも人の心なら、ひとたびお互いが信じ合い通じ合えば、限りなく鞏固で信頼にたるもの、それも人の心なのである

    (経営理念を確立する)
    ・初めて、企業を経営するということは、「自分の夢を実現するということではなく、現在はもちろん、将来にわたっても従業員やその家族の生活を守っていくということである」ということが気がついた
    ・この経験から私は、経営とは経営者が持てる全能力を傾けて、従業員が幸福になれるように最善を尽くすことであり、経営者の私心を離れた大義名分を企業は持たなくてはいけないという教訓を得ることができた。

    (原理原則で考える)
    ・経営における判断は、世間で言う筋の通ったもの、つまり、「原理原則」に基づいたものでなければならないことに気がついた

    (米国人と同じ思考プロセス)
    ・最初の渡米で印象的だったことは、米国人も私と同じように「原理原則」に基づいた判断をするということであった
    ・米国では、判例法を基準はとっているので、日常会話に「リーズナブル」という言葉が頻繁に出てくるのである

    (お客様の召使として)
    ・私は常々社員に「お客様の召使いであるべきだ」と言ってきた
     これは、お客様に、接する態度を示すとともに、徹底した顧客志向を意味している

    (手の切れるような製品)
    ・創業時代から私は、品質について、「手の切れるような製品」でなくてはならないと社員へ話してきた
     これは、真新しい紙幣のような手触りを感じさせる素晴らしい製品と言う意味である
     そのような製品でなければ、お客様に本当に満足してもらうことはできない
    ・ここで言う、「手の切れるような」とは、素晴らしい性能を備えているばかりか、色も形状も非の打ちどころのがないという意味である
     私は、「オーバースペック」でもいい、手の切れるようなものを努力を惜しまずつくるということが、まずは開発者にとって必要なことだ」と常々言ってきた

    (チャレンジする資格)
    ・京セラは1000億以上の内部留保を持っており、仮に通信事業で失敗をしたとしても、屋台骨まで揺らぐことはなかった
     そういう保証があって初めて新規事業への思い切った展開ができるのであって、裏づけなくチャレンジすることは蛮勇でしかない
     どんな危機に遭遇しても、企業が安全に航行できるだけの十分な資金力と財務内容を持って、新規事業の展開を図らなければならないのである

    (限りない夢を描く)
    ・「とりあえずやってみよう」「人がやっているからやってみよう」という程度では絶対に新規事業の成功はあり得ない
     どんな困難に出会っても、決して諦めない、必ず実現させるという強烈な思いがなければ、新規事業の成功も、企業の多角化も、およそ不可能なのである

    (真の創造をもたらすもの)
    ・苦しんで苦しんで切羽詰まった状況で、今まで見過ごしていた現象を見つけ、一挙に問題解決が進む場合がある
     神のささやく啓示とも呼ぶべきこの瞬間こそ、真の創造に至る道であろう

    (高い志がエネルギー源)
    ・さらに重要なことは、人生における目標は、志の高いものでなければならないということである
     レベルの低い、後ろめたい志であれば、いつか意欲も削がれてしまう

    (自分自身を信頼する)
    ・前人未踏の道を歩くのと、先達の轍をたどるのとは全く違うことである
     前者の場合、確かめることができるのは自分だけであり、自分の手で触れ、自分の足で踏みしめ、自分の頭で確認し、前進しなければならない
     後者の場合、先人の足跡を追うだけでいい

    (パーフェクトをめざす)
    ・大切なことは、「このくらいやればいい」というのではなく、何ごとにもパーフェクトであることを求める姿勢である
    ・毎日が完全主義であって初めて、自信を持って自分の方向を定められる
    ・パーフェクトであろうとすることは、自分を甘やかそうとする気持ちを抑え、言い訳を許さず、仮借ない態度で常に自らを律することを意味する
    ・必要な瞬間にだけ集中すればいい、というような安易な態度ではない
     張り詰めた緊張感で日々仕事に取り組み、あらゆることに真剣を対処する、そのような習慣を我がものとすることが必要なのである

    (「能力」は先天的)
    ・仕事や人生の成果を表す方程式を見出した
     それは、 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 というものである

    (成功への王道)
    ・成功に至る近道などあり得ない
     情熱を持ち続け、生真面目に地道な努力を続ける
     このいかにも愚直な方法が、実は成功をもたらす王道なのである

    (潜在意識を動かす)
    ・私は、心に描いた通りに、ものごとは成就すると考えている
     潜在意識が成功へと導いてくれるのである
    ・成功しようとするなら、火のように燃える願望を持ち続けることだ
     そうすればやがて、その願望は潜在意識にまで浸透し、特に意識をしなくても、願望成就への道へとたどらせるのである

    (「利他」の心)
    ・利他の心とは、自分だけの利益を考えるのではなく、自己犠牲を払ってでも、相手に尽くそうという心であり、人間として最も美しい心である

    (茨の道が延々と続く先に成功がある)
    ・今までにない、まったく新しいことに挑戦する、あるいは今までうまくいっていないことに取り組むのだから、節々で必ず大変な問題が持ち上がる
     それでもくじけず、問題解決に必死になって取り組み、何とか一つひとつ克服していく
     そんな茨の道が延々と続く先にこそ、ようやく成功という果実がある

    (すさまじい闘魂と願望を持つ)
    ・燃えるような闘魂があり、「何としても会社を良くしていきたい」という思いが強い経営者こそ、「人間として何が正しいいのか」という哲学を学ぶことが大切である

    (管理会計システムの運用を開始)
    ・経営者には、経営実態をできる限りリアルタイムに理解して、最も適切な舵取りをすることが求められる
     つまり、売上、経費等、会社の計数を、月次はもちろん、できれば日次で見えるようにして、その数字をベースに経営を行わなければならないのである

    目次
    はじめに
    第1部 「フィロソフィ」をベースにする―稲盛和夫の経営
    1 「フィロソフィ」が発展をもたらす
    2 「人の心」をベースにする経営
    3 原理原則を貫く経営
    4 お客様のニーズに応える経営
    5 未来へ挑戦する創造的経営
    6 アメーバ経営と時間当り採算制度

    第2部 「フィロソフィ」の根底にあるもの1―稲盛和夫の思想
    1 人生の方程式
    2 心に思った通りの現象が現れる
    3 思いやる心
    4 「情けは人のためならず」
    第3部 「フィロソフィ」の根底にあるもの2―稲盛和夫の思想
    1 動機善なりや、私心なかりしか
    2 世のため人のために尽くす
    3 心を高める、経営を伸ばす
    4 フィロソフィで会社は甦る―日本航空再建に携わって

    ISBN:9784569802893
    出版社:PHP研究所
    判型:新書
    ページ数:224ページ
    定価:840円(本体)
    2012年11月01日第1版第1刷発行

  • 筆者の考え方を学ぶことができる本です。
    「正しく」生きるという一見簡単そうで難しい生き方が重要であるということがわかりました。

  • 著者のゼロから挑戦してきた軌跡がわかり、また、何が正しいことかを自問しながら実行してきた、熱意が伝わる書。

  • 人生の方程式(定石)を学びたい方は是非。

  • 「人生を面白おかしく、楽に生きていきたい」というような人は、経営者になってはいけない

  • いつもの稲盛和夫、しかしいつも奮い立たされる納得の内容。他の著書も読みたくなる。

  • 稲盛さんの本は「生き方―人間として一番大切なこと」に続いて2冊目。仕事でもやもやしているときに読んで勇気をもらえた。

  • 能力✖️熱意✖️考え方
    僕もこの仕事の方程式を信じてます。
    能力が低くても熱意努力があれば逆転可能やと。
    考え方が正しければ社会に役立てると。

    僕も実際のところ生保ビジネスしたら日本中でもそれなりに結果出せるスキルは持っていると思います(笑)
    でもそれは最後の手段やし本当に食べていけなくなるまではやらないと思います。
    これが福祉に生きてきた僕の考え方なんやと思います。

    善行を行い結果も本当に良い方向に導いていくには辛酸を舐めるくらいの努力と絶えざる創意工夫が必要と著者はおっしゃってます。
    良いことをするのは瞬間なのでできても継続的に良い結果を出し続けるのは本当に難しいです。
    少し違いますが魚を与えるのを簡単やけど釣り方を教えるのは難しいという言葉を思い出しました。

  • 京セラの創業者稲森氏の著作。実践からくるフィロソフィが豊富で、自分も考えさせられた。

  • JAL再建について知りたくて読書。

    利他。正しい行い。きれいな心。心を高める、磨く。人として使命感、目的を明確にする。世のため、人のため。負けて勝つ。人の役に立つに大きな意義がある仕事。貢献。

    後半加筆分のJAL再建に関する話が魅力的。著者の手が離れたJALが信頼を回復しいけるのか注目したい。

    破綻当時、なぜ民間企業であるJALを公的に支援するのか、このまま倒産させろという意見があった記憶がある。そうすると実質、ANA1社となり、競争が減り、結果的に利用者の不利益になり国益を損ねたことは容易に予想できる。

    読書時間:約55分

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

稲盛和夫の作品

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