すべての組織は変えられる 好調な企業はなぜ「ヒト」に投資するのか (PHPビジネス新書)
- PHP研究所 (2015年8月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569826158
作品紹介・あらすじ
成長企業が競って「ヒト」に注力しはじめた。気鋭の組織人事コンサルタントが語る新しい組織論とリーダーの仕事。
感想・レビュー・書評
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・人間は限定合理的な生き物である
・相互不信をまず解く必要がある
・陰口や悪口がなくなるだけで組織は激変する
組織学の権威、リンモチ麻野さんの名著。人の行動を変えるのであれば、勘定よりも感情を優先すべきときがある。とくに相互不信の状態は過去の慣性に引っ張られているだけなことがほとんどなので、まず語り合わせて解凍させるべき。
そして感謝と謝罪、相談と報告ができるようになれば、人の行動は変わっていく。苦手なやつほど飲みに誘えとはよく言ったものです。
課題だけではなく期待を伝えること、意義や未来の伝え方など、リーダーにとっての金言もたくさんありまうす。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リーダーシップ論の基本書。読みやすい。
•リーダーシップはスキルであり性格や才能ではない
•リーダーはメンバーがそれぞれ求めている意味報酬を見極めそれに対応していくことが必要。
•まずは相手の理解を示す共感を表す。感謝と謝罪。
•トップやリーダーと現場との対立関係と言う組織の問題を解決するには「誰が悪いか?」と言う犯人探しから離れ、立場や役割の違いに目を向けることがポイント。
•もう一つの原因は「自分がこう思っているのだから、相手もそう思っているだろう」という思い込み
•陰口や悪口がなくなるだけで組織は激変する
•日頃、気まずいな、と思っているメンバーとこそ飲みに行く。
•会議のポイントは 問題をあげたメンバーが賞賛されること。会議の冒頭で前回の議事録を確認。 締めくくるときに、担当者「誰がやるか」と期限「いつまでにやるか」を決める。
•1つは「詰める」より「褒める」こと。もう一つは、「課題」ではなく「期待」を伝えること。 -
どれもこれも、組織のあるあるをこれでもかというくらい突きまくってくる内容。リーダーシップをとらねばならぬ立場にいる人であれば、耳が痛い事ばかり書かれている。社会人9年目の私の目線では共感する部分大、新たに気づいたことも幾つかあり、充実した学びを得られた。
また、この本の良い所は、著者の麻野さん自信の失敗経験やその時感じたことが極めてリアルであり、それを後から冷静に、客観的に振り返って何がダメだったかという学びを教えてくれる点にある。
とは言え、課題についての解決策はサラッとしたもので「詳しくは是非弊社のコンサルティングを…」という流れになりそうなのはお約束である。笑
個人的にも学生の頃インターンシップでお世話になった方の著書であり、面白く読ませて頂いた。
◆読書メモ
・競争力がソフト化、何をやるかではなく誰がやるかにシフトしている
・役割チェンジで理解をさせる。例えばキックオフで擬似リーダーとして方針を語ってもらう
・みんなが新しくて大きなことに取り組むのが好きなわけじゃない。「こいつらほんま、やる気ないな」と思ったら要注意
・課題ではなく期待を与える。
・自分が受けてきたマネジメントを捨てる、シチュエーションを考える、経験則を絶対視しない
・リーダーが抱える4つの葛藤軸
組織⇔業績
長期⇔短期
支配⇔受容
論理⇔感覚 -
モチベーションタイプは参考になった。
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すべての組織は変えられる
・四角い氷を丸くする。いきなりアイスピックで壊そうとしてもだめ。
・3ステップが必要。まずは氷をとかす、次に丸い容器にいれる。最後に凍らせる。
・チームもこれと一緒。いきなりアイスピックで砕きにいこうとしてもうまく行かない。まずは溶かすことが必要。
・5+1=6にはならない。
・+1人がものすごくマイナスな事ばかり言えば他のメンバーのモチベーションも下がり、全体が下がる。
・逆に+1が他のメンバーに刺激を与えて6以上になることもある。
・麻野さんのチームのルールは陰口や悪口を言わないこと。
・問題は「より良いものを目指したい」という気持ちがあるから生まれる。現状維持しようというところには問題は生まれない。
・だからこそ問題は歓迎する。問題をmtgの議題にあげた人を称賛し、みんなで知恵を出し合って解決する空気を作る。
・マズローの自己実現欲求
・自己実現=目標の魅力(will)×達成可能性(can)×危機感(must)
・決断には51%のメリットと49%のデメリットがある。
どちらかによっているものは迷うまでもなく選べる。
・ファーストチェス理論
・チェスで5秒で打った手と30分かけて打った手は86%が一緒
・だから早く決断して実行に時間を使うべき。 -
組織におけるよくある課題に対し、平易な言葉で具体的な対策を示しており分かりやすい。また、さっと読める長さとなっている。