会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569837260

作品紹介・あらすじ

日本で一番働き方について考えている社長に聞いた、「一生ワクワクして働く方法」。サイボウズでのユニークな働き方も紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 「どうして楽しく働けないのだろう」
    私も長らくそう思いながら、仕事をしていました。

    楽しく仕事をしようと色々考えてはみるものの、結局「仕事を楽しめない自分が悪いんだな」と、おかしな方向に考えがいってしまうのです。
    うつになったことで、さらに「自分が何もかも悪いからだ!」という考えが離れなくなり、結局、仕事を辞めてからも楽しく働けなかった謎は解けませんでした。

    ところがこの本を読んだことで、楽しく働けなかった謎が解けたのです。

    本書では会社を「カイシャ」と表現し、今までの会社への固定概念を一から考え直してききます。
    日頃、目の前のことに精一杯な人には、カイシャの正体の話は特に堪えるのではないでしょうか。
    …と書きつつ、私もカイシャの正体が堪えたそのひとりなので、安心?してくださいね。

    なぜ仕事が楽しくなかったのか?
    本書を読むことで、そもそも仕事が楽しい状態とはどういうことなのか、その考えからして違っていたことを知りました。
    自分のやりたいことや夢なんてよく考えないまま、ただ稼がないと暮らせないから就職したのでした。

    カイシャの代表(取締役)のビジョンと、自分のビジョンが合っているのか?
    いや、そもそも「自分のビジョン、つまりやりたいこと」すら、全然見えていなかったのですから、そりゃ楽しく働けないわけです。
    本書にズバリ指摘され、気持ちがズンとしました。

    さらには本書は、教育の問題にも一歩踏み込んでいます。
    学校ではいまだに画一的な教育をしていて、自分の個性を生かすどころか、抑えて同じように振る舞うことを求められます。
    それにもかかわらず、学校を卒業して楽しく働くためには、自分の個性をみつめてやりたいことや好きなことをしっかり持っていることが大事になってくるのですから、おかしな話です。

    しかし、学校の中身を変えていくには、途方もない時間がかかります。
    いま、子どもをもつ親としてできることは、子どもが「やりたい」「これが好き」ということを大事にしていいんだよ、と認めることです。

    就職活動の前の必読書として、また「会社は我慢して働くところだ」という方には特に特に特に読んで欲しい本です。

  • p45
    ジョブ型雇用:合意のない転勤は起きない
    米国では定年制度は年齢差別に当たるため憲法違反

    p92
    カイシャの代表の思いと自分の思いが重なっていると仕事が楽しくなる(モチベーションが安定して高い)
    p46
    どんな人が代表なのか、よく見ておく

    p118
    自分の意見を変化させ、最初は思いもよらなかった落としどころがみつかるような瞬間こそ、交渉の面白さ

    p116
    相手はどんなコンセプトを望んでいるのか、自分はどんあコンセプトを望んでいるのか、その両方を満たすための手段を考える。これが交渉の基本
    →仕事で感じる違和感をそのままにしていた、と反省。
    交渉していかないと。☆

    p102
    モチベーションの高い状態とは「やりたい」「やるべき」「できる」の3つの条件が重なっている
    ・そのために交渉する
    ・どういう形でやれば喜んでもらえるか


    p126
    ミートアップ
    自分に近い興味や問題意識を持つ人たちが集まり情報交換する場

    p166、p170「すごくない雇用」をしているカイシャでは
    一部の人しか楽しく働けない
    ・どこでも欲しがるような優秀な人を採用するのが「すごくない雇用」
    ・「すごい雇用」とは「他の会社では採用されない人」「制限が多い人」「採用するのに勇気がいる人」を採用すること
    ・「すごくない雇用」をしている会社は「実態雇用力」がない
    ・長い人生を考えるとリスクが高い職場


    p186
    外から人が集まる「ハブ・オフィス」づくり
    →こんなオフィスがある会社で働きたい

    p94
    一人ひとりにとって、「得ることがうれしい」ものをすべて報酬であると定義するならば、他にもたくさんの種類の報酬がある
    この報酬こそが自分が楽しく働く源泉になる

  • 2019年6〜7月にかけて、とにかく会社に行きたくなかった。
    毎日休みたいなぁと思っていたし、休みの日が終わるのがとにかく悲しかった。
    もともと仕事が嫌いなわけでもないし、いま働いている会社も好きなほうなのだけれども。

    「もう会社で働くのがなんだかいやかも」そう思ったときに手に取ったがのがサイボウズの青野さんの著書『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない』だった。本の存在は知っていたけど、知った当初は手が伸びず、いまが読むときなんだろうと思った。

    そこで書かれていたことのなかでも自分の心に響いたのが、「モチベーションが高い状態とは、やるべき、やれる、やりたいの3つの円の重なりがいいとき」「質問責任」という考え方だった。

    まず、モチベーションが高い状態を考え、そのときの私は「やるべき」ことが多くなりすぎて、「やれる」「やりたい」が小さくしぼんでいるのが原因の一つだとわかった。理想はあるのに、目の前のことにいっぱいいっぱいで、ほかのことができない。

    そして、その状態を紙に書き出して、マネージャーに自分がいまどういう部分に違和感を覚えているかを質問し、複数回にわたってきちんと答えてもらうことで、自分のなかで抱えていたざらりとした違和感がふっしょくされていった。

    自分の状態を把握し、そしてそれを不満として周囲にぶつけるのではなく、直属の上司と話し合うこと。これは、職場の心理的安全性が保たれていないと難しいことかもしれないけれど、自分が働きやすい環境を与えられるのではなく、自分からも動いて作り出していくことを考えることが、組織で機嫌よく働いていく大切な要素なのかも。

  • お気に入りのフレーズ
    ・自分がカイシャで得たい報酬は何なのか。お金以外の報酬に目を向けることができれば、楽しく働けるカイシャを選びやすくなるでしょう。

  • もっと自由に、楽しく働いていいんだと希望を与えてくれる本。

  • 別姓訴訟で青野さんってなんかすごい人、と思い購入しました。
    多様な働き方を理念だけではなく実践しているサイボウズという会社は本当に魅力的。

    「払われた税金が本当に国民のためになっているのかわからない。国に任せるよりも私たちのほうがうまく社会を動かす自信がある。だから法人税を払うよりも自分たちの理念を実現するために責任をもって使う。」
    この考え方が新鮮でした。働き方改革なんて確かにサイボウズのような多様な働き方を実践する会社が広まれば一番早い。別姓訴訟は会社のお金を使っているわけではないけれど、これも社会を動かすための方法。

    「「掛け算」の効果。「クラウド」と「農業」どちらも100人に一人のスキルだったとしても二つを組み合わせると1万人に1人の貴重なスキルになる。」
    これは私にとってもエンパワメントされる考え方。一つのところにずっといるわけではないけれどだからこそ、経験の掛け合わせで活かせる力があるのだ、と思える。

  • 会社というものが何なのかということを考えて行動する必要がある。

  • フラスコ理論。ビジョンの大切さ。

  • 噛みしめ中のフレーズ

    ●あなたの会社は、社会の幸福の総量を増やしているか?

    ●特技や経歴、関心事などの掛け算の組み合わせで、ユニークなバリューが生まれる=個性

    ●モチベーション維持して働くには、やるべき・やりたい・やれる の中から、自分で選び、その選択に覚悟を持つ
    ●儲けた分を、自社の働き方バージョンアップに回している
    (黒字、利益主義とは違う)

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著者プロフィール

サイボウズ株式会社代表取締役社長。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。総務省等における働き方変革プロジェクト外部アドバイザー、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会副会長を歴任。選択的夫婦別姓の実現を目指して、2018年1月、国を提訴(ニュー夫婦別姓訴訟・原告)。
著書に、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社、2015年)、『「選択的」夫婦別姓──IT経営者が裁判を起こし、考えたこと』(ポプラ社、2021年)など。

「2022年 『選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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