心を磨く 中村天風講演録

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569841724

作品紹介・あらすじ

中村天風没後50年。膨大な情報に囚われ、誹謗中傷に悩み、日々忙殺する現代人に送る天風会秘蔵の講和(研修科)をこの一冊に。

感想・レビュー・書評

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  • 「我とは何ぞや」
    肉体・心・霊魂の繋がりがなかなか理解できませんでした。
    そんな時に呪術廻戦を見て理解が進みました。
    人は魂ありきなんですよね。
    魂があって肉体があって心がある。
    そう考えると一つにつながりました。
    日本で「霊魂」と呼ぶ気体が命の中枢を成すとあります。

    「霊魂」が人間の生命の本体
    心≠自己=真我=霊魂
    「霊魂」についている意志が「心」を完全に操縦し完全に支配する力を持つとあります。
    「心」の使い方が上手くなると間違った考えを持たなくなる。

    「認識力の養成」
    カメラのレンズの曇りをとる感覚で「心」の性能がシャープになるとあります。

    「人類は五官という特殊の関門を通じて人間の外界の一切の事柄を自分の心に受け入れている」
    「五官感覚という機関作用を完全にすることを心がけることが人生に生きる準備としては最も必要」
    「自分の心の中に入れたものが全ての材料になっている」

    五官を研ぎ澄ますことで勘が働くと言うのはよくわかります。
    出来ることをやり切ると最後に降ってくるというかふっとわかることがあるんですよね。
    これは剣の達人の域までいけなくても感じることができます。
    心の使い方をマスターすることなんですよね。
    常にこの領域まで持っていきたいです。

  • ■■評価■■
    ★★★★☆

    ■■概要■■
    ○各界の著名人が人生の書として上げる際に頻出する著者である、中村天風氏の講演録(昭和36年頃)を文字に起こした本であり、口語体で描かれている。
    ○スラスラ読むことができる。
    ○身体と心の上位に魂、霊魂というべき概念があって、心も身体もその道具に過ぎず、魂を磨いていく目的のために生きなければならないということが一貫している。実体験や寓話も交えわかりやすく説いてくれている。
    ○CDなどで声を聞いてみたい気もしたが、なかなかに高価であり音声も古く雑音も多いようなので、本で触れるのは、なかなか良い手段かなと思う。
    ○中村天風氏自身、スパイ、肺の死に至るような大病を克服したこと、インドでの修行、医者としての知識など、とても波乱万丈で魅力に溢れた人のように思えてならない。そこから出てくる言葉はすべて体験に基づいているから説得力があるのだと思う。切り取ってしまうと単なる教祖様のようにみえてしまうが、回り道をした経緯があるからこそ、説得力が高まっているというのもあると感じた。
    ○人生失敗なく最短距離で行くことがすべてではなく、必死にもがいた分だけ道が広がって、振り返ると広くて他の人が通れる道ができているという、古来からの教えの典型のように感じた。
    ●「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」 
    ○非常に深い。私の解釈では、“心” と言っても下記の意味が乱れ混じっているから味わい深いと考えている。
    1つ目の“心” ・・・ 動物真(本能心)
    2つ目の“心” ・・・ 心中全体の様子。気持ち。
    3つ目の“心” ・・・ 数ある“心”の種類のなかでも、この心と断定する意味。
    4つ目の“心” ・・・ 動物真(本能心)
    5つ目の“心” ・・・ 心中全体。気持ち。
    6つ目の“心” ・・・ “心許す”という慣用句的な使い方。言い換えると 油断して任せきるといったような意味合い。

  • 4年振りの再読。

    本書は、講演CD集「心を磨く」を編集し、活字化したものである。その内容は非常に価値の高いものであるが、天風先生の最初の一冊として読むと、その価値があまりわからない可能性がある。

    天風哲学については、関連書籍も含め多数の書籍が出ているが、難しい内容を含むので、読む順番が重要である。まず、心身統一法の具体的な方法を学び、次に本書の様な理論的な内容を学んだ方がわかりやすいだろう。

    PHP研究所から出版されている本なら、『幸福なる人生 中村天風「心身統一法」講演録』を読んだ後に本書を読むのがお勧めである。

  • <まとめ>
    ★実際の経験から納得した事は間違いない
    ・我とは霊魂と言う気体である
    ・肉体や心の辛さは諦めるしかないのか
    ・客観的考え方をするだけで人生は楽になってくる
    ★あなたの生命を支配するのは心ではない
    ★いかなる場合にも心を立派に使って生きよう
    ★「完全な人」になるためにどうすれば良いか
    →今日から心を入れ替えて、肉体を自分と思わないようにしていきなさい。それで、わがこと終われりというような顔をして、得得として下がっていくのが学者です。
    ・些細なつまらない事でも、己を打ち込んで行う
    ・「忙しい」と口に出すのは恥ずべきことである
    ★何かわかったら、即、実行しなくてはだめ
    ★食うために生きているんじゃない、生きるために食べるんだ
    ★天風の教えは偉くないものが偉くなるための方法
    ・「私はダメだ」とか、自分で自分を侮辱するな
    ・実行、実行、生きている以上は実行
    ★人生、いらぬところに心を向ける必要はない

    <感想とやること>
    ★クンバハカを実践する
    → ①けつの穴に力を入れる(締める)
    → ②肩の力を抜く
    → ③丹田に力を入れる
    ※同時に行う
    ・本の中は、天風師匠がしゃべった事で書かれているので、少々読みづらくもあるが、天風師匠の言葉遣いがそのまま読み取れるので、逆に親近感もあり、楽しめて読めた。

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著者プロフィール

明治9年(1876年)生まれ。日露戦争の時に軍事スパイとして従事。終戦後結核を発病し心身ともに弱くなったことから人生を深く考えるようになり、人生の真理を求めて欧米を遍歴。 一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路ヨーガの聖者と出会いヒマラヤの麓で指導を受け、「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在だ」という真理を悟ることで、病を克服し運命を切り拓く。帰国後は実業界で活躍するが、大正8年(1919年)、病や煩悩や貧困などに悩まされている人々を救おうと、自らの体験から“人間のいのち”の本来の在り方を研究、「心身統一法」を創見し講演活動を開始。その波乱の半生から得た「人生成功の哲学」は、触れる者をたちまち魅了し、皇族、政財界の重鎮をはじめ各界の頂点を極めた幾多の人々が「生涯の師」として心服した。昭和43年(1968年)没後も、天風門人となる者が後を絶たない。

「2022年 『真理のひびき 天風哲人 新箴言註釈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村天風の作品

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