- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569853413
作品紹介・あらすじ
NATO=集団的自衛権の必要性を証明したウクライナ戦争。集団的自衛権の歴史を紐解き、国際秩序の維持こそが日本を守る事を示す。
感想・レビュー・書評
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読みやすい文章で、現行憲法において、集団的自衛権がなぜ合憲なのか(そして、なぜ憲法学者が嘘をつくのか)について、集団的自衛権の歴史及び日本国憲法制定の経緯から、その源流について述べている。
日本国憲法のそこにも集団的自衛権の製薬はおろか、自衛権に関する規定もない
自衛権は国際法上の概念
「戦争」であるが合法である、と言う行為は、現代国際法には存在しない
「交戦権」は、国際法に存在している概念ではない
この英米系立憲主義を自然な思想傾向としてもつアメリカ人が起草した日本国憲法典を、ドイツ国法学とフランス革命の絶対主権論の信奉者である2本の憲法学者は、良く理解しなかった
国際連盟規約から国際連合憲章に至る歴史的経緯を見れば、集団安全保障と集団的自衛権が、相互補強を期待されて導入されたことは一目瞭然世ある
違法行為によって生み出された結果を承認してはいけない
国際秩序は、戦争を違法行為とみなす。だからこそ対抗措置である「自衛権」が正当化され、必要視される。
NATOは人類の歴史で稀に見る平和で安全な地域を作り出し、今なおそれを維持し続けている組織である
もともと憲法9条は自衛権を否定していないので、芦田修正はかんけいない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
篠田先生の、憲法論を読んだことなければこれからでもいいかも。
主張自体はこれまでのまとめみたいかな、と思ったが、そもそも集団的自衛権という発想が、新興国アメリカのモンロー主義からであり、ヨーロッパにはなかったというのが驚きであった。
いわゆる孤立主義ではなく、旧世界の汚れたヨーロッパ主義でうちに絡んでくんなというのがモンロー主義。
ヨーロッパでは大国のバランスオブパワーがルールであり、小国の主権は尊重されず、つか、喧嘩して負けるならそれは自分を押し出す主権がないのだから国ではないという発想。
倉山先生の本ではウィルソン大統領は、稀代の悪魔ということになっているが、なるほど、こういう観点もあるのか、つか、こっちが一般なのか。
何より、日本の憲法学と憲法学者の異常がこれでもかと前面に押し出される。
これは、この通り。法学部で漫画を描いていた頃から、何言ってんだこいつらと思ってはいたから。
読みやすい。 -
東2法経図・6F開架:319.8A/Sh66s//K
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