メルロ゠ポンティの言語論のエッセンス 身体性の哲学、オートポイエーシス、対話原理
- 福村出版 (2022年4月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784571101960
作品紹介・あらすじ
わたしたちが発話するとはどういうことか? メルロ゠ポンティの深い思索をたどりながら、生命論の視座から人間の言語の営みにアプローチする、〈ことば学〉の新たなる展開。
感想・レビュー・書評
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第1章 メルロ゠ポンティにおける現象学と機能しつつある志向性
イントロダクション
1 メルロ゠ポンティと現象学
1-1 現象学の暫定的定義
1-2 メルロ゠ポンティの決意
2 現象学の基本的スタンス――生きられている世界への還帰
2-1 現象学的還元
2-2 反省的分析と現象学
2-3 生きられている世界
3 世界内存在と知覚の現象学
3-1 知覚への注目
3-2 世界内存在
4 機能しつつある志向性
4-1 志向性
4-2 作動的志向性あるいは機能しつつある志向性
5 実存の実践の従事
5-1 機能しつつある志向性と志向性分析の方法
5-2 実存の実践
第2章 前期メルロ゠ポンティの言語論――身体性の言語論
イントロダクション
1 世界内存在にとっての言葉
1-1 言葉の中の思考――現象的身体
1-2 ノエシス-ノエマ相関としての言葉と実存からの敷衍
1-3 言葉の内に住み込む実存的意味
1-4 実存の運動と転調――バフチンの対話原理との呼応
1-5 制度化された言語的所作――構成された言語
2 言語的所作
2-1 所作と言語的所作
2-2 「わたし」の意図と「他者」の所作及び「わたし」の所作と「他者」の意図の相互性
2-3 自然的標識と人工的標識
2-4 情動と所作の文化特殊性と身体性の言語論
3 実存のゲシュタルトとしての言語的所作
3-1 言語的所作と経験の構造化
3-2 主体と客体の二分法の乗り越え
【例解】世界内存在による世界経験と言語的所作
第3章 呼応するメルロ゠ポンティとソシュール
イントロダクション
1 『講義』におけるソシュール――3つの対概念と記号の恣意性
1-1 ラングとパロール
1-2 シニフィアンとシニフィエ
1-3 共時言語学と通時言語学
1-4 言語記号の恣意性
2 価値形相論
2-1 価値形相論
2-2 ソシュールによる言語をめぐる価値形相論
3 構成された構造と構成する構造
3-1 構成された構造と構成する構造との力動的一元論
3-2 ラングとパロールの2つの次元と記号学
4 メルロ゠ポンティにおける語る言葉と語られた言葉
4-1 語る言葉と語られた言葉
4-2 ラングとパロールの弁証法的発展と真正な言葉
第4章 ラングのランガージュへの還元と身体的志向性――中期メルロ゠ポンティの言語論
イントロダクション
1 ソシュールを超える
1-1 言葉゠パロールの意味
1-2 弁別的意味あるいは示差的意味
1-3 示差的意味とランガージュのヒューリスティックスと機能しつつある志向性
1-4 ラングの内的分化
2 メルロ゠ポンティによる議論の展開
2-1 ラングのランガージュへの還元――ラングの仲介を内包したランガージュというシンボル的機能
2-2 身体的志向性
3 話し方の様式あるいはことばのジャンル
3-1 話し方の様式としてのラング
3-2 バフチンのことばのジャンル
第5章 メルロ゠ポンティとオートポイエーシス論と対話原理
イントロダクション
1 メルロ゠ポンティの人間観
1-1 オートポイエーシス論
1-2 言語という領域
1-3 世界内存在゠オートポイエーシス組織という人間観
2 メルロ゠ポンティの言語観
2-1 身体図式と身体論
2-2 モンタージュ
2-3 意識の生を統一する志向弓
3 メルロ゠ポンティとバフチン
3-1 バフチンのイントネーション論
3-2 イントネーションとゲシュタルト
4 わたしたちが発話をするとき
4-1 発話の2つの先行因
4-2 第1の要因:「わたし」に宛てて送られる存在と出来事としての「わたし」
4-3 第2の要因:「つねにすでにそこにある」言語システム
4-4 メルロ゠ポンティにおけるランガージュ
附録 対話の原型と対話原理の原点――「生活のなかの言葉と詩のなかの言葉」におけるイントネーション
要旨
1 はじめに
2 生活の中の言葉の特性
2-1 生活の中の言葉への注目
2-2 「生活の中の言葉」論の端緒
3 イントネーション論
3-1 コロスの支えとイントネーション
3-2 イントネーションの二方向の定位
3-3 イントネーション的隠喩
3-4 発話の社会的交通論
4 芸術(文学)の社会的交通論
4-1 文学の中の言葉
4-2 芸術(文学)の社会的交通論
5 考察
5-1 対話の原型と対話原理の原点
5-2 人として生きることとイントネーション
5-3 イントネーションの本性
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