心の病の「流行」と精神科治療薬の真実

  • 福村出版
4.33
  • (6)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784571500091

作品紹介・あらすじ

心の病を治療する薬が、実は、病を進行させているとしたら…。アメリカにおける、精神科医、精神医学会、患者団体、製薬会社、政府の利害関係の生々しい現状を伝え、精神疾患の一因は精神科治療薬にあると説く。「既成事実」となっている薬物療法と、その根拠となっている「仮説」の意義と限界を様々な事例を使って提示した、衝撃的警告の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一読して、後味の悪い気分になった。一読といっても500ページ以上の大冊であるのて時間はかかったが。著者はジャーナリストであり、専門家ではないので、文献の選択や解釈には疑問をもつものもあったが、薬物療法の意味について再考させてくれるキッカケとなった。

  • 色々な考え方があるだろうけど、
    このような現実があることを、知っておくべきだと思う。
    精神病の診断を受ける人の数が増え続けていること、
    その人たちに薬が果たした役割、服薬後に快方に向かった人の割合。
    薬を飲み続けている人の割合、知りたい。
    原因が明らかな、一時の困難な状況における心の不調に、薬を服用したせいで、
    精神病が一生続く持病になってしまうとしたら、恐ろしい事だと思う。

  • この本を読んだ感想。
    統合失調症もうつ病も脳内の化学的アンバランス仮説には根拠が乏しい。 (重病患者を除く)統合失調症・うつ病の薬は服用しないで対処した場合の長期的な転帰は良好であること。 不安を鎮めるベンゾジアゼピン系薬物は長期的には有害である。 発達障害においての薬物治療においても長期的に見ればベネフィットより有害性が大きい。 双極性障害に関してもこれが①抗うつ薬や②(発達障害者が服用する)精神刺激薬の副作用に起因する 医原病の可能性が高い。過去に希な疾患である双極Ⅱ型障害が増加する原因はこの医原病の可能性がある。 統合失調症においてオープンダイアローグ、うつ病に関しては運動療法が一定の成果を上げている。 これは薬物治療と併用するのではなく薬物治療を排除した方が効果が高い。 以上のことが分かりました。 最後に気になったのはベンゾジアゼピン系薬物の体験者の話が3つ出てくるのですが良好な兆しが感じられるエピソードがそのうち1つだけだったということです。 ある一人はベンゾジアゼピンと一生付き合うことを決断した人もいます。 でもその選択が最善ではないと本人も気づいていますし症状が安定しているわけではありません。 ベンゾジアゼピンは「服用するたびにじわじわ縄を締めるように抜け出せなくなる」そうした感じがしました。

  • 本書では、精神医学とその薬物療法が病気の蔓延に果たしたと思われる役割に焦点を当てており、証拠は極めて明白である。第一に、精神医学界が診断の境界線を拡大したせいで、かつてない数の小児や成人が精神疾患集団の仲間入りを果たしている。第二に、精神病と診断された人は、症状が慢性化する可能性の高い精神科薬物療法を受けている。向精神薬を処方された多くの人が、結果的にさらに深刻な新たな精神症状の発症や、体調悪化、認知機能の低下を経験している。(311頁)

全6件中 1 - 6件を表示

小野善郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
スティーブン・ピ...
トマ・ピケティ
ヤーコ・セイック...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×