ムゲンのi(上)

著者 :
  • 双葉社
3.51
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本棚登録 : 3843
感想 : 253
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575242089

作品紹介・あらすじ

展開も結末も予測不可能
文句なしのミステリー超大作!!

若き女医は不思議な出会いに導かれ、人智を超える事件に挑む。
眠りから醒めない四人の患者、猟奇的連続殺人、少年Xの正体――
すべては繋がり、世界は一変する。

眠りから醒めない謎の病気〈特発性嗜眠症候群〉通称イレスの患者を抱え、識名愛衣は戸惑っていた。霊能力者ユタである祖母から受け継いだ力を使って、魂の救済〈マブイグミ〉をするしか目醒めさせる方法はない。愛衣は患者の夢幻の世界に飛び込み、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑むことに――。

『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』
2年連続本屋大賞ノミネートの著者最新作!

感想・レビュー・書評

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  • てっきり医療ミステリーだと思ったらプラス、ファンタジーの要素がありました。

    主人公は神経精神研究所附属病院に勤める沖縄出身の医師の識名愛衣28歳。
    特発性嗜眠症候群・通称イレスの患者を3名担当しています。
    三人は同じ日にイレスを発症しています。
    イレス患者はもう一人いて、その患者は愛衣の先輩の杉野華が担当しています。
    愛衣は沖縄で若い頃ユタという霊能力者だった祖母の血をひいています。
    愛衣はうさぎの耳を持った猫のような生物のクルルに教えられて、マブイグミをして、患者のクルルを探します。
    そして愛衣はパイロットの片桐飛鳥、弁護士の佃三郎のクルルを見つけてマブイを救います。
    夢の中で二人の抱えていた問題を解決したのです。
    片桐飛鳥は亡くなった元パイロットの父との問題、佃三郎は弁護した事件の問題を抱えていました。
    そしてもう一人のイレス患者加納環は佃三郎の弁護した男の恋人でした。
    そして、刑事がやってきて杉野華の担当している患者は現在起きている連続殺人事件にかかわっているかもしれず、23年前起きた大量殺人事件の犯人、少年Xだと言います。
    片桐飛鳥の事件、佃三郎の事件はミステリーとしてとても面白かったです。

  • ひきこまれる。

    眠り続ける奇病「イレス」。
    その奇病の謎に立ち向かう若き女医 愛衣。

    ファンタジーだけにとどまらない、現実的なミステリ、医療ミステリを絡めるという、この ある意味メリハリがある展開は飽きずにひきこまれる。
    そしてうさぎと猫好きの自分にはたまらない可愛さを味わえるのもうれしい。

    謎が深まる予感、ワクワクそしてちょっぴり不安を胸にこのまま下巻へ。

  • 知念さんが3年連続の本屋大賞ノミネートなんで、慌てて購入。

    面白い!!!

    というわけで下巻へ!

  • 「ひとつむぎの手」に続いての知念作品。医療系ドラマ好きな私としては、前作同様もっと現実的な話を期待していたが、今回はファンタジー路線が強く、沖縄在住の私はユタやマブイに馴染みはあるが、なかなか幻想的な度合いが強いのが残念でしたが、下巻に期待です。

  • 【感想というか、上巻がなかなか読み進められない方への応援】

    正直なところ、上巻はなかなかその世界観に入っていけず、半分くらい読んだところで読むのを止めようかとおもいました。
    夢幻の世界、ユタ、マブイグミ…などなど、聞き慣れない言葉とその意味が、次々とキーワードとして押し寄せ、特に夢幻世界の理がなかなか頭に入ってきませんでした。
    また、主人公・愛衣の祖母と父は、おなじ家に暮らしているはずなのに、祖母と父が「いっしょに」暮らしている感じがせず…いや、同じ家に住んでいるとなっているのですが、その「空気感」が感じとれないのです。
    そこにも、とても違和感を感じました。

    しかしブクログの感想を読むと、第4章で話がひっくり返される!とあり、第4章が収録されている下巻までは、とにかく斜め読みでもいいから進めてみようとおもいました。

    結果、本当に第4章で、きれいにひっくり返されました。


    上巻単体で読むと、戦線離脱しそうになったので☆☆2つです。
    ただ、上巻で読むのを止めようか迷っている方で上巻を半分以上、読めたのなら進めます。
    ぜひ下巻の第4章まで、たどり着いてみてください。
    そこからはノンストップでラストまで読み進められるはずです。

  • 眠りから覚めないという病、イレス。ユタの血を引く女医は患者の心の中を探る。患者さんは4人。原因は? 4人につながりはあるのか。
    下巻へ

  • 著者初読。ミステリーのようなファンタジーのような壮大な作品。世界観が独特で、色鮮やかな情景が脳裏に浮かぶようだった。
    下巻で色々明らかになりそうなので、読み進めるのが楽しみ。
    耳で腕組みしたり戦ったりするうさぎ猫、想像するだけでかわいい笑

  • <イレス>という昏睡状態が続く謎の病に、かかった4人。その奇病の治療にあたる若い女医師、識名愛衣が、みずからのトラウマと闘いながらユタ(霊能力者)として夢幻の世界で魂を身体に戻す<マブイグミ>を行う。
    【黒猫の小夜曲】にコンセプトが似てるなーと思いながら読み進めたが、もっと話は壮大。世界観、夢幻の世界の色彩鮮やかな描写、事件の絡み合い、医師としての診断、、、さまざまな要素が複雑に絡み合うが、とてもわかりやすく読みやすい。
    下巻でどう解決されていくのか楽しみ。
    いざ、下巻へ。

  • やっと読み始めた読みたかった一冊。

    知念作品の醍醐味は何と言っても驚愕の医療ミステリーだと思いますが、本作ではファンタジーの要素がかなり色濃く描かれた作品となっています。

    「鏡の狐城」を読み終えるまではファンタジー作品は苦手(正直、今でもあまり好きではない)な為、マブイや兎猫のククルが出てきた時には...大丈夫かなぁなんて思ってしまいました。

    本作の主人公は女医の識名愛衣。

    彼女が受け持つ事となったのは世界でも例の少ない特発性嗜眠症候群(通称イレイス)と呼ばれる昏睡状態が続く患者たち。

    イレイスから目覚めさせる為、アイは祖母からユタの力を引き出され、患者たちの意識の中に入り込み、ククルと共に原因を探り解放(目覚め)させる。

    一見して4人の患者には接点はないと思われていたが、アイが行う「マブイグミ(魂の救済)」により上巻では2人の患者が目覚めることに。

    マブイグミを行っている際には患者毎に「なぜ?」が隠されており、その謎を解明していくことで「マブイ(魂みたいなもの)」を取り戻させる。

    先日読み終えた「太陽の子」で沖縄が描かれており、本作で登場するユタ(沖縄地方の霊媒師?)に対しても嫌悪感を持つことなく入り込めた要素となったと思います。

    患者が目覚めることで、イレイスの謎が猟奇的連続殺人と接点を持ち始め、上巻ラストで警察が語った少年Xとも接点を持ち始める。

    さてさて、下巻でどんな展開が待ち受けているのやら。

    休日なので、きっとこのまま下巻までの一気読みですね。



    説明
    内容紹介
    展開も結末も予測不可能な超大作ミステリー!!

    若き女医は不思議な出会いに導かれ、人智を超える奇病と事件に挑む。
    眠りから醒めない四人の患者、猟奇的連続殺人、少年Xの正体――
    すべては繋がり、世界は一変する。

    眠りから醒めない謎の病気〈特発性嗜眠症候群〉通称イレスという難病の患者を3人も同時に抱え、識名愛衣は戸惑っていた。
    霊能力者である祖母の助言により、患者を目醒めさせるには、魂の救済〈マブイグミ〉をするしか方法はないと知る。
    愛衣は祖母から受け継いだ力を使って患者の夢の世界に飛び込み、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑む――。

    『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』
    2年連続本屋大賞ノミネートの著者、最新作!
    内容(「BOOK」データベースより)
    若き女医は不思議な出会いに導かれ、人智を超える奇病と事件に挑む―。夢幻の世界とそこに秘められた謎とは!?予測不可能な超大作ミステリー。
    著者について
    1978年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業、内科医。
    2011年、福山ミステリー文学新人賞受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』(『レゾンデートル』と改題し文庫化)でデビュー。
    主に医療ミステリーを手がけ、『天久鷹央の推理カルテシリーズ』が評判を呼ぶ。15年、『仮面病棟』は50万部超のベストセラーになり、
    18年には『崩れる脳を抱きしめて』で、19年には『ひとつむぎの手』で連続して本屋大賞ベストテン入りを果たす。
    近著に『神のダイスを見上げて』『レフトハンド・ブラザーフッド』がある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    知念/実希人
    1978年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、内科医に。2011年、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』(『レゾンデートル』に改題して19年に文庫化)でデビュー。18年に『崩れる脳を抱きしめて』、19年に『ひとつむぎの手』が続けて本屋大賞ベスト10入りを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 主人公の識名愛衣は、神経精神研究所附属病院の医師である。現在、突発性嗜眠症候群イレスの患者の治療にあたっている。
    愛衣の祖母は沖縄で優秀なユタであった。ユタとは、霊能力者に近く、不思議な力で悪霊を払ったり、病気を治したりする。
    現在、イレスについては発症の原因も治療法も分かっていない。医者である愛衣は、非科学的なものは信じ難いと思いながらも、患者を治したい一心で、祖母から引き継いだユタの能力を使って治療を試みる。


    世の中には、普通の人よりも秀でた能力を持つ人達がたくさんいる。
    それが、スポーツだったり、頭脳だったりすると、皆から称賛される。例えば、十桁の暗算をする人がいるとすると、自分には出来ない技であるが、答えが合っていることを確かめられれば、私達はその人の能力を信じ尊敬の念を覚える。

    ところが、その能力が精神世界に関するものである場合、私達は真偽のほどを判断できないので、ついつい疑いの眼差しを向けてしまう。
    私も、透視はできないし、死者と話したり、幽霊が見えたりする力もない。だから、どうしても超能力のような話は胡散臭く感じてしまう。

    それでも、どこか頭の片隅で、実は!本当は!超能力は存在するのかも?と信じていたりもする。
    ユタの力が本物なら、この本に描かれているような夢幻の世界が存在するかもしれない。
    主人公になりきり、霊能力を使って不思議な世界に入り込む。事件を解決するかのように、患者を治していく。ちょっぴりヒーローのような気分を楽しめる。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。

「2022年 『祈りのカルテ 再会のセラピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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