- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575243482
作品紹介・あらすじ
1930年代のヨーロッパ。ある地方で起きた飢饉の発生により、富農の少女モモは故郷を出て都市に向かう。しかし経済の疲弊は激しく、住民は「相互監視」を強め、政府の政策に翻弄される。荒廃した国で、モモはいかに生きていったのか。第37回小説推理新人賞、第5回アガサ・クリスティ―賞の新人賞ダブル受賞の俊英が描く、人間の陰と光。
感想・レビュー・書評
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自分が食べ物に困らず生きていることが、いかに奇跡的なことか感じました。
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国のお偉いさん方の方針で、日々の暮らしが奪われるなんて、非情すぎる
そして、こんなことがこの地球上で、残念ながらおこっている -
めちゃくちゃ現実味がありますね。
いや、現実なのでしょう…。今もどこかでこの現実は起きてるんだと思います。
モモが幸せになれますように。 -
ソ連がモデルであろうディストピア小説。監視社会ってホント恐怖。
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逃亡ものが好きなのでかなり甘い評価。
ラスト辺りはちょっとごちゃごちゃしていた気がする。 -
学校ではコルホーズとか単語としてしか習わなかった。
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救いのないお話だが、物語ではなく彼の国では、もっと悲惨な現実があちこちに。「このおかしな世界で、できるのは心を鈍くすることだけ」
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飢餓。貧困。捕虜。監視。密告。監獄。逃亡。
ひたすら暗くて重い。
けれど、少女モモの生きたいという強い力に
ぐいぐいと引き込まれる。
描写も丁寧で人の心の動きや季節の流れ
土や汗や血の匂いまでちゃんと伝わってくる。
絶望的な悲惨さも…
読後の爽快感とかあふれる感動とか
そういうものはないけれど
例えば「本屋大賞」とかで
(すでに話題の本ばかりじゃなく)
紹介されるべき1冊なんじゃないかな?
装画もいい。 -
壮絶ながら清々しいラスト
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読み進むのが、つらい重かった。
極限に置かれると、人間はその本質が出てしまう。
生きていくことができるのは、知識と考える力があること、どのような状況下でも、希望があれば生きられる。何だか、フランクルに通じるな。