- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575246841
感想・レビュー・書評
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出てくる料理がとにかく美味しそうでした。
最後の参考文献を見ると小林カツ代さんや飯田深雪さん、江上トミさん栗原はるみさんなどの本を挙げられていました。
連作短編集で料理研究家の大河弘子(現在99歳)が料理にまつわる事件を各年代ごとに推理します。
2020年20歳の曾孫の翔吾のガールフレンドの理央と弘子の関係が最後に明らかになります。
ストーリーも心温まるお話でした。
「2020年のポテトサラダ」
料理が下手だったために二カ月付き合った隆史にふられた大学二年生の理央は大河弘子99歳の開いた料理教室に入門し弘子の曾孫で料理のセンス抜群の翔吾と仲良くなります。ある日理央の家のキッチンから甘いものがすべて消えてしまうというおかしな事が起こり、オンライン通話で話した弘子がその謎を解き明かします。弘子は理央の祖母の知り合いのようでもあるのですが…。
「2004年の料理教室」
料理教室の講師大河健吾は大河弘子の孫であり、翔吾の父です。当時翔吾5歳。弘子84歳。
中川愛歌5歳と母親の清美が料理教室で料理を習いに来た日、愛歌の誕生日でした。美味しい物の大好きな愛歌は誕生日なのでお昼に「レストラン・トゥルーム」のステーキ丼、デザートに「えがお家」のチョコレートケーキを食べていました。しかしその夜、愛歌は牛乳アレルギーの発作に苦しみました。弘子はアレルギーの原因を推理します。
「1985年のフランス家庭料理」
「1965年の朝の食卓」
「1947年のじゃがいもサラダ」
昭和22年大河弘子27歳。3歳年上の商社に勤める夫と結婚していますが、夫は戦争へ行ってしまいました。弘子は一人で小麦を売りパンを作ってもらいサンドイッチを売り始めます。そして阿久津美代子と完治夫妻の家で女中をしていた働いていた幼なじみの花央が行方不明になった原因を推理します。そして2020年、理央との因縁がわかります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふわっとした着地が良い一冊。
なんて素敵な読後感なんだろう。
著名な人気料理研究家が亡くなるまでどのような人生を辿ったのか。
五つの年代ごとに彼女の人生とお料理と世相と不可思議な出来事の謎解きを描いていくストーリーは優しさと温かさがいっぱい。
時代の流れや世間体に関わらずいつだって大切なのは料理が複雑化し過ぎないこと。
彼女の信念が日々料理をする身に優しく届いた。
最終章の見せ方はお見事。
伏線と言う名の隠し味のような数々のあの時の言葉があの瞬間が物語を全ての時代を引き立てる。
ふわっとした思い出の着地に幸せな味が残る。 -
料理研究家の女性の100年の物語。
ただの美味しいお料理が出てくるだけでなく、色んな時代の女性たちの悩みや苦しみが描かれ、ほんのりとミステリの味付けも施されていておもしろかった。
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話は1話ずつ過去の話へ遡っていくが、人と人との繋がりがどんどんわかって、100年ってすごいなと思う。
戦時中と戦後を生き抜く強さと、生き抜いたからこその優しさがある気がする。 -
料理研究家、大河弘子の人生を現在から振り返っていく物語。
料理研究家らしく作中にはいろんなお料理やレシピがでてきますが、同じような構成の『東京會舘と私』や『羊は穏やかに草をはむ』に比べて単調なイメージをいだきましまた。けれど、最後の最後でスタートに戻る!
このラストが気に入ったので星3から4へランクアップです。 -
料理×ミステリーすごく面白かった!!!
まさか、料理とミステリーが掛け合わさるなんて!!!
作者の料理好き&食べることが大好きなんだなぁと、本からすごく伝わる。
そして、私も食べることが大好きで、料理勉強中だから、読んでいてワクワクした〜!!!
友井さんの本は今回で2冊目だが、他の本も気になった。 -
料理研究家 大河弘子さんの100年が詰まった料理と推理と人生の物語。
章が進むにつれ時代を遡り、時代背景と食卓,社会情勢が感じられ、どんどん面白くなっていった。
料理研究家の仕事って何だ?を初めて理解した。 -
友井さんは「僕はお父さんを訴えます」がとても印象に残っていて気になる作家さんだったので、この話も読んでみたかった。
料理研究家×ミステリー。
伏線回収がお見事で面白かった。
100歳までご存命だった高名な料理研究家の大河弘子さんの生涯がすごい。
ラストは、えーそんな偶然あるのか?と驚く。
関わりはかなり深い。
曾孫の翔吾くんと理央の出会いも運命というか必然だったのかと思う。良いカップル。
潰さないポテトサラダとか、せん切りのポテトサラダとか、美味しそう。食べたくなる。
小麦粉を買い取って作ったコンビーフのサンドイッチも、すごく美味しそう。
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ミステリーの要素は少ないですね。
料理をメインとした100年の物語。
レシピに100年を感じます。
ラストは詰め込み過ぎに感じました。