福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575303582

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    ── 山岡 俊介《福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実
    20110928 双葉社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4575303585
     
     山岡 俊介 ジャーナリスト 195908‥ 愛媛 /アクセスジャーナル社長
    https://booklog.jp/search?service_id=1&index=Books&keyword=%E5%B1%B1%E5%B2%A1%E4%BF%8A%E4%BB%8B
     
    …… 20180807 夜9時ごろ、新宿駅東口のアルタスタジオ横の階段から
    転落し、重傷を負った。14段下の踊り場まで一気に転がり落ち、通行人
    が見つけて救急車を呼び東京女子医大に搬送。右肩骨折、頭部7針を縫
    い、右膝は腫れ上がり、0827日現在もまだ回復していない。
    【SNS話題】 #安倍とヤクザと火炎瓶 ハッシュタグがTwitterトレンド
    1位になるも消えたため、 #安倍とヤクザと火炎瓶2 もトレンド入り
    http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1535611966/
    前スレ
    http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1535636270/
     
    (20180831)
     

  • 内容は浅い。が、切り口は悪くない。書かれている対象(福島原発のテロ対策(の一部)?)は憂鬱になる程に甘くザルで馬鹿野郎(警備は今どうなったか不明だが、現在「長引いた方が孫以下の即席作業者は金になるから進み悪い」状況らしいので、企業&政治のとってつけた雑な処理方法にこの時から変化は無さそう)。作業者の声が幾つかあるのは良だが、メインに厚みが無い分もっとほしかった。

  • 後半は『原発ジプシー』は思い出した。

  • 原子力発電所で働くって、どういうことなのだろう。ということが知りたくて手にしたけれど、最終的には潜入目的は、セキュリティーの甘さを暴くという趣旨だったようだ。

  • (2012.12.03読了)(2012.11.26借入)
    【東日本大震災関連・その106】
    副題「高濃度汚染現場と作業員の真実」
    東日本大震災関連の本は、読むペースがだいぶ落ちてきました。今後は、原発関連、地震・津波の原理的なところを細々と読んでゆこうかと思っています。
    この本は、潜入記という題名の通り、作業員として働いた人の話ではなく、フリーのレポーターが部外者として福島第一原発のどこまで近づけるかを試してみた手記がメインです。
    潜入記だけでは、単行本一冊には足りないので、福島原発で働いた人たちへのインタビューや原発ジプシーへのインタビュー、『原発被曝列島』著者の樋口健二氏へのインタビューが収録されています。
    東日本大震災や福島第一原発事故の関連本をかなり読んで、まだ読み足りないという方はこの本も読んでみるといいかもしれませんが、厳選して、読みたいという方には、お勧めできません。

    【目次】
    プロローグ 「福島第一原発に作業員として潜入してみないか?」
    第1章 3・11運命の日 ボクは事務所で原稿を書いていた。
    第2章 そしてボクはJヴィレッジに向った。
    第3章 簡単に潜入できた福島第一原発。
    第4章 我、東京に帰還せり。
    特別付録 その1 「福島第一原発」作業員インタビュー
    特別付録 その2 原発作業員 本音座談会
    特別付録 その3 樋口健二氏インタビュー
    エピローグ

    ●原発は国策(43頁)
    原発で発生する余剰プルトニウムは、決断を下せば核兵器に転用できる。原発と核兵器は一体の関係にある。だから、国は推進する。原発は国策という側面がある。
    ●震災前と変わらぬ我が家(73頁)
    まだ街が破壊されているなら、住民も諦めがつくが、ほとんど変化がないのに住めない、戻れないのだ。放射能による汚染のため、避難を余儀なくされている。放射能は無味、無臭。見た目には、何ら異常が認められないという、厄介な代物だ。震災前と変わらぬ我が家に帰れない住民の方々は、どんな思いで暮らしているのだろうか。
    ●災害時の公共事業受注(111頁)
    ゼネコン業界に詳しい関係者によれば、東日本大震災発生後、早いところでは、もう翌日から大型船をチャーターし、津波被害の酷かった東北地方の太平洋岸に向い、上陸し、港湾施設や公共施設、道路などの整地をやりだしたという。先に自腹を切り、公共施設に手を付け、後で費用を請求するためだという。災害時においては、「他の業者に先んじて手をつける=公共工事受注」になるのが不文律だという。
    ●作業で被爆しても(123頁)
    私も仲間が読んでいた被曝のことが書いてある本を借りて読みましたよ。でも、ガンとの因果関係は、はっきりしないんでしょう。それなら、たとえ、ガンになっても保障はないでしょう。
    ●沸騰水型と加圧水型(143頁)
    わが国の商業用原発は、大きく沸騰水型と加圧水型に分けられる。福島原発は第一、第二とも沸騰水型。東電と中部電力は東芝が採用する沸騰水型を採用しているため。これに対し、九州電力と関西電力は三菱重工の加圧水型を採用している。チェルノブイリ原発は沸騰水型。沸騰水型は加圧水型に比べ安価で、技術的に易しいとされる。
    ●岩手県に原発がない(154頁)
    同じ東北でも岩手県には、なぜ原発がないのか? 岩手には政治力がある小沢一郎がいて、他の公共工事を持ってきてくれるから原発をつくらなかったけど、俺らの郷里の青森県はたいした政治家がいないから原発もってきたわけ。これ、地元では定説ですよ。
    ●原発の定期検査(156頁)
    原発の定期検査の仕事はすごく楽なんです。現場に詰めているのは9時間。(昼休みの1時間含む。)と言っても、準備や待ち時間が長くて、実働は4時間程度。

    ☆関連図書(既読)
    「私たちにとって原子力は・・・」むつ市奥内小学校二股分校、朔人社、1975.08.03
    「食卓にあがった死の灰」高木仁三郎・渡辺美紀子著、講談社現代新書、1990.02.20
    「私のエネルギー論」池内了著、文春新書、2000.11.20
    「ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間」菅谷昭著、ポプラ社、2001.05.
    「これから100年放射能と付き合うために」菅谷昭著、亜紀書房、2012.03.30
    「原発と日本の未来」吉岡斉著、岩波ブックレット、2011.02.08
    「緊急解説!福島第一原発事故と放射線」水野倫之・山崎淑行・藤原淳登著、NHK出版新書、2011.06.10
    「津波と原発」佐野眞一著、講談社、2011.06.18
    「原発社会からの離脱」宮台真司・飯田哲也著、講談社現代新書、2011.06.20
    「福島の原発事故をめぐって」山本義隆著、みすず書房、2011.08.25
    「官邸から見た原発事故の真実」田坂広志著、光文社新書、2012.01.20
    「飯舘村は負けない」千葉悦子・松野光伸著、岩波新書、2012.03.22
    (2012年12月4日・記)

  • 堀江邦夫氏の「原発労働記」に続く“原発侵入本”である。
    前者は今から32年ほど前に書かれたものだが、本書はあの3.11以降に書かれたものである。

    しかし、内容の濃さは断然堀江氏の著作のが上回っている。

    本書の著者は本当に「敷地内に入っただけ」のものである。

    それでも本書からはアメリカの9.11以降世界各国が様々なテロリスト対策を講じているのに核兵器転用や使い方を間違えればとんでもないことになる『原発』の余りにも杜撰で無いに等しい警備体制が良くわかる。

    現に著者は助手と共に、どこの委託企業に属する訳でもなく、本当に防護服を着ただけで、のうのうとJビレッジから作業員送迎用のバスに潜り込んで原発敷地内に侵入している。

    日本を狙い作戦を練るテロリストがいたとしたら拍子抜けするだろう。

    非常時だから仕方ない、という見方もあろうが、非常時だからこそしっかりやらないととんでもないことになる。

    原発の存続、非存続を問う以前の問題である。

    空港の警備や機内持ち込み荷物をどんなに規制しようが、意味ないのではないかとすら思えるものである。

    また、作業環境管理も杜撰極まりない。放射線衛生管理の専門家が厚労省にどの位いるのか知れないが、重箱の隅をつつくような残業代未払いばかり臨検するのではなく、30年以上前から何の進展もしていない原発労働者の作業環境管理もきちんとして欲しい。

    著書の中でも触れられているが、これでは東電や国が原発作業員を人間扱いしていないのと同じである。

    本書と原発労働記、両方併せて読まれることをお薦めしたい。

  • 福島第一原発に作業員として潜り込む前提で紹介者を探していたらひょんなことから単なる潜入、という形に変わり趣旨も「東電のセキュリティの盲点を暴く」に変わってしまうのだが、何はともあれ原発に潜入し徒歩で免震棟から徒歩で三号炉のすぐ傍まで行けたとは快挙だ。それにしても事故収拾が第一義だとしても原発現場での放射線やセキュリティを含めた人員管理はザルというのが良く判る。特に下請け作業者については敢えて下請け業者に全ての責任を押し付けることで責任回避をしているとしか言えないし、それで作業員の放射線被爆も皆無としているのであれば罪は深いと言うしかない。事故で何かが変わる、という期待はやはり出来ないのだろうか?

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