太陽おばば (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 58
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516371

感想・レビュー・書評

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  • すっごいよかったー( ノД`)シクシク… 最後の数ページは泣けます。ほんとにボロボロきます(。´Д⊂) ウワァァァン!! それ以外は抱腹絶倒間違いなしの面白さです。一冊で二度美味しいな!
    太陽おばばの耶知子さんの、人生の重みがぎっしり乗った言葉の数々が、主人公の舞ちゃんくらいの年頃の私には、彼女と同じくらい響きました。
    子供を持てなくて、悲しい思いをしてる人、仕事の事とかで一人で悩んでいる人、不安を抱える30代の女性に読んで欲しいです。
    もちろん、他の人にも、その年だからこそ響く、まさにジャストヒットする一言がこの本から見つかるはずです。
    耶知子さんの明るさ、優しさと厳しさ。舞の不安、哀しみ、そしてそれを乗り越える強さに、たくさん考えさせられます。
    私もいつも不安と戦ってます。普通に生きたくて、普通の幸せを手にしたくて、絵に描いたような『当たり前』と自分は何が違うのか、指折り数えて悲しんでいる。でも、そういう同世代の人はきっと沢山いるんだろうなぁ。
    この本に出てくる二人の女性は、『当たり前』がどんなに奇跡なのかをよく知っている。例えば、人として当たり前の営みである、命を繋ぐということ。それが不可能な舞ちゃん、繋ぐことができても、娘さんと音信不通になってしまった耶知子さん。
    いつ命や絆が途切れてしまうか分からないから、大切な人には、大切だよと伝えなければならないし、ついていた嘘は謝らなくてはならないし、逃げてたことには向き合わなくてはいけないのです。なるべく早く。どんな時だって。
    そして、伝えられる何かがあるということは、とっても幸せなことなんだと、思い出させてくれた。
    家族を抱きしめたくなる。そして、前向きに生きたくなる本です。まさにお天道様に向かって、大きく手を伸ばしたくなるような、そんな本でした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      気になる、、、
      気になる、、、
      2014/02/14
    • みゆき2525さん
      >nyancomaruさん

      おばばの人生を見て、舞ちゃんの悩んでる姿を見て、どこかホッとできる本でした。
      自分と同じように悩んでる人...
      >nyancomaruさん

      おばばの人生を見て、舞ちゃんの悩んでる姿を見て、どこかホッとできる本でした。
      自分と同じように悩んでる人は、たくさんいるのかもしれないな、と思ったから。
      オススメの本です。よければ、ぜひ、読んでみてください。
      2014/02/17
  • リアルな世界観かと思っていたら、最後は幽霊ができたりなど実はオカルト(?)な内容だったことにまず「えっ」と思いました。一瞬、拒絶反応が出かかりましたが「まーそういう世界観なのね」と思えば、序盤の突然突風が吹く場面なども受け入れられました。

    ただ、一見傍若無人な振る舞いをするお年寄りが周囲に良い影響を与えて行く系(?)のお話としては「良くあるお話」感が強く残りました。同系統のお話(といって良いかわかりませんが)としては、加納朋子さんの「てるてるあした」の方に軍配が上がるように思います。

    • みゆき2525さん
      この本、とても気に入ったのですが、加納朋子さんの本は読んだことがないので、軍配が上がるという言葉に、かなり気になりました。ぜひ、読んでみたい...
      この本、とても気に入ったのですが、加納朋子さんの本は読んだことがないので、軍配が上がるという言葉に、かなり気になりました。ぜひ、読んでみたいと思いますー⁎ˇ◡ˇ⁎
      2014/02/17
    • inutoolsさん
      コメントありがとうございます。レビュー読ませていただきまして、本作は女性の方が共感しやすい内容なのかも、と改めて気づかされました。件の本につ...
      コメントありがとうございます。レビュー読ませていただきまして、本作は女性の方が共感しやすい内容なのかも、と改めて気づかされました。件の本につきましては、性差関係なく共感できるポイントがあったところが、私の感想に影響を与えているのかな、と思います。

      ホントに個人的な感想ですので、件の本がお望み通りの内容と感じていただけるかは自信がありませぬ… 「へぇ、こういう意見もあるんだぁ」程度に受けて止めていただければと思いまする。
      2014/02/20
  • あらすじを読んで、耶知子さんは清楚な神々しい人を想像してた。実際は、向かいに住んでるだけの主人公《舞》を足代わりに使い、大声でアロハオエを歌いながら布団をバシバシ叩く、元気いっぱいのおばあちゃん。

    一見して冷たいようで、人の話も聞いていないかのようだけど、本当は《死に行く人》と《遺される人》の橋渡しをしてくれる。
    耶知子さん自身にも、かつてつらい別れがあったから…

    所々でふと見せる、寂しそうな耶知子さんの姿。なんとなく予想がつくような展開に、ギリシャ旅行には行かないでほしい、と思いながら読んだ。

    不思議なおばあちゃんと一緒に過ごすうち、自分なりの「命をのこす道」を見出した舞。耶知子さんが舞のお母さんに伝えた事は、私も胸に刻んでおきたい。

  • 太陽のように明るく元気な耶知子おばばと、離婚した独身女性の心温まる物語。
    裏表紙にはミステリーなんて書かれていたけれども、そんな仰々しいものではなく、耶知子おばさんの優しさを感じるヒューマンドラマ。
    読み終わった後は、ほのかにおひさまの匂いを感じられるだろう。

  • やめた

  • April 2013 (32)
    March 2013 (34)
    February 2013 (28)





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    ポレポレとうさん@09:27:31 | コメント(0) | リンク(0)

     何気なく立ち寄った書店の平台に置かれた一冊が、何となく気になって買って読んでみる。そういうことが時々あります。そして、そういう時に限って良い本に出合える確立も高いような気がします。今回もそんな素敵な一冊に出会いました。

    ■読み進めるごとにグイグイと引き込まれる一冊



     今日ご紹介するのは雀野日名子さんの「太陽おばば」という一冊。不思議な能力を持つおばあちゃんが、疲れた人の心を癒していくというちょっと変わった設定、意外な結末を迎える物語です。

    【内容情報】(「BOOK」データベースより)
    不妊による離婚や、ままならぬ仕事のことで鬱々と過ごしていたフリーライターの舞は、耶知子さんというおばばと出会う。耶知子さんは、わだかまりを抱いたまま「死」を迎える人々の心に、不思議な力で分け入ってゆくことができた。そんなおばばと過ごすうちに舞は、ライターとしてこの世に書き残すべき本当に大切なことを見つけていたー。人間の弱さや身勝手さをも優しく包み込んでくれる、余韻切ない連作ミステリー。

     この物語は5つのエピソードに分かれていますが、それぞれが関連しあって結末へと進んでいきます。

     読み始めた時には、疲れた女性フリーライターが老女と出会うことで癒されていくほのぼのとした物語なのかと思いました。しかし、第一話を読み終わったときにその感想は吹き飛び、奇想天外な物語だったんだと気がつきました。

     しかし、奇想天外な内容に一度に転換するわけではなく、ジワジワと徐々に徐々に独特の世界観に引き込まれてしまうような感覚なんです。

     そして迎える最終話。そこにはあっけらかんとした登場人物の雰囲気とは裏腹に、哀しくて切なくて、それでも心温まる結末が待っていました。

     人は哀しみを抱えながら生きているものの、生き方によってはそれもまた良いもんだなと思えるような一冊です。年の瀬の忙しい時期ですが、心をホッとさせるにはうってつけの一冊。

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著者プロフィール

1975年生まれ。福井県出身。2007年に「あちん」で『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞、08年に同作でデビュー。2008年に「トンコ」で第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。他の著書に、『太陽おばば』(双葉社)、『終末の鳥人間』(光文社)などがある。

「2013年 『幸せすぎるおんなたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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