復讐教室 連鎖 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516784

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  • 憎しみは憎しみしか生まない。
    復讐をして、いったい誰が幸せになるというのだろう。
    それでも、理不尽に大切な人を奪われた怒りや哀しみをぶつけなければ生きていけない。
    一歩も前に進めない広樹の気持ちもわかる気がした。
    いつからこんな世の中になったのだろう。
    自分に対しては必要以上に想像力を膨らませる。
    〇〇をしたら嫌われるんじゃないか、〇〇をしたら周りから浮いてしまうんじゃないか。
    不安にかられ、自己防衛本能を働かせ、あたりさわりのない自分として装うことを覚えていく。
    反面、他者に対しては驚くほど想像力に欠ける行動にでる。
    なぜ他者の痛みや哀しみを想像できないのだろう。
    なぜ他者が受ける苦しみや絶望を想像できないのだろう。
    表面的にはいわれのない悪意に巻き込まれた人間の復讐劇を綴った物語である。
    しかしその根底には、あたたかい人間らしさが欠如している社会への問題が隠されているような気がした。

  • 相変わらずめちゃくちゃだなぁという感じで笑
    だけどそのめちゃくちゃな感じに惹かれている自分がいる笑
    ある晩、中学3年生の愛川広樹は、目の前で恋人の中野美幸を陵辱された。
    数日後、美幸は自殺、周囲からは恋人を売ったと責められ、孤立、失意のまま高校へ入学した。
    そんなある日、美幸を陵辱した犯人が元クラスメイトの中にいることを知る。
    高校で出会った症状、赤嶺由奈とともに、広樹は元クラスメイトへの復讐を開始したーー。

    マンガ版が、コンビニに置いてあったり、本屋の割と目立つ位置に置いてあったりして、地味に盛り上がってる?笑
    なんか、ここまで徹底した復讐劇ってありそうであまりなかったって感じ。
    クラス全員に復讐だから、全員の名前覚えてられなかったり、今回も途中で何人か雑になったりしてるんだけど笑
    こーいうのは、主人公が壊れていくさまが見ていて楽しいというか切ないんだよね。
    前作の主人公、藤沢彩菜が起こした凄惨な復讐劇は、呪組事件として語り継がれ、それは生き残った人たちの人生を大きく変えた。
    そして復讐は連鎖する。
    彩菜の炎を受け継ぐ者が現れる。
    こういう凄惨な事件があると、必ず崇める奴が出てくるよね。
    拓海がそんな感じで、殺人を犯しちゃってたけど。
    今回は、広樹と由奈の他に裏で動いてる奴がたくさんいて、誰がやったの?って気になる構成だったのが前回よりも進歩してるかなと感じた。
    でも相変わらず、実は◯◯だったがたくさんあって、もっとうまく書けないかなーって思った笑

    復讐は次々行われていくんだけど、なんか前作よりは狂気は減った感じかな。
    広樹も途中で思い留まるし。
    肝心なとこでの度胸は、女の方があるよね。
    最終的には生き残った人たちで殺人犯に立ち向かっていくって感じで。
    前作の彩菜の崩壊していくさまはすごくよかったんだけどな。
    個人的には由奈が崩壊していくか、黒幕だったら、まじかすげぇ!ってなったんだけどね。
    由奈は病み系ヒロインでした、嫌いじゃないけどね。
    前作で生き残った人たちも出てきたけど、みんな人生を歪められて、そして最終的にほとんど死んでいった。
    その辺が復讐は終わらないって感じを表してて面白かった。因果応報って言うのかね。
    裕也さえもついに殺されたね、ミイラ取りがミイラになったね、ざまぁ笑
    彩菜の呪いが未だに残ってるような感じがした。
    でも詩織が生き残るとは思わなかったな。
    前作であまり印象に残ってなかったから笑
    行方不明ということだけど、次回作に出てきそう。
    広樹と由奈は人目を避けて2人で暮らしてるらしいけど、由奈には生きていてほしい。
    いろんな人が復讐の炎に巻き込まれて、もはや誰が悪いのかさえわからなくなって、哀しみしか残らなかったね。
    復讐っていうのは、やっぱり何も生まないんだな。
    でも復讐は連鎖するということだから、誰かしらがまた炎上させるのだろう。

    個人的には面白かったから、白咲中じゃなくてもいいから、続きが読みたい。

  • 前作の続編と思われますが、違和感なくサクサク読めました(ストーリー自体は違和感ありまくりでしたが…)。
    残念ながら、前作も読んでみたいとまでは思いませんでした。

  • 2014.5.26

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