時給三〇〇円の死神 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575520620

感想・レビュー・書評

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  • 佐倉と花守の死者を送る死神バイト。「死」から「生」を考える。手帳に未来への希望を書くのは見倣いたい。未練でロスタイムが何年も終わらないのは悪夢。対象:元恋人,親父刈,産死,虐待死

  • 2人の会話のやり取りが面白かった。
    アニメになりそうな物語だなと思った。夏休みに金曜ロードショーで流れていそう。
    最後は少しんーーー?という感じだったけど、読みやすかった。

  • ただ悲しかった。佐倉君が傷つく内容と登場人物の心情が重すぎて、自分であれば耐えられないなと思う。最後は佐倉君が納得して死神の仕事を終えるのだが、その納得に共感できるほど自分の心の回復スピードは早くなかった。エピローグで「ああ、良かったな」となるんだろうけど、やっぱり悲しい。タイトルを見て軽めの本だと思ったが予想とは全く違う内容だった。

  • 『それじゃ、キミを死神として採用する。時給は300円で』(笑)

    クラスメイトの花森から持ち掛けられたアルバイトに、驚愕の佐倉。

    そのバイトとは、成仏できずこの世に残る死者の未練を晴らし、あの世へと見送ること。
    そして、無事に半年間のバイトを終えたら、何でも願いが叶うと言う。

    死者たちの抱える切ない未練に、涙がウルウルです。そして、なんと花森の正体とは?

    エピローグで、三年後、過去の死神の記憶をすべて失った佐倉は、新しい専門学校の生活を送っていた。
    そして、突然出会った不思議な少女。
    更に、見ず知らずの少年から渡された『透明な物語』。

    最後の1行にジーンと来ました。
    『幸せの花が、一輪咲いていた。』

  • 夏休みにアニメの映画を見た感じ!
    ラノベっぽいですが、すごい面白かったです!!
    十代の方に読んでほしい
    生き方の大事さがわかります

  • 今思えば読書好きには途中でオチがわかってしまうような展開だけど中学生の当時の自分からすると終わり方に衝撃をうけた作品だった。文が非常に読みやすくすらすらと進められる作品なので中高生の読書への第1歩として最適な気がする。

  • 良かったです。
    展開もありがちなようで、ないようなので
    思わずページが進みます。
    読んでみそ^_^

  • 再読しました。とにかく最後の花森さんが《死者》であることが明らかになってから、いなくなってしまうまでの場面が読んでて衝撃が大きかったし、苦しかったです。
    死者が旅立つ場面もページをめくる手が止まらないくらい引き込まれました。

    自分が今まで存在していたことを誰も覚えていてくれないことのつらさ。

    この本を読んで、自分を誰かが愛してくれるという喜びの大きさを感じました。
    「幸せは失ってから気づく」という佐倉くんの言葉を忘れずに、今ある幸せを噛み締めて生きようと思います。


    ┊︎初読の感想
    大切な人との思い出がなくなっていくことの悲しさがひしひしと感じました。

    最初は2人の対話がテンポがよく面白いこと以外はこんなにすぐに死者は諦めがつくか…?とか、内容が薄く感じたが、最後までしっかり読破すると読んで良かったなと思います。

    何も残せない死者と死神を見ていると、大切な人に愛と感謝を伝えられることの幸せを実感しました。

  • 未練を残して死んだ「死者」をあの世に送ってあげる「死神」のお仕事のお話

    序盤で明かされる「死神」と「死者」の設定から、いくつかのストーリー展開が予想できる
    なので後半の展開は予想した中の一つだったけど、得られた感動は予想以上

    中学時代まではサッカーが得意で恵まれた生活をしていたが、怪我をして走れなくなり、彼女とも別れ、父親の不祥事でお金で苦しむ生活を送っている主人公の佐倉くん
    時給300円、残業代なし、交通費なし、シフト希望なしの「死神」の仕事にスカウトしにきた同級生の花森さん
    二人の死神のお仕事の末に行き着いた結末に心を揺さぶられた


    描かれているエピソードは5つ
    ・病気の妹の望みを叶えようとする姉
    ・子供が小さい頃にもらった手紙の入った財布を探すおじさん
    ・産後に子供の行く末を心配する母親
    ・虐待を受けている子供
    ・自分が死んだのが事故なのか故意なのか知りたい女の子


    死者を送る経験によって佐倉くんの気持ちが変化していく様がとてもよい
    死者に与えられたロスタイムの意味は?果たして意味はあるのか?
    人が生きることの意味、死神が存在する意義
    「幸せ」とは何か?「生きる」とは何か?を自問自答せざるを得ない

    死者の置かれた状況はどう考えても救いはない
    ないのだけれども、それでも得られる幸せはあるのではないかという気づき

    晴らしようのない未練もある中、死神はどうすればいいのか?

    人はいつだって失ってからその大切さに気づくんだよね
    病気になって初めて健康の大事さに気づくとかね
    そりゃぁ死んでからわかることもあるよね
    問題はその先で、「死者」に突きつけられた現実と自分の心残りとどう向き合うか

    死者の置かれた状況を想像するに切なさとかやりきれなさを感じる


    最後まで読むと、この物語は「恩送り」の話なのだと思う
    死神の仕事はそんな意義があるのかもしれない


    あと、花森さんとの会話とか、残された日記から気づくとか、住野よる「君の膵臓をたべたい」を思い浮かべてしまった
    何か意識してるのかな?



    ちなみに、死者と死神の設定
    ・「死者」は未練に関した特殊能力を持っている
    ・「死者」として存在した出来事はなかったことになる
    ・なかったことになった記憶は「死者」と「死神」は覚えている
    ・「死神」は6ヶ月のアルバイトで、終了したらその間の記憶は失われる
    ・半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる「希望」を申請できる

    何を希望するかという予測は外れたけど、いい外れ方だったな

  • 著者初読み。
    ジャンル的には完全にライトノベルなんだけど、後ろ書きを読んで、手に取った一冊。
    作風的には彩瀬まるとか、住野よると似ている。
    ある日突然、クラスメイトの女子・花森から死神のアルバイトに誘われる佐倉。
    中学時代まではサッカーの有力選手で、父親も政治家、何の不自由もなく育っていたが、怪我をし、走れなくなり、政治家の父親も傷害罪で逮捕され、母親も出ていった佐倉はクラスでも孤立していた。
    そんな中、時給300円の死神のアルバイト。半信半疑だったが、佐倉にはお金を貯めて、今は遠くに住む母親に会いに行く目標があった。
    死神のアルバイトは、死んだことが理解出来ず、この世に未練を残している人の未練を果たしてあげること。
    ある日突然、亡くなった人たちの魂は簡単に成仏されず、それでも真摯に向かい合う佐倉と花森の姿には心を奪われる。
    もちろんきれいごとばかりではないけど、何事にも投げやりだった佐倉は作品の中で大きく成長していく。
    花森の謎については、かなり前の段階で分かってしまう。
    もう少し、泣けるかと思ったけど、それほど泣けることもなく、でも、自分が突然死んだら、どんな未練が残るんだろう?きちんと諦めて成仏出来るんだろうか?
    そんなことを考えさせられる一冊だった。

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著者プロフィール

作家

「2020年 『午前3時33分、魔法道具店ポラリス営業中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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