罪人が祈るとき (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523966

作品紹介・あらすじ

主人公の少年が住む町では、三年連続で同じ日に自殺者が出たため「十一月六日の呪い」と噂されていた。学校でいじめに遭っている少年は、この日に相手を殺して自分も死ぬつもりでいた。そんなときに公園で出会ったピエロが、殺害を手伝ってくれるという。本当の罪人は誰?感動のヒューマンミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、『少しはこの世界からいじめが減る』のであれば『復讐の日』を制定すべきだと思いますか?
    
    2021年度の小中高等における『いじめ』の認知件数が61万5,351件と過去最高を記録したことが文部科学省の統計によって明らかになりました。他殺による犠牲者が年々減り続ける一方で、『いじめ』という陰湿な行為が横行する現実は、目を向ける先の修正を私たちに示唆しているようにも感じます。

    一方で、このレビューを読んでくださっている方の中に小中高を通じて『いじめ』とはどこの世界のことだろうという人生を生きてきた人は恐らくいないのではないかと思います。そんな関わり方は『いじめ』られる側だけでなく、『いじめ』をする側、そして見てみぬふりをしてきた側のいずれかだと思います。そして、そんな『いじめ』は決して子ども時代特有のものではなく、大人社会にも存在する、世の中には一体どれだけの『いじめ』が存在しているのだろう、歳を取れば取るほどにそんなことを感じてもしまいます。

    『いじめ』をする側は、『いじめ』られる側に原因があったと言い放ちます。それは、全く理不尽な内容です。

    『時田が十万持ってこないから殴られるんだよ。お前が悪いんだ』。

    『いじめ』る側の都合で勝手な理屈が成り立ち、そこに『いじめ』はいつまでも続きます。その一方で『いじめ』る側にもさまざまな背景がある場合もあります。とはいえ『いじめ』というような行為が許されるはずがありません。『いじめ』という行為が許される世の中であってはなりません。

    さて、ここに『こんな惨めな状態でも、僕はまだ生きたいのだろうか?』という今を生きる一人の高校一年生が主人公となる物語があります。『もう生きたくない』という思いの中に『自殺』を思う主人公を描くこの作品。しかし、そんな主人公が『でも… ただ死ぬのは嫌だ。どうせ死ぬなら、十一月六日にあいつを殺してから死にたい』という思いを強くする様を見るこの作品。そしてそれは、『復讐の日』をこの世に作ろうと思う主人公が『本当の罪人は誰ですか?』と読者のあなたに問いかける物語です。
    
    『高校の近くにある展望台公園に逃げ込んだ』ものの『あいつらにたやすく追いつかれ』、『人通りの少ない雑木林に連れ込まれた』のは主人公の時田祥平(ときた しょうへい)。『次々に蹴り上げてくる複数の足から頭』を『必死にガード』する祥平は『週刊誌「ウォッシュ」の記事』を思い浮かべます。『冷たい雨が降りしきる十一月六日』、『当時中学生だった少年Sの自殺から始ま』り、『翌年の十一月六日』には『Sの母親』、さらに翌年には『SのクラスメートだったY』までもが同じ日に自殺したことから『十一月六日の呪い』と書くその記事。『気持ち悪い。こいつ笑ってるんだけど』『完全にマゾじゃん』と目の前で笑みを浮かべるのはクラスメイトの箕輪冬人と荒木田剛。そんな二人を見て『こんな惨めな状態でも、僕はまだ生きたいのだろうか?』と思う祥平ですが、『でも…ただ死ぬのは嫌だ。どうせ死ぬなら、十一月六日にあいつを殺してから死にたい』と思います。そんな時、『もういいよ、殺せよ』と『同じ高校の一学年上の先輩』である川崎竜二が『大きな歯を剝き出して笑』います。『この辺では有名な不良少年の集団』に属してもいた竜二は『俺は警察も人を殺すのも怖くねぇよ。だって俺、前にひとり殺してるから』と言い放つと『慣れた手つきでポケットからナイフを取り出し』ました。『目玉を突き刺してから、耳を切り落としてやろうかなぁ』と『右耳を強く引っ張』る竜二。そんな時、『ボンという音と共に目の前を何かが横切』り、『ナイフが、弧を描くように飛んでい』きました。そして、三人が見る『視線の先には、ひとりのピエロが立ってい』ます。『何物にも動じないというようなオーラを放』つそのピエロは、『倒れている僕と竜二の間に立』ちます。『素早く拳を放』つ竜二をかわすピエロは『身軽な動き』で、竜二の拳を寄せ付けません。『なんだよこいつ…』と『怯えた声を出』した竜二を挑発するピエロは、竜二の尻を蹴り両膝をつかせると『折り畳みナイフを取り出して竜二の首に向け』ました。そして、その『刃先を右目に向け』ると、『周囲に緊張が走』りますが、『ピエロはゆっくりナイフをしま』います。祥平を『見ながら「絶対、殺してやる」と低い声で捨て台詞を吐いて去って行った』竜二たち三人。そして、ピエロは『私はペニー』と名乗り、『僕は時田祥平』と自己紹介しあう二人。祥平は、ピエロに『できるならあいつを…竜二を殺してから、僕も死にたいと思っています』と自らの思いを話すと、『私が殺してあげる』と返すペニー。そんなペニーは『本気で殺したい?』と祥平に問いかけます。『殺害計画ができたら手伝ってあげる。私たちは仲間』とも続けるペニーは、『バイバイと手を振』ると、走り出して姿を消しました。『本当にまた会える?あなたは裏切らない?誰からも必要とされない僕の仲間になってくれる?』と『願いを込めて』ペニーが去った方向に目を向ける祥平。そんな祥平とペニーの繋がりの先に運命の物語が描かれていきます。

    『春分の日もこどもの日も海の日も山の日もいらない。その代わり、「復讐の日」を作ればいい』という本文中に綴られる主人公・時田祥平の心の叫びを本の帯に象徴的に記したこの作品。『復讐』という言葉からは『復讐法』施行後の世界を描いた小林由香さんのデビュー作「ジャッジメント」が思い起こされもします。しかし、この作品は「ジャッジメント」の続編ではなく、全く新たな作品です。そんな作品に小林さんは時田祥平と風見啓介という二人の主人公を置き、七章からなる物語は、そんな二人に視点を切り替えながら展開していきます。では、まずはそんな主人公二人の背景事情を見てみたいと思います。

    ・時田祥平: 『父が浮気をしていた』ことを知った母親が十三歳の時に家を出て行き、父親と二人暮らしの生活を送る。『父親の母校でもある名門の中高一貫校』に通っていたが『父へのあてつけ』に『県立高校』へと進む。サッカー部に入り、一見楽しい日々を送っていたが、あることがきっかけで『同じ高校の一学年上の先輩』の竜二から『カツアゲの対象』とされ『クラス内でのいじめ』にもあう。そんな中『竜二を殺してから、僕も死にたいと思』うようになる中に、『手伝ってあげる』と声をかけるピエロと出会います。

    ・風見啓介: 息子の茂明が、『首をカッターで切り裂いて自殺』。しかし、解剖の結果、『打撲傷が計六箇所』見つかったこと、そして『倒れている茂明の傍に置いてあった』ノートに『血文字で「こいつらを呪う」と書き残されて』いたことからいじめを疑うも学校関係者、クラスメイトからはことごとく否定される。『辛うじて読めたのは「中」と「二」という文字』というヒントを元に謎を追いかける啓介。その一方で『精神に異常をきたし』妻の秋絵までもが『息子のあとを追うように自殺』してしまいます。

    物語は二人の主人公の物語がパラレルに描かれていきます。そんな中にもう一人の重要な登場人物であるピエロが登場します。祥平と啓介の物語が重量級の物語であり、読者は鬱屈とした読書を迫られます。そんな中に登場するピエロの描写はファンタジーのようにも思える軽やかさを持っています。『人間が仮装しているのではなく、突如異空間から現れた奇妙な生き物に思えた』というピエロを小林さんはこんな風に描きます。

    ・ 『深紅の髪はライオンのように逆立って広が』る。
    ・『目の周りは黒く塗られ、右目から零れるように水色の涙が描かれている。中央には光沢のある丸くて赤いクラウンノーズ』。
    ・『カラーコンタクトを入れているのか、黒目の部分は紫色』。
    ・『丈の短い黒いベストを羽織り、先の丸いシルバーの靴』。

    そんなピエロを見て『幼い頃に観たホラー映画』に登場したピエロを思い出したという祥平、『ピエロに恐怖を覚えるようにな』った祥平は、一方で目の前のピエロを見てこんなことを思います。

    『僕を殺してもいいから、竜二も殺してほしい』。

    そんなピエロは、『手品のように』『黒色の風船』を取り出したり、『殴られる振りをして倒れた』かと思うと『操り人形のように軽やかに起き上が』るなど、まるで『重力など存在しないような身軽な動き』を見せ竜二を翻弄します。そんなピエロ登場の場面では、ピエロそのものの描写だけでなく『一斉にセミの鳴き声が止んだ』、『数羽の鳥が一斉に飛び立った』といったような背景描写を用いて、よりヒーロー感を演出し、ファンタジーのような色彩で小林さんはその場面を描いていきます。一体ピエロとは何者なのか、小林さんがどんな風にピエロという存在を描いていくのか、そのまさかの展開にも是非ご期待ください。

    そんなこの作品は、『復讐法』施行後のこの国のあり様を衝撃的に描いた「ジャッジメント」同様に『復讐』というものにこだわっていきます。主人公の祥平は、週刊誌の記事『十一月六日の呪い』に惹かれ、こんなことを思います。

    『十一月六日は屈辱を受けた人間が、相手に仕返しする日にすればいい… 実際に、たくさんの復讐劇が生まれてほしい。そうすれば、少しはこの世界からいじめが減るかもしれない』。

    『いじめ』という現実を思い、そんな対象となる人間が自分以外にもいることに思いを馳せる祥平の素直な心の叫び。そんな祥平は『少年が暴行を受けて死亡するニュースや記事を見聞きするたび、明日は我が身だと思う』中で痛烈な言葉を投げかけます。

    『嫌な事件が多いと嘆くことができるのは、自分が幸せな世界にいる証拠だ』。

    この言葉にハッとされる方は多いのではないでしょうか。嫌な世の中になったと私たちはよく言葉にします。しかし、そんな言葉は、そんな世の中を第三者的に見るからこそ言える言葉であって、それは一方で自分がその当事者ではないことを意味してもいます。これは、「ジャッジメント」で読者に放たれた問い、”自分の大切な人が殺されて初めて、「復讐法」の必要性を感じた”という被害者遺族の視点とも繋がるものです。

    私、さてさては『絶対にどんな理由があっても人を殺めてはならないと』いう立場に立っていると思っています。このレビューを読んでくださっている多くの方も恐らくは同じ立場に立たれているのではないでしょうか。それこそが、『正しい人としての姿だと思って』はいないでしょうか?しかし、この作品の主人公も元々はその考え方は同じでした。『人を殺めてはならない』という私たちと同じ考え方に立っていたのです。しかし、そんな考え方が変化していきます。

    『悪を殺して善良な人間の命が助かるのなら、俺は迷わず牙をむくだろう』。

    物語は主人公二人の身に起こった凄惨な出来事の先に変化していくその内心を丁寧に描いていきます。息子を『いじめ』で亡くした啓介、そして、現在進行形で『いじめ』に苦しむ祥平という二人という対照的な立場に立つ人物を主人公としたことで物語は『復讐』という言葉に正義を与えてもいきます。また、そんな展開に読者に対して強い説得力も生んでいきます。

    『人が何人か死んでも世界は変わらない。いじめはこの世からなくならない』。

    そして、

    『本当の罪人は誰ですか?』

    そんな風に祥平が問いかける先、それは読者のあなたでもあるのです。瀬尾まいこさん「温室デイズ」、住野よるさん「よるのばけもの」、そして辻村深月さん「かがみの弧城」などこの世には『いじめ』をテーマにした作品が多々あります。そんな作品では、それぞれの作家さんの思いの先にそれぞれに納得感のある結末を見る物語が描かれています。そして、この作品で小林さんが問うのは、そんな『いじめ』の先に『本当の罪人』が誰なのかを問う物語、そこに『復讐』という考え方を出した場合に何が見えてくるのか、この作品では物語背景を全て明らかにする結末をもって、そんな問いを読者が考えるためのきっかけが描かれていたように思いました。

    『どうせ死ぬなら、十一月六日にあいつを殺してから死にたい』。そんな思いを抱く主人公の祥平。

    『もう学校や警察には頼らない。誰にも情報はもらさない。自分ひとりの力で決着をつけてやる』。そんな思いを抱く主人公の風見啓介。

    この作品ではそんな二人の主人公がそれぞれに当事者となった『いじめ』という行為の先に『復讐』を強く思う姿が描かれていました。極めてリアルな物語設定に鬱屈とした読書を強いられるこの作品。『どんな理由があっても人を殺めてはならない』と誰もが評論家の様に語る言葉の正否に自信がなくなっていくのを感じるこの作品。

    表紙の意味をしみじみと思うその結末に、この世に起こる事件の数々の一つひとつにどれだけ深い物語が存在するのだろうと考えてもしまう、なんとも奥深い世界を垣間見せてくれた作品でした。

  • 小林由香『罪人が祈るとき』双葉文庫。

    陰惨ないじめによる自殺をテーマにしたミステリー。ちょっとストーリーをいじり過ぎて、無理矢理感動の結末で幕を閉じようとした感じ。それなりには面白いし、考えさせられる内容なのだが、もっと違う結末でも良かったのではなかろうか。

    高校でいじめを受ける主人公は公園でペニーという名の不気味なピエロと出会う。ペニーは主人公をいじめる奴等の殺害を手伝うと言うが……

    いじめの陰惨さ、いじめの被害者といじめを苦に自殺した被害者の遺族の悲しみを描きながら、本当の正義とは何かを読者に問い掛けているようだ。

    昔に比べて、今のいじめはかなり陰湿だと聞く。今の学校は運動会で順位を付けないとか、体罰禁止だので子供たちは競争とか喧嘩や争いとか知らぬうちに育っているのではなかろうか。ゲームというバーチャルな世界に争いを求めるが故に手加減ということを知らずにリアルな世界でやり過ぎてもなかなか気付かぬから悲惨な事態を招いているのではなかろうか。

    本体価格680円
    ★★★★

  • 学校でいじめにあっている少年・時田祥平は、暴行を受けている最中にピエロに助けられる。ピエロは、いじめ加害者の殺害を手伝うと言う。「殺害計画ができたら手伝ってあげる。私たちは仲間」。被害者やその家族の目線で、‶復讐”について考える。

    愛情が足りない過酷な環境で育った加害者は多いとのこと。「環境のせいで」という言葉もよく聞く。けれど、それで加害者を許すのも違うし、被害者である主人公の祥平だってかなりつらい境遇にあるのに誰かをいじめるような人間にはなっていない。
    しかも、祥平の受けたいじめの内容はすごくきつい。加害者への同情の余地はないかな。と思いながら、それでもやっぱり加害者を殺していいということにはならないはず。

    「被告人、あなたはいじめにあっている子どもたちのヒーローではない。そこにどんな理由があろうとも、人を殺して解決するものなどひとつもない。それを教えるのが大人の役目であり、責任なのではないでしょうか」
    綺麗事かな?それでも、加害者に復讐することを許可してしまうわけにはいかない。
    「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典は、「やられたらやり返せ」というものではなくて、「こちらがやられたこと以上のことはしないように」と、過剰な復讐を止める意味があるらしい。・・・となると、自殺に追い込まれてしまったいじめ被害者にとっての‶目”は・・・?いじめ加害者にどのくらいの復讐ならしてもいいの?

    結末も結局そうなってしまうよね、という悲しいもの。本当にちょっとの救いはあるけれど、もう少し報われてほしかった。

    こんなことは書かなくてもいいと思うけれど、11/6の「復讐の日」はそんなに本題ではなかったかな?


    「私を裁けるのは検察官でも、裁判官でもありません。もしも、私を裁ける人間がいるとしたら、それはいじめによって子どもを亡くした遺族だけです」

  • いじめがテーマの再生の物語。
    文句無しに、今年読んだベストスリーの一冊。

    『ペニー、僕はあなたに出会えてよかった。』
    最後のページが胸を打ち、ついウルウルとします。

    表紙の写真の、大空に浮かぶ沢山の風船は、そういう意味なんですね。
    多くの悲しみの中に、希望が感じられます。

    いじめにあっている少年・時田 祥平。
    とうとう、相手を殺して自分も死ぬつもりだった。
    しかし、公園で出会ったピエロが、その計画を手伝ってくれるという。

    本当の罪人(つみびと)とは、誰なのか?
    そして、その罪は許されざるものなのか?
    彼の祈りが通じますように。

  • ピエロが登場してITみたいで怖いと思ったら全然そういう話ではなかった。
    小粒と言えば小粒な作品ではあるけれど、とても考えさせられる内容でした。
    加害者と被害者、そして復讐と、以前読んだ『ジャッジメント』とも通じるようなテーマが感じられました。

  • 2020年7冊目。
    設定の妙で読ませた前作に比べると、物語自体のインパクトは控えめだが、圧倒的な人間ドラマは健在。一つ一つの場面がいちいち胸に響いて来る。許されざる罪人ではあるけれども、どうか彼の祈りが届きますように、と願わずにはいられない。

  • いじめの描写がツライ。本当にツライ

    私は、最初からの悪人なんていないと思っています。何が正しく、何が悪となるのか、そういった話は置いておいて、です
    犯罪に手を染めるとき、きっと何かのきっかけがある。それを理解できるのかどうかも別として

    人は人によって傷つき、でも人によって救われる

  • あらすじ
    いじめを受けている高校生。両親は離婚し、父親は不倫相手を家に連れ込む。おの不倫相手からも疎んじられ家に居場所はない。親友だと思っていた友人には、不良の先輩に告げ口され、毎月カツアゲが続いている。
    父親、彼の息子はいじめが原因で自殺し、妻は精神を病んで自殺した。いじめの真相を探るうち、加害者は他の生徒もいじめていることがわかる。

    ストレートな復讐物語。被害者側の人たちが真面目で、完全犯罪なんて目指しておらず、自分の贖罪と、他の子供たちの救済を考えての行動だった。

  • 読みながら何度もいたたまれない気持ちになりました。何かあったら何でも言えばいい。当たり前に言う言葉かもしれないけど、本当に何かあった時に打ち明けることはができるのか…打ち明けてもらえるのか… そして何が罪なのか…心が揺さぶられました。

  • いじめられてた少年とピエロが出会っていじめた少年たちを復讐していく。そして、ピエロの過去もわかってきて、、、最後の刑務所に風船を飛ばすのには結構泣かされました。

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著者プロフィール

1976年長野県生まれ。11年「ジャッジメント」で第33回小説推理新人賞を受賞。2016年、同作で単行本デビュー。他の著書に『罪人が祈るとき』『救いの森』がある。

「2020年 『イノセンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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